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POTEL

2017年11月にJR西日本社とその子会社でグランビアホテルなどを経営するJR西日本ホテル開発社とホロ社の3社でホテル経営を目的に設立された「JR西日本ホロニック」の第一号店ホテルが今年の6月2日に開業する予定です。

ホテル名は「POTEL」、これはホテル名であると共に新しい業態(ホテル、旅館、ホステル、ビジネスホテルといったような)をも表現するネーミングとして名づけられました。

人と人をつなぐ、人と地域を繋ぐ、観光客と地元の人をつなぐ・・・そんな結節点になるように・・・英語でいえば「PORT」(港)という意味の「PO」

そして、ただ泊まるだけでなく、過ごす、ぽ~と過ごせるような時空間を演出する「PO~」

この2つの意味の「PO」を「HOTEL」と組み合わせた造語として生み出されました。

この言葉の元になるコンセプトは、ホロ社で展開している「SETRE」を源流としています。

「過ごしの時・空間」「地域資源の発掘、発信、交流」・・・そして「RESET+REVIVE」(ココロとカラダのリセットと、いきがい、やりがい、はたらきがいなどを持てる気づき、発見、再発見を促す)

そのようなホロ社独自のアドベンチャー的な企画リソース(資源)と、JRグループの持つ大きな資本をベースにしたリソースを掛け合わせた業態をつくるという発想から発進しました。

それが会社設立から遡ること1年前の2016年10月頃からスタートしました。

会社設立から1年かけて基本計画策定から設計、そして今から約1年前から建設着工、そして3月には竣工する予定で進んでいるこれまで足掛け3年半に渡るプロジェクトです。

発端は、ホロ社が別事案の「米原駅前開発PJT」に参加し、セトレの事業モデルを関係各社にお伝えする機会があり、その際にJRの方がその場にいらっしゃったことからご縁が始まりました。

当然、その頃、今回の展開になることなど期待はおろか、想像すらしておりませんでした。

半年後、「少し相談がある」ということでしたので梅田にあるJR西本社へ出向きました。

米原の件と思いきや、今回の事案・・・そう京都・梅小路公園前にある5000㎡もある社宅跡地の有効活用でホテル開発の可能性を問われました。

当時は、京都ではホテル開発ラッシュ前夜!といった頃でもあり、当該地は社内で様々な業態(デパートから住宅、商業ビルまで)の可能性が検討されたようでしたが、そのひとつにホテル業態での可能性検証も長く続けられていたようです。

JRも自社グループ内に、グランビアといったいわゆる駅上、駅前立地にあるいわゆる「グランドホテル」と、ヴィアインというこれも駅近、ないしは繁華街といった人の集積エリアに展開する「宿泊特化(ビジネス)ホテル」の業態を展開しておりましたので、そのタイプのホテル進出も散々検討はされたと伺いました。

その中で、降って沸いて出てきたのが、この両者でもない業態のホテル・・・「コミュニティ型」そして「カジュアル型」のホテル、、、、その業態がこの地に相応しいのではないかということでホロ社に矛先が向けられたわけです。

しかも、それを企画開発の支援(コンサル)、ないしは運営を委託(受託)されるといったような関係スキームではなく、合弁会社を組成して経営していくという話でした。

「JRと会社を一緒につくる・・・」とにわかに信じがたい話でした。

売上規模が500倍以上違うことだけでなく、かつては「国の機関=国鉄」であったことから官僚的組織や風土が残る社風(であろうと想像しました)は、誰がどう見てもホロ社とは何もかもが真逆の構図です。

それが合弁会社で、、、というのは、私の周辺の人以上に自分自身が衝撃的でした。

そんな当時を今も思い返したりするわけですが、今では多くのJR本体及び関連会社の社長、役員など幹部の方々からもお声かけなどをいただき、大きな期待を抱いてもらっていることをひしひしと感じています。

そんな中で、今一番強く思っていることは、このPJT,そしてこのホテルは、これまでのJRのありかた、やりかたに添った思考や行動に寄り添ってはいけないということ!

大きな組織、しかも鉄道会社の基本ベースは「遵守」

鉄道インフラ(国民の足)という日本で有数のあらゆる人々の安全と安心を大事に守ることを第一にしていくというDNAが継承されています。

新しいことにチャレンジするという基盤は薄く、前例踏襲、事例継承を軸にする思考がベースです。

新しいこと(というか角ばったもの)をやろうものならば、たくさんの事例、実例を持った人たちが、どんどん丸めていく傾向にある・・・

この風土が、良い、悪いといっているわけではなく、そのような世界観?ヒエラルギーの中で仕事をしてきている方が多いわけですから、それはホロ社とは真逆だということです。

翻って、ホロ社はあらゆる資源がないところからスタートしたベンチャー会社です。

何もかもが不足している経営資源や基盤と不測の事態の連続の中で、ある時は「遵守」を逸脱しながらでも生き残るために潜り抜けたり、すり抜けてきたような会社です(法律は犯していませんが・・・)

そんな2社がタッグを組んで送り出す業態は、それはそれは、、想像するだけでも微妙?奇妙?です!

ただ、言えることは決して「これまでのJR」であってはいけないのだと思っています。

これは「JR的」を否定しているわけではありません。

こと、このPJTに関しては、これまでのJRを踏襲するのであれば、ホロ社がここにいる必要も意味もないのです。

もっと言えば、JRがJRらしくない展開をここで叶えることで、それはJRとしても大変貴重な、重要な意義や意味を見出すことが出来るのだと強く思っています。

POTELという名前からも、「ホテルじゃないよ」(ホテルじゃないってどういうこと?となりますが💦・・・)というメッセージをいかにわかりやすく伝えていく必要がありそうです。

ホテルは「泊まるところ」であります・・・だから宿泊できる客室があります。

宿泊客が、食事を取るための「食べるところ」があります。

24時間、365日、休みなく、来るお客様の対応が永続的に続きます。

来た人すべての方をおもてなしの心でお迎えする、のが常識とされています。

POTELは(SETREもだけど)、ぽ~とすることでココロとカラダをリセットすることが出来る、時間を演出し、空間を創っていくこと、人と人がつながり、地域とつながることで、そこで今まで気づかなかったこと、新たに発見したモノ、再発見したコトなどを持ち帰って、明日の活力に変えてもらう!

そんな「場」を演出するための、私たちは「演出家」であり、それらの情報を編集していく「編集者」であるべきだと思っています。

POTELには、銭湯が出来ます。

酒屋と角打ちが楽しめる場が出来ます。

なんとその酒屋が「麹室」までつくって酒や麹づくりをそこで施します。

地域の映画館とコラボして、シネマINホテルを実現します。

京都の街のこだわり店主の本屋が棚を置きます。

そこには地域独特の香りを振り撒きます!

それらは、ハードの魅力をアピールしたり、販促ツールとしての“小ネタ効果”や他ホテルとの差別化だけを狙ったものではありません!

お客さんと地域のつながりをぐっと近くするための「コンテンツ」として有効なものだと考えて編集しているのです。

こんなホテルは多分、ありません・・・

数年前「変なホテル」というのが出来ましたが、私の知る限り、こちらの方がはるかに「変なホテル」です。

そして、これはホロ社としても大きなチャレンジ、そしてそれと同じくらい、いや、それ以上にJR様にとってのチャレンジであり、新しい意義になるのではないかと信じています!

あと5か月、どんなスタートが切れるのかワクワクとドキドキが混在しています。