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マンスリーレポート

2009年11月

「3つのベクトル」

 

先月、各事業所を廻り各部署の皆さんへ、今のホロニック社の状況、また今後についてのお話をさせてもらいました。その中で「3つのベクトル」なる表をお渡ししました。
これをもう少し噛み砕いてみたいと思います。
・日本一のコミュニティホテルチェーンを目指します
・経常利益率10%超の企業体質を創ります
・ベンチャースピリッツ、ホロニック思想の覚醒と継続を維持(復活)させます
この3つ
一つ目は皆さんにとって現実的にイメージがつきにくいものかもしれませんが、二つ目はまさしく今回下期単体(6ヶ月)の目先の仕上げだけとってみれば実現可能だと実感されている方(特に予算策定に関わったGM他皆さん)も多いかと思います。
当然難しい挑戦ではありますが、これまでになくイメージをイメージで終わらせることなく(何となく何とかなるだろう的感覚でなく)極めてリアルに、(かといって保守的過ぎては目標に到達できないので)希望、期待、気合はしっかり入れ込んでおりました。
簡単言うと、「ジャンプしてあともう一息で手が届きそうな高さの鉄棒!」(簡単に届きすぎず、かといって無茶な高さでない)、こんな感じです。
しかし、これに到達出来たらここで言う10%超の利益を捻出できる会社になります。
しかも、今回これが達成できたあかつきには、「10%超の利益を達成した」という結果だけでなく、これからもそれが達成できる力を持った、つまり「継続してその利益を出し続けられる会社になる」、つまり「体質」が築き上げられるということ。
そういった意味でこの下期の位置づけとして「筋トレ強化期間」といえるでしょう
だから悲鳴を上げる場面もあるでしょう! 逃げ出したくなる局面もあるかもしれません! 本当に強くなれるのか不安に感じることもあるでしょう!
筋トレをするということは運動をやっていた人にとっては理解できないことでもないでしょう。
しかし、この筋トレをしっかりこなしていった結果「筋肉体質」になっている、つまりそれは一時的に強い体ということでない、また筋トレ習慣がついているので維持することが簡単になっていることに気付くはずです
今は10回の腹筋運動も苦痛だが、3ヶ月続けるとそれがいとも簡単になり6ヶ月続けていたら100回も容易になり、気付いてみたら、贅肉などまったくな“物凄い体”になっていた・・・なんてことは想像に絶するような話しではないでしょう
だから、まずそれをやっていきましょうということ!
利益を捻出する、しかも10%超の利益を出すためには、今までのようなことをやっていては実現出来ません
なぜなら、今までは10%おろか赤字体質だったわけですから、すなわち今までの状態を維持させて何とかしようとする発想はまずをもってありえないというのは明白です。
練習量を増やさなくてはいけません
つまり行動量を増やすこと、しかし人は誰でも一日に与えられている時間は限られています
寝る時間も食事をする時間も必要ですから、その限られた時間の中で練習量(行動量)を増やす努力が大事です。
また、同時にその時間をいかに有効に活用するか
それは頭を使うしかありません、
人は自分の持つ脳の数%しか活用していないと言われています。
よく考え尽くして“もうここで自分の能力の限界!”といってそこで思考をストップさせてしまう人が多いですが、それでもまだまだ余白があるということに気付かなくてはいけません。
体汗に加え頭汗をかいて限られた時間をこれまでと違う活用をひとりひとりが意識したら劇的に生産性は変わります。
常に問題意識、課題感、まだ出来るんじゃないか・・まだまだ・・・という感性が大事になってきます!
利益捻出と言うと「顧客満足」と相反するものではないかと考える節は誰にでもあることでしょう
しかし翻って考えてみると、利益というのは私たち従業員の生活を守るための源泉であるということを忘れてはいけません。
スタッフの生活を守る、もしくは生活水準を高めていくことは、それは会社にとって最低限の責任でもありますし、そもそもそれが実現できない組織で、お客様に満足を高めていくサービスが出来るわけがありません。
お客様と対峙する私たちのやる気、表情がお客様の購買意欲につながることを私たちは知っています。
また利益があればこそ新たな顧客サービス向上に関わる投資が可能になります。
