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マンスリーレポート

2017年02月

やりたいこと・やれること・やること

「やりたいこと・やれること・やること」

本能寺ホテルという映画が公開されています(2017年2月初旬現在)http://honnoji-hotel.com/

その中で綾瀬はるか扮する、いわゆる普通の現代女性が「本能寺の変」の前日にタイムトリップして堤真一扮する。

「織田信長」に遭遇し、翌日に家臣である明智光秀の謀反が起こることを伝えます。

歴史の上では織田信長は天下統一のためには手段を問わない、極めて封建社会の時代の中でもとりわけ封建主義的な人物であったとされていますので、

(物語上で)その台詞を発した瞬間、光秀を失脚させることを企てることも出来たわけですが、それをせずこの未来から来た女性(綾瀬はるか)

の事前情報の助言に慌てることもなく特段の行動も起こさなかった・・・・のです!

(いわば「自身の命を守り、歴史を変える」行動はしなかったということです)

その理由は・・・・

この300余年先の現代からやってきたこの女性の持っていた「婚活の類のちらし」を見て、人々が幸せそうに見えたから・・・・

つまり、(物語上での)信長は、この幸せそうな300余年後を迎えているのなら歴史は変えてはならないと考えて、あえて(史実通りの)

自害を選択したというわけです。

つまり本能寺の変によって自害したという歴史を変えないということを瞬時に意志決定したということです。

コミカルなタイトルなこの映画にはこのような深みがありました。

(物語上での)信長は、自分の権力を高め、ないしは願望をかなえるために、手段を問わない非人道的な措置をしていたのではなく、、、

世の中の幸せを歴史観(300年先?)を持って描きながら行動をしていた、それを目の当たりにした現代女性(綾瀬はるか)が衝撃を

受けて自分自身の人生を見詰め直す・・・というある意味とっても美しい人間模様のある話です。

今の時代は過去、ないしは未来の前後300年を俯瞰してみたらどんな時代なのでしょうか?
それはわかりません・・・わかりませんが、おそらく300年前と比べると誰もが「やりたいことがやれる」時代なのではないでしょうか?

信長時代、ないしは幕末といった時代のような「封建制度」はありません。

しかし、わりと現代人は「やりたいことがない」ということ(理由)で「何かをやること」をしない。

そして「やれること」を“自分探し”と称し、探し続ける行為が増えているような気がします。

また自分磨きと称し、「やれること」(出来ること)に固執する現象が多いような気がします。

「やれること」に固執していると「やりたいこと」が見えてこないのでは当然です。

人間、大概「やりたいこと=やれること」ではありません!ここには大小の差はあれ乖離があるのが普通です。

そして人間の行動は大概、やったことがないことを試しにやってみると「失敗」します。

初めてトライしたことが何にも蹴躓かず、続けられることはほとんどありません。

なので、一度失敗したり、うまくいかなかった体験があると「やること」を辞めてしまう傾向があります、やがて「やれること」を探し出します。

失敗したり、うまくいかなかったりすると、それは自分の中にある「やれないリスト」に入ってしまって二度とそれはリストから

取り出されることがない・・・なんていうことも冗談のような話でもありません。

この映画の主人公の現代女性(綾瀬はるか)は、「やりたいことがない」そして「やれることを探している自分」に対して、

ぼやっと悩みを持つ本当に普通の、ある意味今風の女性という設定でした。

打算的に資格を取ることに走ったり、今自分の出来ることに無理やり納得させようとしたり、自分探しと称して現実逃避をしようとしたりする、、、、、

いずれにしても「やること(行動)」を起こさない(これも“起こせない自分”というように封じ込めてしまうわけですけど・・・)のですが、

思いがけない機会(300年前の事態)に直面して(これこそ現実的でもないのですが、あくまでも物語なので。。。。)自分のやりたいことを
見つけていきました。

私思うのですが、「やりたいこと」はもがいて「やること」を実直に続けているときっと見つかってくる、そしてやがて「やれること」に
なっていくのだと思います。

「やれること」はもがかなくても、またはわりと実直に「やる」ことをしなくても「やれる」のでしょうけど、

それでは「やれること=やりたいこと」には成り立っていかないのだと思います。

やはり、主語は「やりたいこと」です。

「やりたいことがない」ということは、“(普通は)ない”のだと思います。

それは「気付いていない」だけのような気がします。

気付いていないことに多くの人が思い悩むのかもしれません。

この思い悩むのは若い人独特のものでもないように思います。

ベテランのような域の人は思い悩むのを辞めてしまって、ただ「やりたいこと」を封印してしまう人が多いだけだと思います

かくいう私も50歳を目前にして、まだ「やりたいこと」を探求しています。
つまり「自分探し真っ只中」でしょうか・・・・

なので、相変わらず蹴躓き、壁にぶち当たりまくっています。

それでも、確率は高くなくても新たな発見や気付きも少なくありません。

ちなみに、老若男女共々、「発見」があったら、つまりそれって「気付き」ですが、それが起きた瞬間は誰しもが

ワクワクしたりモチベーションが上がったり、それによって成長実感があったりしないでしょうか??

そんな「発見」「気付き」は絶対に「やること」からしか生み出されない、闇雲であっても“動くこと”で

実感されるものではないでしょうか?

「やること」を積み重ねることで「やりたいこと」が見つかり、そしてそれが「やれること」に到達していくのだと思います!

私はホロ社と共に20年近くの月日を過ごしてきましたのでほぼ個人・法人一体みたいなものですが、思い返すと常に「やりたいこと探し」

に埋没していて、今もなお続行中です。

生き方の価値観を押し付ける趣味はありませんが、是非皆さんも「やりたいこと」や「自分」というものを探すことは一生の仕事だと

思って探求してみて欲しいと思っています。

ちなみにこの映画の綾瀬はるか扮する主人公は、この(物語上の)信長の生き様に触れて、社会科・日本史の教員になることを自分の意志で決めた・・・

ことがこの映画のオチでした(ネタばらし)