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「せめて100年続く・・・・」

ホロ社は創業して20年超経ちました!
世にある老舗企業などは100年であればまだ3世代くらいの世襲、それ以上になるともう系譜の世界になります。
ベンチャー企業として当時私自身30代前半でスタートしたホロ社ですが、もう50代になり世間的にも「おじさん」なわけです。
私自身、次世代の経営体制というのはこれまでさほど考えて来なかったし、今もなおそこまでの強い意識がないのかもしれません。
例えば今ホロ社が協業させていただいているJR西日本や阪神・・・これはいわゆる官僚的な体質の中で、世襲ではなく、仕組み、システムの中で企業継続がなされています。つまり、誰が次の経営を担うかは、コンプライアンスによってある意味制御される仕組みになっています・・・一方、奈良の吉田屋旅館さん・・・これは150年個人の世襲で継続してきた企業。
そこは代々の身内にそれまで蓄積されてきた財産(借金も・・・)を継承する・・・預かったバトンを血縁によって次の世代に渡すことがミッションになっている。いずれにしても、企業や組織は「継続される」ことが前提で秩序が保たれているわけです。つまりホロ社もいずれ次世代に経営が引き継がれるわけです。この年齢になって、その落としどころ?はどこなのかを考えるようになりました。そんなことを考える中で、この20年余りのホロ社のこれからの未来を私なりに常に展望しておりますが、表題のような言葉にして考えてみました。所以あって産み出されたホロ社が20余年経過しどこに向かっていくのか考えたとき、「せめて100年続く企業になる」
そのためには、今何をして、これからどうしていく、そして私は間違いなく今から80年後は生きていないでしょうから・・・その頃にどうなっているのか、どうなっていたいのか・・・つまり、私がいない。状態でもホロニックは存続されている状態をイメージしてみることを考えてみると、可能性を感じる一方で危機感、希望に対して不安など色々な想いが交錯してきます。せめて100年続くのはホロニックという「企業」という組織のカタチだけでなく、生業である「ホテル」、そして「ブランド」「社風・風土=文化」というDNAという空気みたいなものまでも同様に意識していくとさらに複雑に交錯します。「100年続くことを目指す・・・」と考えると、それって積みあげ・・・ある意味「足し算」的な発想なのかもしれません。
「せめて100年続く・・・」とマインドセットしてみると、それは理想とか夢とか目標ではなく、「既に起こった未来」の如く考えることになります。それって理想からバックデートしていくという意味では「引き算」的発想なのかもしれません。100年後を前提、ないしはスタートとした場合・・・という発想起点になるということです。そう考えると、今ある迷いや不安はとっても小さなことに思えてきます。
幕末の志士「坂本龍馬」が国民的英雄ですが、そのわずか32年の生涯が、日本史の史実に残っている理由は、国の未来を見据えて私心を超越して「既に起こった未来」を見据えてそれまでの封建時代を終わらせ、新しい文明の時代に導くというコトを成したからです。
「迷ったときこそ遠くを見よ!」
坂本龍馬をこよなく愛するソフトバンク・孫正義社長の言葉です。
大海原に出て航路や指針に迷うことは数えきれないくらいあるわけですが、迷ったときこそ遠くを見る、足元や目の前ばかり見ていると揺られる勢いに負けて船酔いする。だから、はるか遠くを見る、すると・・・確かに目先のミスや判断の誤り、失敗、アラなどは数多くあるわけですが、「それは誤差に過ぎない」だったことに気づく。経営をしていると迷い道ばかりです。
今年はコロナ禍で、先々が見えないことだらけでした(今のこの現時点でもそうです)。しかし、経営者は、そんな中でも船頭として正しい方向に向かっていくための判断や決断をしていかなければいけません。正しいかどうかなどわからないことなどざらにあります。
様々な人々の考え方や予測、イデオロギーなどにも揺られることがあります。しかし、正解がない(わからない)中でも、それを見つけ出し、探し出し、仲間とも共に前進させていく責任が経営者にはあります。だから、いつも思うのですが、「正しい道を選ぶ」のでなく「選んだ道を正しくする」という意志が大事なのだと思っています。そのためには遠く(その先)を見ること。せめて100年続く〇〇・・・と決めた瞬間から100年後からバックキャストする思考に変わります・・・それは我々がいつもやっているフォーキャストの思考と真逆です。100年後のホロニックに私はいません・・・今いる皆さんもきっときないでしょう?でも100年後、セトレはあって欲しい、そして歴史に残るブランドとして君臨していて欲しい。また建物はそのまま残っているのか?ホテルという業態として残っているのか?それは わかりません!
わかりませんが、100年後を時代観に合わせて想像してわかろうとすることが大事なのだと思います。
せめて100年残るブランドを築いていくにはどうしたらよいのか?
それは100年続くブランドをつくっていきましょう!という発想とは全く違います。
せめて100年残るセトレ
せめて100年残るホロニック
せめて100年残るDNA
そんな着眼でこれからリスタートしていきたいと思っています。