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意味資本の時代

2020年がスタートしました。

ホロ社創業から22年目です。
今年は東京オリンピックが開催されます。約半世紀超(56年)ぶりの東京開催ということでこの世界が注目する祭典に国内でも盛り上がりそれが景気、日本経済に及ぼす指標にもされています。
当時、私は生前でしたのでその頃を体感したことはありませんが、その時代(高度経済成長のド真ん中)の空気というのは子供ながらかすかながら覚えています。物心ついた頃には、家にテレビはありましたが、1964年(昭和39年)のオリンピック開催の頃にそれが一家に一台家庭にあることは普通ではなかったそうです・・・
従って、家にテレビがある家庭に近所の人が集まってみんなで観戦しているシーンだったそうです。
しかしそれから50年経過した今、テレビは一家一台どころか、部屋に1台・・・ひとりに1台しかも・・・当時はまだ白黒、リモコンなどもなく手動でチャンネルやボリュームを調整するようなものしかなく、それは今の人にとってはにわかに想像できないものだと思います。
電話にしても、携帯電話はおろか必ずしも一家に一台ってわけでもなく、近所に取り次ぎ・・・なんて時代でもありました。
当時の日本は、現代と違い、よほど不便だったかもしれませんが、それでも戦後の停滞からの復興が著しく未来に希望が持てる活気のあった時代でした。(今の中国、インドのようにこれから経済発展に向かっているような気運があったのだと思います)
つまり、このテレビや電話の例からもわかるように、当時は、モノが充足していない、ゆえに、生活する上でもモノの豊さが求められていました・・・だから、モノをどんどんつくることに「意味」があったわけです。
便利な機能を加えられていくことによって、それが価値として消費が盛り上がっていきました。
それが80年代後半には加熱し、バブル絶頂期から・・・壊「モノ不足」から「モノ充足」し、
今や「モノ過剰」・・・テレビの機能ももはやリモコンを握ってみれば、その半分以上(私の場合ほぼ7割以上)が使われなかったり、ないしは使う必要のないボタンばかりがくっついています。
つまり・・・ムダな機能・・・つまり「意味のない合戦」がメーカ各社で繰り広げられています。
この半世紀で時代感が変わりました。
それの節目が奇しくも東京オリンピック開催の区切りで思い返すことができます。
今はまさに、モノ過剰・・・だからモノが売れない・・・

そこで、何が大事かというと「意味」。

当時は、モノがある、生み出されることに意味がありました・・・が、今はモノ自体には意味が見出しにくい・・・
「モノからコトへ」という言葉も数年前から言われるようになり、
「体験型」などのコト(個人的にはそれは体験型商品ってモノだと思うのですが・・・)が大事だね・・・
ということで「コトサービス」みたいなことに力を入れる企業も少なくありません。
しかし、私はモノでもコトでも・・・大事なのは「そこに意味があるのか?」ということがこれからの肝なのではないかと思うのです。
商品というモノであっても、、それは「(作り手に)どんな想いがあるのか?」「その想いに共感できるか?」
「それは、何か社会に役に立つのか?」「世の中の問題や課題は解決できるのか?」といった、「意味」が込められているのか、それは、サービスというコトであっても、同様だと思います。
そして「意味」はその作り手や担い手の「想い」に紐づきますので、それは簡単にコピー(真似)できるものではありません・・・
つまり差別性があるということです。
ホロニックの商品、サービスは、「地域資源を企画する」「地域資源を編集する場」「コミュニティ=つながり」といったことを軸に長年やってきましたが、これはこれからもぶれることはありません。
そして、その追求にゴールはありません。
その地域に潜む貴重な「資源」に共感し、その「意味」を引き出していくことで「価値」を編集(集めて編む)することを
続けていくことが私たちの役割であり使命です。
価値を創造し、生み出し、引出し続けることにゴールはありません。
今年は。より「意味=想い」を資本にしたまさに「意味資本」(造語ですが・・・)の企業体質を目指していきたいと思います。

最後に武道家の寓話を紹介します。

「黒帯」は武道家にとって修行の末に手に入れることの出来る勲章のようなもの

この名誉を受けるためにひとりの若者が試練を積んで師範のもとにやってきた。

師範:黒帯を受ける前にもうひとつ最後の試練がある

若者:準備はできています

師範:黒帯の本当の意味は何なのか?

若者:旅の終わりです これまでの厳しい修行の褒美です

師範:まだ黒帯を与えるわけにはいかない、、、また1年後に来なさい

そして1年後師範は同じような問いをした

若者:武道で卓越した技を持ち、頂上に達したことを示すものです

師範:まだ黒帯を与えることはできない、、、また1年後来なさい

そしてさらに1年後師範は同じような問いをした

若者:黒帯は出発点です、常に高い目標を目指して終わることなく続く修行の出発点です

師範:うん ようやく黒帯に値するようだ、、修行はこれから始まるのだ

ホロニックにも私にも価値を創り生み出し続けることにゴールはありません。

常に、意味を携え新たな価値を追求し続けていくことを改めて出発点として、今年の豊富にしたいと思います