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マンスリーレポート

2017年12月

「JR西日本ホロニック」

今年も残すところあとわずかになりました。

今年はホロ社の来年以降に向けた地固め、足固めに終始した1年だったと自ら振り返っております。

昨年に続いて新店開業はなく、逆に姫路「SORANIWA」を撤退しました。

一方で、「兵庫食べる通信」事業への出資をし、既存事業でもあるセトレのブランディング(ピカピカ磨き!)を促進しました。

加えてデザイン会社「UNIIC」を設立して、これもまた同様にホロ社内のブランディングを強化していくことにまい進してきました。

つまり、「広げる」のでなく「深める」ことに経営資源を注いできました。

とはいえ、その間でも「広げる」ための布石は打ってきました。

それが来年の「セトレならまち」です。

広げるための根っこを固めてきた1年と言ってもよいかと思っています。

そして、それこそ先月に発表されました、2019年・京都梅小路でのホテルPJTはそれまでの2年間の「中腰体勢?」で固めてきたことの集大成だったのではないかと思っています。

9月29日に「株式会社JR西日本ホロニック」が設立されました。

これはホロ社が「JR西日本」及グランヴィアホテルなどを展開するグループ会社「JR西日本ホテル開発」と共同出資でJV(ジョイントベンチャー)会社を設立して、

主にJRグループの保有する未稼働不動産にホテルを展開していこうとする事業会社です。

今回、京都駅近く梅小路公園前にある社宅跡地を第一号事案としてホテルをつくり、この新会社が経営・運営をしていくことになります。

セトレの3つの要件(コンセプト)

①   景色・景観(を活かす)

②   地域資源の発掘・発信・交流(を生み出す)

③   過ごしの時間・空間(を演出する)

をベースにしますが、規模、立地条件から必ずしもセトレと同じものが出来るとも限らないこともあり、ホテルブランドは新たに命名します。

ホロ社としてはセトレに続く第2の業態ブランドをつくるということになります。

そしてその第2のブランドはJR西日本グループと協働で行っていくということです。

さて、果たしてなぜ、このような展開になったのか??という話しです・・・

JR西日本といえば、いわずと知れた日本国民なら誰でも知っている大企業であり、国内(というか西日本でしょうか、、、)に住む人ならば、

必ずといってもいいほど利用する、つまり「国内においてはなくてはならない事業」をしている会社であります。

かたや、ホロニックはそういった意味ではあらゆる側面から見て対称的にある会社です。

その両社が「協働事業」をするということです。

きっかけは、ある別案件でJRの幹部の方にセトレ事業について、またその企画背景(闘魂塾などで皆さんに話している類の話です)を

お話する機会があったことです、昨年の春頃の話です。

その後、この別案件とは別に、自社の保有する土地にセトレ、ないしはセトレを汎用させた業態が出来ないかどうか、

そしてその事業を共同事業体で出来ないだろうか?という相談、打診をいただきました。

つまり、「セトレ」というコンセプトに対してJR幹部の方に共感を呼んだことがこの会社設立のスタートでした。

JR西日本はいわずもがな、鉄道会社ですが、非鉄道部門、つまり、駅ビルとか、また駅周周辺の開発であったり、

いわゆる鉄道にまつわる周辺事業を強化することが中長期戦略であります。

(これはJR西日本だけでなく、全国の私鉄各社でも同様なことだと思います)

京都・大阪・岡山・広島などに点在するグランヴィアホテルは駅上、駅前にありますが、これもJR西日本のグループ会社です。

皆さんもご存知のように、今世の中、とりわけ都市部ではホテルラッシュです。

それは、インバウンドの増加、そして2020年・東京五輪に向けた海外旅行客の日本への誘致などにより、流入者数を増やし、

観光産業をいまや成熟した(といわれる)日本経済の起爆剤、ないしは柱にしていこうという国策の影響から起きている現象であります。

そんな世の中の背景の中で電鉄会社のようなインフラ会社がホテル事業を強化していくというのは必然だったのではないかと思います。

しかしながら、本業とは異なる事業を積極的に行っていくのはリスクが伴います。

グランヴィアのような駅上、駅前立地にあるホテル、またヴィアインといった宿泊特化型ビジネスホテルを繁華街立地に展開していくことならば

自社の経営資源でなんとかなろうことであっても、それに該当しない立地環境で、ホテルといっても特異な業態を展開していくことは保守的な

企業にとっては容易に意思決定することは出来ません。

そこで白羽の矢が立ったのがホロ社だったというわけです。

会社の規模だけでなく、風土、体質、安定性から「見た目」も「中身」も真逆なホロ社に声がかかった理由は

「“他にない業態“を展開していること、そしてその”企画力“」、、、、だったそうです。

それまで多くの数、提携可能なホテル事業会社を求め探していたそうです。

しかし、おおよそが同社にとって想像のつく範囲の事業会社だったようです。

ホロ社の企画力とは、その「世界観」(まあなんとも抽象的でふわっとした話しですが)が、曰く「目から鱗」だったそうです。

ホテルは観光客ないしは来街者を対象とするビジネスでありますが、地域の人との関わりを主軸にするという発想はしていく取り組みはそうそうありません。

私の理解や解釈だけで言えば

「ホテルという業態に固執しない、ホテルのようでホテルでない、ホテルだけどホテルらしくない」

「(観光資源ではなく)地域資源にフォーカスし、大事にし、そのつながりをつなげることで、結果的に来街者(観光客など)であるお客様(消費者)の満足を得られる」

(すなわち、顧客<地域→顧客満足という思想で経営している)

「お客様は“どうやったら来るか”(HOW的)、、でなく “どうすれば来たくなるか(WHY的)”に尽力していること」

こんなことが、おそらく他社にない、マーケティング用語的にいえば「競争優位性」「事業領域」の独自性、特異性なのだと思います。

いかに、「他より強く」、、、でなくいかに「他と“違う!”」ことを追求することで相手の土俵に立たず、

自分達の土俵をつくってしまう方がはるかに重要だと思って経営しています。

その発想起点は決してJRのような大企業では絶対出来ません!

絶対出来ないことに注力することで、それ以外のほとんどがかなえられてしまうJRのような大企業とご一緒出来るようになる、、、のかもしれません

さて、この新会社によってホロ社とすれば、JR西日本という世間的な大きな信用補完につながります。

ホロ社だけで出来なかったことが出来るようになることに大きな利点があります。

JR西日本にとっても自社で出来なかったこと、やったことをないことをやる上でのリスク補完にはなると思われています。

勿論両社にとって、成長ポテンシャルを高めていくことがかないます。

ホロ社にとっても数年前では到底考えられなかったスキームです。

新たなベンチャービジネスがホロ社の中で育まれていきます。

来年以降がとても楽しみになります。

是非スタッフ皆さんとその機会によって、成長軌道に共に乗っていきたいと思っています!