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TOKYO2020

約半世紀ぶりの東京でのオリンピックが開幕し毎日各競技熱戦が繰り広げられています。
私の生前1964年に開催された頃の日本は高度経済成長が始まった頃まだその頃の日本はちょっと前の中国やアジア諸国のように、物質的な豊かさを求めかけあがろうとしている時期そういった意味では活力があったのかもしれません。

今、コロナ禍で「オリンピックは家で観戦」みたいなことを推奨していますが、当時は、家にテレビがある家庭は少なかったので、親戚縁者から近所の人たちがテレビのある家に集まってみんなで観戦していた・・・そんな時代が50余年前
それだけ見ても時代が大きく変わったと感じることが出来ます。

当時の日本は経済の豊かさを先行していた欧米社会のスタイルが「正解」としてそれに向かっていく社会でした。
当時のオリンピック開催やその後の大阪万博などを皮切りに経済成長が加速され、やがてバブル景気に沸き立ち、そして崩壊、平成時代の30年、成熟化された経済環境を経て、今回の東京五輪2020が開催されています。この今のタイミングは、当時いわゆる国民にとっての明確な指標があった時と違って、「正解がない」だから、これからの社会を迎えるひとつの皮切りになるのではないかと個人的には感じています。
そういった意味で、賛否のある(あった)開催がなされたことはとても意義のあることだと個人的には思っています。
選手達の活躍からインタヴューなどの声で感じることは、これまでよりも、結果に対して「ここまで支援してくれている人のために、応援してくれている人(国民)のおかげ」というコメントが多いことです。日本人はわりとそのようなコメントをする選手がかねてから多かったとは思いますが、それでも随分増えてきたような印象があります。

これはコロナ禍で開催も危ぶまれ、4年ないしそれ以上も前から夢みてきた舞台に立つことが叶わないかもしれないであろう事態に直面し、それは選手、関係者など人力だけではどうすることもできないことを切実に感じる体感があったからかもしれません。

さて、そんな背景で始まったオリンピックで史上最高数の金メダルを獲得することが確定しました(このレポートを書いているときはまだ期間中)とりわけ日本のお家芸・柔道の躍進は凄まじいものがありました。
金メダルを獲得して歓喜の選手がいることは勿論ですが、責任を果たしたと安堵な選手もいましたが、なにより銀・銅メダルを獲った選手がまるで敗者のごとく、悔しさを滲ませる、また謝罪をするなんてシーンがとても印象的でした。
これが日本柔道チームないしは選手の真の強さなのではないかと思いました!
日本柔道チームは全員一致で「メダル=金メダル」つまりゴールはひとつ・・・ということです。
それを感じながらこの人たちの「意志力」そしてその意志を果たすための「準備力」は半端ないということをテレビ越しで感じました。(当たり前なのですが)「たまたま散歩して富士山登頂することはできない」
これ、すなわち、「準備なくして志は完遂できない」ということです。
童話で「うさぎとカメ」(アリとキリギリスでも同じ類)の話は誰も知っていると思いますが、なぜカメが明らかに足の速いウサギに勝てたのか・・・それは、ウサギはカメ(相手)を見ていたから、カメはゴールを見ていたから・・・

オリンピアン、またメダリストの活躍を見ていると彼らアスリートのスピリッツは「志」を持って「ゴール」を直視している、それは相手との対戦ではあるのだけど、自分への挑戦でもあるわけです、そこにしっかり向き合い精神力や集中力が人間技ではない!
その上に、更に「関わるみんなのために・・・」「他者への感謝」があるのだ!
これはもう私からすると離れ業です!
無観客になることで盛り上がりや、応援の声なる声は聞こえてきませんが、それゆえに、更に強い精神力で戦っているのではないかと思うと、こちらが勇気づけられました。
意志のないところに達成はない!
このオリンピック開催の是非、また開催方法まで、「これまで=過去のルール」と違うことを強いられたのは紛れもなくコロナの影響ではありますが、コロナをきっかけに人類ひとりひとりが社会、世界、地球の未来について「自分の頭で考える力」を求められてきているのではないかと思います。歴史に学ぶことは大事ですが、過去と決別する判断や決断も必要な意志行動力になるのだと思います。
予測や予想、または分析や観測をする専門家然たる人はごまんといますが、その手の行動や思考の価値はこれからずっと下がっていくのではないでしょうか?
日本柔道チームの選手のような「意志」
圧倒的な強さで優勝した大野将平選手は勿論相手の研究は徹底したでしょうけど、最後は自分との闘い、自分に向かうプロセス、自分は何をすべきかを徹底的に考えて活動してきたそうです。
「意志力」
これがスポーツの世界でもそうでしょうけど、経営においても同様に必要な資質なのだと強く思うようになりました。どこに向かうのか、なぜそこなのか・・・そこにどんな思い(意味=哲学)があるのか・・・
そんな問いかけをし続けていくことが益々重要な時代になってくるのではないかと思っています。
答え合わせをする「合わせる答え」がないのです、ないしはあてにならないわけです。
だったら、自分の頭で考えて、感じて、行動していくしかない
そのために、自分の腕を磨く、頭を養う、心を高める、意志を強める。これ「感性を高める」ことに他ならないのだと思います。
改めて自分の頭で考える、そのための教養をつけること、心身を磨くことの大事さを再認識しています。この五輪を通じて、そんなことを思う一般人が私を含めて多くいることを考えるだけでもこの開催は極めて意義深いものだと思っています。