2017年01月
これからのホテル
2017年がスタートしました。
昨年末でホロ社も満18歳、人でいえば、高校卒業、社会人になる人も多い、選挙権が得られるなどいわゆる世間からは
「大人扱い」を受ける年齢になりました。
人としては“そんな程度!”ではありますが、法人の生存率(寿命?)のほうがはるかに短いのでまあ世間でいえば、
フレッシュマンとは扱われない年数が経過しました。
試行錯誤の連続ではありましたが、私的にいうと一昨年からのこの2年くらいの充電期間(というか屈んで足腰を鍛えなおしていた感じ・・・)
も今年9月で迎える50歳で総括した上で、次のフェーズへ舵きりしたいと思っています。
様々な市況の変化があり、また社内においても様々な変化、変革がありましたが着実に、組織も、また皆さん個々人も
成長をしているのではないかと思っています!
売上の規模や店舗の数といった「量的成長」だけが成長というわけではないことは私自身わりとこの2年で学習してきました!
大事なのは「質」、そのために必要な体力、筋力づくりに費やしているつもりです。
モノ・カネ)を出さない(経営資源の選択)ことを意識してきました
加えて、セトレという主力事業に対してその意義・意味(「セトレとは何か?」的な・・・)にしっかり向き合って次のフェーズを
想い考え続けてきました!
「つながりつなぐ」という行動、そこに秘められた意義や意味を、それまでになくたくさんのスタッフの皆さんひとりひとりが思考し、
行動し続けてくれたことで「セトレとは何か」「ホロ社はどこに向かうのか」が強い共有・共感が生まれ始めてきているのではないかと思っています。
今、皆さんが日々築き磨き上げている「つながりつなぐコンセプト」を具現化していくホテルが様々な方面から求められ始めていることを
ひしひしと感じます。
それは、ホロ社においても、これまでになく「ホテル開発案件」の相談を多くいただいているという事実を持って感じるのです。
さて、2020年、東京オリンピックに向けてインバウンド4000万人という目標が政府から掲げられています!
その実現のために東京、大阪といった首都圏で44000室という宿の客室が不足しているといわれています。
従って、今空前のホテル開発ラッシュになっています。
インバウンド4000万人は2010年実績と比較すると5倍です!
(ちなみに2015年が2000万人(16年はおそらく3000万近く)
インバウンド政策が始まった、いわゆる「ビジットジャパンキャンペーン」が始まった2003年年当時は500万強、
そう考えるとこの目標値は天文学的に相当なものですが、世界の状況から俯瞰するとフランスの8000万には
別格としたとしても、同じアジアのタイ(3000万)、香港(2600万人)、淡路島程度の面積しかないシンガポール(1300万)、
お隣韓国(1300万人)と比べても現段階の2000万強も決して多いとはいえません。
なので、私個人的にはインバウンドは、この世界一、安心・安全、また歴史・文化に満ち溢れ、食文化の充実した国に
おいて衰退していくことはないと思いますのでこの傾向は増え続けることがあっても減ることはないと考えています。
今はインバウンドの大半が中国人などに偏っていて、欧米人が少ないということが懸念(中国の景気や、対中国対策に
よってそれが左右されてしまうのではないか・・・)があるようですが、それこそ欧米人にとってはまだ「未知」であることとも
言えるのでそれは逆にポテンシャルが高いと言い換えることが出来るというのが私の見立てです。
加えて昨年末にもカジノ法案が通り、おそらく今後カジノが日本国内でも合法になる流れは加速すると思われます。
2020年のオリンピックが終わってその熱が冷めないうちにカジノ、またそれにまつわるリゾート施設ラッシュになる可能性もあります。
その実現が仮に軟調であったとしても現状よりも外国人が流入していく流れやそのためのニュース性は増してくると思います。
しかし、かといって、手放しに闇雲に「宿泊宿を増やす」ことが「よいこと」だとも「正しいこと」だとも個人的には思ってはいません。
今増え続けている「宿」の多くが、ビジネスホテルの類、中にはカプセル、ゲストハウスといった業態が多いわけですが、
まさにこれは「寝室」であり「寝床」です。
勿論ラグジュアリーな「宿」、地方創生といった国策に煽られて地方ホテルも潤ったりしていますが、一方で民宿や従来型の
「旅館」などは増えていません、むしろ青息吐息といった施設も多いのが現状です。
そんな群雄割拠のように業界が動いていく中、日本の人口そのものはこれから確実に減っていきます、
特に労働生産人口(16歳~64歳)(つまり、動き回れるような人、消費意欲が高い人)はこの少子高齢化傾向の中で確実に減ります。
一方、長い目で見ると今後、国内移動手段、つまり交通インフラは充実してくるでしょう!
