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「知の探索」

世界的なコロナパニックの中でこれまで3か月余り、7月10日時点でまだなおこれまでにない未曾有の経済活動を強いられています。ほぼ全世界、全業種にわたって影響を及ぼす事態は現代人にとっては経験したことのない事象です。外出はおろか、人との接点機会をできるだけ避けるという生活スタイルが「新常態=ニューノーマル」という言葉まで生み出しました。
緊急事態宣言やロックダウンなどウイルスを隔離することで蔓延を抑えることがかないますが、「隔離」は「人とのつながり」の否定でもありますので、それは生活共同体という「社会」の否定にも及びますのでこれは早かれ遅かれこの「ソーシャルディスタンス」という概念は少しずつ変わって(戻って)くるのだと思っています。ただ、コロナ前からも社会的テーマのひとつでもあった、「都市一極集中の経済」それに伴う「働き方、働く場所の環境」などはこのコロナによって顕著に変化しそれは不可逆的になっていくと思われます。
この数カ月、流動的な社会現象の中で正解が見えず改めて不確実性が増していることを痛感しました。その中で、私も経営者として考える続ける日々が続いています。本当に色々なことを考え、そして不確実性の連続の中で、それでも様々な意思決定をしていくことの大変さを実感しています。正解がない中でも、なにせ意思決定していかなければいけない、そのために考え続ける日々です。正解がないわけなので、「正しい解答」を求められるわけもなく「自身の決定を正しくする」という意志が大事だということ・・・これが「言うは易しやるは難し」を目の当たりにしています。しかし、この「決める」ということに向ける思考や行動は自分自身をとても成長させるもっとも有効な行為だとも思いました。「判断」(どっちかという選択肢などがあるなど)ができないわけなので「決断」するしかない、誰もが経験したことがない中では経験知などありませんので、これまでに考えたことのないことに思いめぐらすようなこともたくさんあります!
それがとても難しいことでもありますが、自身を自ずと鍛えられていると感じます。これまでの概念を捨てて考えが及ばなかったようなことにまで掘り下げて考えを寄せるには、「さなぎ(これまで)の殻を破る」ようなことが不可欠だということもわかってきました。
それが、俗にいう「イノベーション」という言葉だということもわかりました。イノベーションの和訳は物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」という意味ですが、今大事なのは内発的なイノベーション・・・つまり、参考書がないわけですから、自身発の変革、自らが変革を起こしていく、そんなことが今、企業にとっては自分自身を含めた経営者に求められているように感じています。
正解がないわけですから、一番大事なことは「腹落ち」です・・・「これでいいんだ!」という自分への納得感、ないしは自己洗脳です。勿論そこに至るまでに考えて考えて、考え抜く、思いめぐらしまくり、想像、予測、推測、仮説などを自分の頭で考えることを続けているわけです。その結果、腹落ちしたことを社内のメンバーに「共感」「いいねえ!」っていう実感知を持ってもらうように巻き込んでいくこと、その繰り返しがこの数カ月の日々でした。そしてまさに内発的なモチベーションが高いことがイノベーションを起こしていく要諦であり、自己や自社の成長の一番の効果になるのだと思いました。そのイノベーションを起こすのは、経営者だけに必要なことではありません。この変貌していく社会の中に生きていく人、全てです、、会社にとってはまさに皆さんひとりひとりです。コロナ禍で、リモートワーク、オンライン会議など移動が伴わなくて済む仕事が激増しました、逆に言えばこれまでの出張や会議や通勤のありかたが根本的に見直されてきています。今後、会社=オフィスという職場は益々存在意義をなくすでしょうし、それに伴って、「住む場所」も職場に連動しなくて済むので住み心地のよい地方に分散していく可能性が高いです。働く場所に対する制約がなくなる分だけ、自由になる、その反面、個々の意識や意欲が、よりカタチに見えるアウトプットが求められてきます。多様化される働き方によって採用のありかたも、ダイバーシティ(多様性)の概念が不可欠になるでしょう。新卒、中途、キャリア、外国人、など多彩な採用方法から、マネジメント、スペシャリストコース、抜擢人事、などの人事の仕組みや、兼業、副業などの制度も多様多彩になっていくはずです。まさにこれから人の働き方が大きく変わってくると思います。移動の必要性が希薄になりソーシャルデイスタンスが社会のスタンダードになっていけばいくほど・・・人との接触が少なくても仕事に支障がなくなるほど、自ずと情緒的な情報(ここだけの話的な・・・)や人同士の信頼関係の構築などは物理的に難しくなるのですのですから、だからこそ逆に「コミュニティ=つながり」の重要性が増していきます!物理的なつながりが薄くなる分、情緒的、精神的なつながりは、より強く求められるはずです!そのためにひとりひとりが必要になりそうなことは「知の探索」という行動センスです。知の探索っていうのは、とっても簡単に言えばコロナ禍・社内で行った「企画100本ノック」のようなことです。これまであまり活用していなかった脳ミソを活用して、様々な知識を蓄える、知恵を育む、情報感度を高める、そしてその「共感度」を高めること・・・その次元を「これまで」を変貌させること。やったことのないことへの踏み込むことに臆病にならないこと。そのために自分のアイディア、想い、考え、などを振り絞る、脳ミソフル回転状態をつくり、自分自身の引き出しや器を広く、ないしは深く、ないしは大きくするということです。ホテルで働いてきた人が、ホテルの人とだけつながっていても新しい「知」は生まれてきませんし共感領域も限定されてしまいます。調理場の世界でもブライダル、レストランでもそれは同様ですし、職種や業種、持ち合わせているスキルや経験などが多種多様多彩なチームの方が、よりたくさんの「知」が生まれてきそうです。だから今後、ホロ社でも採用の仕方や制度も見詰め直していきたいと思いました、、、もっともっと多様性を持った人材に溢れる会社にするのはどうしたらよいのか・・・という課題感を持ちました。
また兼業や副業などをすることで、そこから新たな発見を生み、それを自社ないしは自分の「知」として蓄積することが出来るのではないかと思いました・・・それをスタンダードにできないだろうか・・・ホテルも休館日をもっと設けてその空いた時間で企画を育む・・・そんな時間的ゆとりが持てる方が「知」が育まれるのではないか・・・そもそも忙しい(心を亡くすと書きます)中で「知」を醸成する余裕など生まれません。集客する(B TO C)だけがビジネスでなく、そこで蓄積されたノウハウや知見をビジネスにできないか(B TO B)。このコロナ禍によって、頭汗を使いまくって新機軸を探し求めてのたうちまわっておりました!まだまだその渦中にあります・・・まだまだ私自身も考え中ですし、これからも考え続けます。そしてメンバーひとりひとりが「知の探索」の機会をつくり、そこで叡智を育める環境を充実させていくことにシフトチェンジしていけないだろうかと考えています。皆さんも是非このコロナを契機に考えて欲しいと思います。それがまさに「知の探索」であり、それを意識して行動している人とそうでない人との間に「社会的格差」がついてくるであろう時代になっていくと思っています!