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マンスリーレポート

2007年10月

「潮流」

 

今期も丁度半分過ぎました。
また今年もあと3ヶ月を残すところになりました。
ここに来て、ホロニックでは今年最大ともいえる大きな変化が起きています
新たな事業として、
金沢エリアでの既存ホテル再生案件の着手
姫路での新築美術館の中でのバンケット及びレストラン運営の受託
同じく姫路で公共宿泊施設の買収及び経営着手
同時に創業間もない頃から、これまで7年にも及ぶ間経営してきた北野MIYABIの経営撤退
を表明したこと・・・
4つもの大きな出来事がこの2ヶ月の間に決定、また決断したことです。
思えば2年前の今頃、ホロ社は瀕死の状態をさまよいながら皆さんの協力や意識変革を求めなが
ら乗り切りました。
その時の「瀕死」とは全く別の状態や次元の中で、またその時と同じように皆さんの協力と意識
変革を求めなければいけなくなりました。
前向きに進む体制の中で、一方で「撤退」という厳しい、難しい、悲しい判断をもしました。
私情を挟むのであれば・・・創業期における最大のトピックでありましたMIYABI(当時は
ロスティバーレ)の出店、またホロ社初の直営店舗でした。
オープニングレセプションにはあの狭い会場に100名を楽に超えるくらいの人で賑わってい
たシーンは今でも忘れられません。
そんな懐かしい思い出もこれからのホロ社、すなわち長田一郎の個人商店ではないこの会社のこ
れからの目指そうとする過程の中ではやむを得ない選択なのだと飲み込みました。
いつでしたか、こんな例え話をしたことがありました。
「これまでは池の中で小船を漕いでいました、それでも生きてこれました、でもこれから大海原
に出て行きます、そのためには小船では対応出来ません、なので船を乗り換えるのです」と
これまでは向こう岸が見えていたわけです。
大海原では水平線しか見えません。
小船であればもちろんですが、大きな船に乗ったとしても「怖い」です。
今、目に見えていないゴールに向かっていく訳です。
今まで目に見えていたものに向かって生きていた、その価値観を変える必要があります。
自分が経験したこと、容易に予測出来ること・・それだけを物事の尺度、判断の基準にしてはい
けないということです。
今まで通用していた観念が通用しなくなることを覚悟しなくてはいけません。
創業して2年経過した頃、本社を移転し、それまでの主力であった蘇州園という事業や場所を離
れ実質的な創業期を迎えました
それから約3年後ホテル再生事業という切り口から新たな船に乗り換えていきました
それから3年、その間「瀕死」の状態を経験して、今3回目の船の乗り換えの時期を迎えること
になりました。
これまでの変革期を乗り切ってきた過程の中で多くの人が会社を去っていったことは事実です。
それが決して私の本意でなかったことではありますが・・・そうではありますが現実的に多くの
仲間、メンバーと共に歩んで来れなかったことに自分の無力感を感じます。
そして、今この局面においても「パラダイムシフト」(固定概念の変革)を求めることによって
皆さんそれぞれの気持ちや心境の変化、または波やうねりが出る可能性がありますし、それを
重々承知しています。
かつてそのたとえ話をした時は、「この船に乗れないのであれば今の時点で降りてくれて(辞め
てもらって)結構です!」と本気で、平気で言っていた自分がありました。
今思えば、本当に恥ずかしい、未熟な自分を反省する材料になっています。
今は、出来るのであればこの「ホロニック丸」に誰一人かけることなく乗ってもらうこと。
乗り損ねそうな人がいれば手を携えても乗せる!
そうしなければいけないと思っています。
会社は英語でカンパニー(COMPANY)を辞書で調べると最初に「交わり」そして「仲間」と
出てきます。
「COMPANY」はイタリア語のカンパーニャが語源だそうです。
カンパーニャは日本語訳すると「パンを分け合う人」という意味らしいです。
つまり「共同体」なのです。
様々な価値観が混ざり合ったり、価値観の違いから摩擦が起きたりすることがあることは全く問
題ありません。
相互理解と目的の共有化が出来ていれば、平和的な組織、そして力強い組織になることは間違
いありません。
私はそのようなチームをこのホロニックという会社組織を通して目指して生きたいと本気で考
えていきます。
そもそも「ホロニック」の語源はそこにあります。
どんな事業、業種であろうともその思想に未来永劫変わりはありません。
その代わり、世の中の変化、それには柔軟に変化する覚悟が要ります。
これまでの経験や概念を「捨てる」覚悟も要るのだと思います。
「坐忘」という言葉があるそうです。
「坐して忘れる」 禅の言葉だそうです。
「新しいものを得るためには、まず捨てないと入ってこない、余白がないと新しいものは入ってこな
いので、どんどん余白をつくろう」。
これが「坐忘」の意味だそうです
捨てる対象は「過去」、一方得るのは「未来」
そういうことです。
20世紀はじめの頃の経済学者シュンペーターは
「創造的破壊」という言葉を使いました
創造するために破壊する
つまり、「創造してから破壊する」のではなくて「破壊してから創造する、しかも創造的に・・(だから
単に破壊するだけでも当然ダメなわけです)」
英語で「イノベーション」(INOVATION)
全く同じ意味です。
まさにホロニックの今、そしてこれからはこの創造的破壊、坐忘の繰り返しがあって成長を持続して
いけるのではないかと思います。
今こそ「第3の創業期」とも言えます!
そのような節目に居て、その場を迎え、事態を目撃し、また見届ける・・・
皆さんはある意味チャンスでもあります。
前向きに捉えると大きな成長機会です
後ろ向きに捉えたとしても「命に別状はありません!」
皆さんも、もちろん私自身においてもこの「変化」というものにしっかり向き合い、事態を受け止め、
自身の成長、自己実現につなげていって欲しいと願います。
今からの最も強力な味方は「みんなの気持ち」です!
それは間違いのないことです!!
是非今の、そしてこれからのホロニックに皆さん一人ひとりの力強い力をこの会社にぶつけて欲し
いと願っています!!
 
長田 一郎