顧客サービスを低減させるようなコストダウンを強いなければいけない状態に陥ることを防ぐにはその原資である「利益」を確保しなくてはいけません
だからお客様の満足や感動を与えるためにも利益は絶対確保、
お客様に必要とされる会社、その会社を維持させていくために必要なコストこそが「利益」であるのです
その利益も出しすぎると批判も浴びたりしますが、ひとつの指標として、健全な組織のあり方としてそれを「10%」という基準を設けました。
他の業界から比べるとまずまず、しかしホテル業界からするとかなり高い水準です
おそらく10%以上の利益を出している同業他社は日本全国ぐるっと見回しても皆無に近いでしょう!
だからこそチャレンジしがいがあるというものです!
このチャレンジの行く末が、3つのベクトルのひとつめである「日本一のコミュニティホテルチェーン」です
日本一というと、それは売上規模なのか、店舗の数、従業員の数、利益額などなどいろいろな基準がありますが、まずを持って全国8000件ある種種様々なホテル、60000件ある旅館の中で、「コミュニティ型ホテル」という分野をしっかり私たちなりの独自の土俵、そう“私たちが勝てる土俵”をつくっていくことです。
ホテルブランドを創ることも、利益率10%のことも、自分たちの独自性を、つまり他にない体質、体制をつくることで「オンリーワン」それはすなわち「その分野におけるナンバーワン」になるわけです
そこに全ての資源を集中して臨んでいくことです
それが叶えることが出来ればまさに「日本一のコミュニティホテルチェーン」が出来上がります
そして3つめにありました「ベンチャースピリッツ」
そもそもホロ社はベンチャー会社です
今快進撃、1人勝ちといわれているユニクロの柳井社長の言葉ですが
「1人勝ちだなんてとんでもない、まだまだ全く未完成であり今日現在も日々悪戦苦闘している最中、成功など程遠い、と思っている・・・」
という言に加え柳井氏が数年前、一度業績が低迷し、一旦降りた社長職に復帰したときに
「再ベンチャー化」を掲げたそうです。
改めて、守りに入るのでなく攻めに転じる、そんな原点に戻って、起業家スピリッツを全社員に求めたわけです。
私たちホロ社も創業10年を超え、まだまだ若い会社とはいえ、若い会社ということで免除してもらえることはなくなりました
いわゆる普通の中小企業に陥りがちな局面です
再度それを脱皮していくことが急務です
そしてそもそもの「ホロニック思想」
依存しない個々人、つまり自立、独立した精神を持つ個々人がしっかり組織の中で調和していく
個々人が御神輿担ぐように・・・土台である個人が強いこと、それによって御神輿の重量を上げることが出来ます
御神輿に重量が重く、でかいほど強いインパクトのあるものになることは言うまでもありません。
一方土台である個々人が強くても調和がなければ一瞬にして崩れ落ちます
だから、「個々人が強いこと」とその「調和」は一体でなくてはいけません
それがホロニック思想です
ひとりひとりの個性がそれぞれバラバラでも構いません、
しかし目的や方向指示器がバラバラではいけません
それをマネジメントするのが経営者や経営層でもあります
個々人が強く、増えてくれば来るだけそのマネジメントは難しくなります
そこが経営者の力量が問われるところだと思います
そのために私は頑張ります!
まずは「経常利益率10%」を誇る会社体質にすることで、「日本一のコミュニティホテルチェーン」をつくる礎(いしずえ)を築く、そのためには常に「ベンチャースピリッツ」「ホロニック志向」をしっかり保持していく。
その行く末には何があるか・・・
「わが国のホテル業界に影響を及ぼす会社」そして「わが国のホテル業界そのものの社会的地位を高める担い手」になっていることでしょう
ホテル運営業というものが「部屋を売る」「食事の場を提供する」「集まる場所を貸す」というような機能を満たすことを目的とする事業なのでなく、それらの機能はあくまでも手段として、ホテルではそこで過ごしてもらう、またそこでくつろいでもらう・・・そんな人の心や体を癒したり、豊かにする“時間”そして“空間”を感じてもらうことを目的とした事業にしていきたい、そしてそのホテル周辺の地域の方々のつながりを大事にした、つまりコミュニティを最も大事にしたホテル会社を目指していきたいと考えています
これから12年の時間を持ってここまで完成させていきたいと考えています
皆さんひとりひとりの協力、力なくしてそれを実現することが出来ないということもここで改めて明言しておきたいと思います