つまり、各地に移動するのに「安・近・短」・・・便利極まりなくなるでしょう。
新幹線網は広がり、飛行機の離発着便が国内外で増え(そういえば今や羽田空港も国際空港化しましたが、
かといって成田空港が衰退したわけでもありません)、リニアモーターカーなども出来たら、いわゆる「ビジネスマンの
ためのホテル」はどこまで必要でしょうか?
ビジネスマンの宿泊出張は確実に減るでしょう。
ビジネスに限らず、“宿泊しなくてはいけない都合”そのものが劇的に減ることでしょう!
だから「仕方なく宿泊する場所」よりもむしろ「宿泊したくなる場所」が求められてくることは間違いないのではないでしょうか?
さらにですが、外国人が増えるといっても、それはリピーターが増えることなくして決して増えない・・・・と思いませんか?
日本に初めてきた外国人が「もういいや!」と思うようであれば繰り返しくることは減るわけですから・・・・・
今、増え続けている「宿」の一方で、衰退が止まらない旅館の類は修学旅行含む団体旅行向けにつくられた「宿」です。
皆さん少し思い返していただくとわかると思いますが、修学旅行、団体で訪れた「宿」の記憶ってありますでしょうか?
そこで食べた「地元の味」を覚えていますでしょうか?
かつてその類の旅館は活況で、日々、旅行代理店から送り込まれた「客のかたまり」を裁いているだけで経営が成り立っていた・・・・
換言すると、それに対応することが最も経営効率がよかったわけです。
つまり「お客さんはリピートする」なんていう発想は微塵もなかったわけです。
その結果、一昔前(高度経済成長期)はそれで成り立ってきた旅館群がバブル崩壊期のここ四半世紀ほどで一気に
縮小したのは当然の結果といっても過言ではないと思います。
今、インバウンドが活況になる中、また一時的でも景況感がよい中、不足しているのは「部屋」ですから、
ドンドン受け入れの「部屋」を用意してその需要に対応していくことが「正しいやり方」のように思われますがこれは、
まさに一昔前の「客のたかまり」に対応する「やり方」インバウンドが増えても、それを持続可能、持続有効にしていくには、
「その場に来た記憶」をしっかり残してもらうことが出来るかどうかが重要だと思います。
2度3度日本にやってくる外国人の方々が、常に記憶に残らない「寝床の類」を支持してくれるでしょうか??
私は決してそれはないと思います。
宿泊場もそこで過ごす時空間を充実したものにする「処」でなければ支持されないのではないかと思います!
そのために築き上げていくことは「ブランド力」
ブランドは「記憶」と「想起」
つまり「お茶しようよ、だったらスタバに!」(記憶)「スタバといえばどんな処?・〇〇や△△って感じ・・・」(想起)といった具合
(ピザ取ろうか!!だったらピザーラがいいね!!(記憶)、ピザーラっていえば〇〇、△△だよね!!(想起)といった具合)
といった具合に「記憶×想起」が見事に出てくる状態になることだと思うわけです。
なので「寝床」がいくら増えても、インバウンドがいくら増えても「記憶に残らず、想起されない」のではダメなのではないかと思うわけです。
セトレはまだまだ発展途上の業態です、「つながりつなぐコンセプト」を積み上げ、磨き上げていくことは大事ですが、
それをやり続けるとどうなっていくのか・・・・
私は、確実にリピーターが増えていくことになると思います!
「記憶してもらい、想起される」ことでリピート率が高まります。
記憶と想起が醸し出される業態に育てていくことで、確実に次世代に必要とされるホテルになっていくと確信しています!
私達は「なにをつなげているのか?」
「地域(資源)とお客様」「お客様とお客様」そのためには当然「お客様と私達」、
私達とお客様との関係性がしっかりつながっていなければ、後者の2つは勝手につながることはありません!
しかしこの2つがつながることで「記憶×想起」になっていきます。
「今だけ、ここだけ、あなただけ」これをしっかり追及していくことで私達の目的「顧客の創造」が完遂します。
だから、不思議と今ホテル不足といって挙って増え続けているホロ社も関わる「ホテル業界」の動向に関心がありません!
(語弊があってはいけませんが動向を追ったり研究はわりとしています)
むしろ次世代にゴミを増やさないようにして欲しいと願うばかりです。
勿論私達もゴミを輩出してはならないと思っています。
記憶と想起が明瞭なコンセプトをしっかり創り、残していくことがホロ社の大いなるテーマです。
そういった意味でも、今年中に確固たるセトレ、次世代のホロ社を打ち立てられるように日々全力でまい進していきたいと思います!
どうぞ今年も宜しくお願いします!