「自分らしい生き方を主体的にデザインしていく時代」
先月10月に来年入社予定の内定式で少しお話をさせてもらいました。
6名の内定者に限らず就職を来年に控える学生は丁度このコロナ禍に厳しい就職活動を強いられ、大学に通学する機会もなく、またアルバイト機会などもなくなったわけですから、同志や同士でリアルな対話などすることも減ったわけです。
企業の大半が未曾有の業績悪化が連日報道されるわけですから、求人に対する取り組みが後ろ向きになるのは当然ですのでその不安たるものは相当だったと思います。私は丁度、そんな皆さんの30年前に同じように就職活動をしていましたが、それを思い返してみると、当時はバブル絶頂の最中(とはいえ学生はのんきなのでそれが普通な世の中と感じていた)で、我が世の春のような心地でした。そのような違いはあるものの、私思うのですが、今も昔も学生の意識はそんなに違っていないように思っています。つまり、厳しい世の中(情勢)であろうことは、不安があったとしても、さほど学生さんにとっては“大変!”なことでもないということです。もし本当に「大変」と感じている人がいたとするならば、まさしく「大きく変わる」チャンスだと捉えていいと思います。
ちなみに「100年に1度」と言われる事象は10年に1回くらい巡ってくるし「10年に1度」の逸材はまあまあ毎年のように輩出されています。私は30年前に、それこそ未曾有のバブル期(2度とこんな時代はやってこないだろう?)に社会人になったわけですが、それ以降の人生の方がよっぽど「山あり谷あり」でした。当時思っていた人生の通りにほぼなっていません。証券会社に入りましたが、まさか、その頃その10年後には未踏の地・神戸で起業をしていて、ブライダル事業をはじめ、20年後にホテル業を立ち上げ、30年後、今みたいになっているであろうことは全く想像もしていませんでした。つまり、言いたいことは今思っている思惑通りの未来になるだろうというのは幻想だということです。ただし、思惑通りにならないかもしれないけど幻想は見ようとすること、妄想を強く抱くという意識や行動は極めて大事だと思います。現在、成功している起業家などは「今」を見ているのでなく「未来」を展望しています。大海原に出ようとして乗船し航路を展望しようとする時に、どこに向かおうか迷っていると(=今≒現実≒足元ばかりを見ていると)揺れる波によって船酔いのまわりが早く苛まれます。広い海で揺られながら迷った時(船酔いを回避するためにも)こそ遠くを見ることが大事、それは未来を見るということですすると、あとで振り返ってみると、その時(今)迷っていたことは「誤差」に過ぎないことに気づく。まさに、今ある不安、不満、課題・・・などは未来の自分にとっては大したことではないということです。NEW NORMALという言葉がこのコロナ禍で聞かれるようになりました。「新常態」・・・新しい日常ということですが、これだけ変化に富む時代に、これまでの常識や価値観が一瞬にしてひっくり返る・・・それはつまり変化に富む状態が普通、すなわち「普通が多様化する」のではないでしょうか?都心に住んでいれば安全 大手企業であれば安心・・・そんな概念は消えていきます。だから、生き方、働き方も多様化するのは必然です。個性やこだわりがあることが普通になる。「想定外な事態」という言葉がありますが、それは「想定能力がない人」と言われ方に代わるのでしょう。これって、主体が自分・・・(事態ではない)ということです。この想定能力というのは、まさに発想力とか独創力とか・・・まさにクリエイティビティです。クリエイティブな人・・・というのも特殊能力のある人でなく、普通に持ち合わせる感性になってくるのではないかと思います。まさに「自分らしい生き方を主体的にデザインしていく時代」です。そんな時代において会社というのはその人の人生にとっては「手段」に過ぎないです。ホロニックはそれでいいと思っています!その人の、よき手段になることに腐心するのが、会社の経営者の役割なのではないかと思うのです。私たちのホテルという業界の概念もこれから大きく変わっていくでしょう。サービス業の重要な物差し「EXCELLENT SERVICE」です。より優れたサービス・・・それは英語でいう「バトラーサービス」です。ゲストとホストの関係は上下・・・奴隷制度の頃からの風習が残る業界がホテルを主体にしたサービス業の概念です。サーブ権はゲストが持っている・・・これが常識でした(今でもそうです)しかし、ホロ社は、いやこの業界は大きく変わると思っています、少なくても日本では・・・
日本は「おもてなし」という古来からの言葉、風習があります。それは茶の湯の世界では一般的に出てくる言葉です。これは「主客一体」・・・これは上下でありません。対等な関係なのです。サーブ権はホストにあるのが茶の湯の世界観です。こちら側の、こだわり、想い、世界観・・・それをゲストに対して共感や共鳴を起こす感性をサーブ側・・・つまり私たちに求められるわけです。
そのために必要とされる資質は「感性」感性の源は「らしさ」・・・自分らしさ。良い悪いという常識的な「よりBETTER」(比較)というような話でありません。好き嫌いという、測ることが不能な、「DIFFERENCE」(違い)の世界観です。「らしさ」の探求。皆さんはそこに着眼し志向して欲しいと強く願って思います!