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マンスリーレポート

2009年06月

「変化に変化する!」

 

今、変化の時代、変化を求められる時代と言われています。
19世紀の自然科学者「ダーウイン」の名言
最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である
かつてのリクルート社の社訓
「自ら機会をつくり、機会によって自らを変えよ」
チャンスは自らの手によってつかみ、そのつかんだ(与えられた)チャンスによって、また自分を変えていけ! そんな気概のある意味と私自身はとらえています・・
明治時代の美術家、岡倉天心の言葉
「変化こそ唯一の永遠である」
実際のところ「不変」といえるのは「変化」だけ・・・ということでしょうか
喜劇王チャップリンの言葉
(あなたのこれまでの最高傑作は?と聞かれ)
「NEXT ONE!」(次の作品だ!)
このようにありとあらゆる人生の場面で遭遇することは「変化を求められる」ことのような気がします。
私たちの業種におけるビジネスにとって、つまりは「消費者直結ビジネス」(BtoCというのでしょうか・・)では「顧客」は日々変化しております。
志向、嗜好や心理、生活スタイル、ファッションなど何から何まで変化しています。
そんなことから私たちは「ホテル業」といった「部屋を売る」「宴会を売る」「食事を売る」といった「コト」を勤しむ前に「変化対応業」であるということを心に秘めておかなければいけないのだと思います。
よく伝統のある老舗企業、老舗家業でも優良なところは自社の伝統ある独自商品にも微妙な変化をもたせ続けているようです。
これは私には結構意外なことでした。
和菓子など食品などの老舗でよく聞くキャッチは「伝統に育まれた変わらぬ味!」みたいなイメージを持っていましたが、そのような会社は逆に伝統をも守るためにも「変化」に対してとても敏感であるようです。
これはある代々続くブランドメーカー(エルメスだったかな?)の経営者の言葉
「ブランドは変化し続ける、それは消費者が変わり続けるから、変わらないのはブランドと消費者の距離だ!」
名言だと驚嘆!
言い換えると「伝統を守る=顧客に支持され続けるには“変化”し続けなければならない」
ということですね。
今の世の中「情報化社会」と言われています。
つまり「欲しい情報はいつでも入手できる」
人の購買行動心理、購買決定プロセスを説明するときに「AIDMAの法則」と言われる言葉を使いますA=消費者はまず、その製品の存在を知り( Attention)、興味をもち( Interest )、欲しいと思うようになり(Desire)、動機を求め(Motive)、最終的に購買行動に至る( Action)という購買決定プロセスを経る。
しかし今や進化して「AISAS」という概念に変わってきているといわれています。
それは・・・
Attention(注目)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有)
このように、動機を高める前に「検索(調べる)」のです。
「関心」から「行動」が早いのです!
それが今のようなWEB時代の鉄則です
そして最後「情報の共有=SHARE」
ミクシィなどのサイト、ブログなどで目に見えない人と同じ価値観でつながることが出来る。
今やそんな時代ですが、まだ10年ほど前、少なくても15年前にはネットはおろか、携帯電話さえもまともに普及していませんでした。
15年前、私はせいぜいポケベル(もはや死語!)でした。それでも当時は画期的でした!
全くパラダイムが変わってしまったのです
そう世の中は大変化の時代です。
上っ面の過去の経験則や伝統が意味のないことは明白です。
では全て、何もかもが変わったのか??というとそうでもないような気もします。
何が変わっていないのか?
「人の気持ち」
例えば、「幸せになりたい!」「豊かな生活を送りたい」「楽しいことをしたい」
そういった抽象的ですが、「願望や欲望」またそんな「人の気持ち、志向」はあまり変わっていません。
例えば
15年前、私はブライダルの事業に携わりました。
当時は「結婚式といえば総合結婚式場か大型シティホテル」
その選択肢の中で、衣装から美容、写真に至るまで、式場ホテルの指定業者に依頼しなくてはいけない何とも自由度のないスタイルでした。
それを自由にしたのが今のハウスウエディングブームなどを巻き起こした先鋭達でした
「選べる自由」が世には受けました。
しかし、今どうでしょう
ゼクシィを見ても、またネットを見れば誰でも何度も情報は入手できる、また自分にマッチした何かを簡単に探せるし、頼める・・
もはや「選べる自由」は価値あることではなくなりました。
台頭したのは「選ばなくてよい安心感」
そう、洪水のように溢れる情報の中、自分にあったものは何かを提案(コーディネート)してくれる人、
またセンスを求めています。
かつては「情報がなくて選べない」でしたが、今や「情報がありすぎて選べない」という現象です。
それほど大きく変化しているわけです。
それほど大きく変化しているわけですが、全く変わっていないことがあります。
それは
「自分たちらしいウエディングをしたい」
この志向、この“想い”“気持ち”だけは全く変わっておりません。
おそらくこれから先もこのニーズはしばらく変わらないでしょうね。
「自分たちらしいスタイルを求める」ことが変わりませんが「自分たちらしいというのは何」というその“何”は変わり続けるのだと思います。
その「何」に対応、適合していくことが私たちには求められます。
お客様は基本“後出しジャンケン”を臨んでいきます。
そう「私のニーズはこうですよ!」とはなかなか言葉を発して事前に教えてくれません。というかあまり言葉に出来ないのでしょう
(好きか嫌いかをきちんと言葉で定義するのは難しいですよね・・・それは感性ですから)
こちら側が何かを発してみて「あ~これこれ、こんなの欲しかったんですよ!」「こんなの待ってたんだよ!」
これが顧客心理です
私たちの仕事、よくお客様の言われることを真に受けて「顧客ニーズに対応する!」と最もらしい捉え方をして、結局「御用聞きを善」にして、自分(達)を正当化していることが多くないですか?
お客様が既に言葉や口にする「要望やニーズ」は「これからのヒット商品」にはなりません。
「携帯電話」が出る前「携帯電話が欲しい」と言っていた人はまず皆無です。
今や「液晶、プラズマ」といえばテレビの常識ですが、そんな言葉もシャープなどが液晶テレビを世に発する前に「液晶のテレビが欲しい」と言っていた人はいたでしょうか?
ニーズは「対応するもの」でなく「掘り起こすもの」なのだと思います。
変化する顧客に対して、適応していくにはお客様以上の感度、感性を持っていなかれば「お客様に喜んでもらえる」を創造することは出来ません。
私たちには「変化を受け入れる姿勢」が必要です、そして「変化を楽しむ感性」が大切です。
「変化を楽しむ感性」って?
やっぱり何事にも「興味と関心」を「素直」に持つ「気持ち」でしょうかね
“こんなのあったらなあ~、こんなのあったら便利だろうなあ~、”
こんな発想を常日頃考えている習慣が大事かと・・
当然、そんな時はまだ周囲からは「そんなに出来るわけないじゃん!」とか「そんなの売れねえ~よ」とかという声が大半であることは覚悟して・・・・ですが。
 
長田 一郎