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「肝心なことがわからなければ他のことがいくら出来ていても話にならん」

コロナ禍が少し落ち着いてきているように見えます

何度も腰を折られた経緯から自然?の摂理には抗わず、その変化にいかに応じていくかを考えさせられ行動してきた2年です

今年で85歳になる私の父からこの間、何度となく手紙をもらっています

私が物心着いた頃から経営者として30年ほど企業経営をしていました

同族企業でも、オーナー経営者でもない社長でしたので今のホロ社の楚になっているわけではありませんが、私自身にとっては起業、ないしは事業を起こすといった魂みたいなものは受け継いでいるように思っています

それは高校生時代くらいまでは無意識に、大学生の頃からおぼろ気に意識し、卒業する頃には構想し、社会人になって明確に「経営者」というありかたを現実的に捉えるようになったと思います

その間、あまり会話をしないような親子でしたが、都度都度でその経営者としての父親の言動や行動、また思想などに影響を受けながら自身の肥しにしていったように思います

それは社長を退任して20年近く経った今も節々の会話などから続いているように感じています

そんな父から最近届いた手紙に書かれていたこと・・・

(長文になりましが少し抜粋したものを皆さんと共有したいと思います・・・しばしお付き合いを)

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日本の、世界のサービス業が3年間苦しんできた。 お前のこの経験は無駄ではない。

20年間社員と共に労苦を重ね積み上げてきた利益が全て吹っ飛んでしまったがこれが人生。

よく耐え偲んだと思う。 

この経験を活かさねば人生は無駄に終わる。活かすことを本気で始めよう。

社員を奮起させるのも社長だ。

サービス業のことは素人だが、どんな仕事でも生き方でも「平凡なことを真摯に取り組めない者は将来の見込みはない」(阪急電鉄創始者・小林一三)

それは人間としての常識、というより文化度、教養である。

まず自分で汚したトイレの滴(尿など)、洗面所、浴室の水滴の始末は常識

「気が付くか、気が付かないか、それで人間の価値が決まる」

「些細なこと、小さなこと」に鈍感な人は見離される。

舞台の役者は客の恐ろしさを知れ!という

表情と動きの全てを客は見ている、そのくらい役者は真剣なのだ

付加価値経営ということとは・・・

証券会社から旧中山産業(現メトス)に移ったとき(*父の経歴です)、販売利益は20~30%だった、

儲けているようで労多く、これが商売かと感じていた。

こんな商売ならしないほうがいいと感じていた。

「商品に力がない」から20~30%しか取れない

力のある商品とは何か?それがサウナであり暖炉であった。

40%以上の粗利を設定した。

粗利の幅は「力と知恵」

力と知恵とは何か?

品質(デザインも)、顧客満足度、信用、そして活力、イノベーション・・・であると考えた。

当時45%くらいの粗利率であった。会社は変身した。

コーネル大学のことは知らなかったが、優良企業の多くは高粗利率を追求している。

つまらない仕事はしない、捨てる,追わない、しかし堂々と儲ける見返りは顧客満足。

ただ客を喜ばすだけが満足ではない。

商品(品物・サービスも)の満足だけでなく、会社の姿勢、規律正しさ、社員の教育、信頼感などを客の方が感じその会社に共感する。

社員が誇りを持って仕事をしているのはいい会社だ

同業社より際立っていると客は忘れない。 客も会社から学ぶ。

一方、ユニクロやニトリは圧倒的に安価で売っているのに儲かっている。

先日、ユニクロで買ったズボンは2900円だ

恐らくどこかで1000円以下でつくったものだ、こんな神技はオレにはわからない。出来ない。

それが出来て高利を取り、小売業のトップを走る、世界の市場を変えてしまった。革命児だ。

稲盛和夫(京セラ創業者)は「考え方×熱意×能力」を説いた。

そのうち「考え方」が重要、これで決まると言っている。

思うに「考え方」とは「肝心な考え方」としなければ真意はわからない

「肝心なことがわからなければ他のことがいくら出来ても話にならん」

これはプロの眼、天の眼、神の教えだと思う。

リーダーと言われる人への忠告でもある。

前述の通り小林一三の「平凡なことをなめるな」「小事が大事になる危険」「恐ろしいことは気が付かないこと、そこで人間の価値が決まる」「人間の良し悪しは人間としての完成にある」「顧客の眼を恐れよ(社員の眼も)」「進歩のない人は勝てない」これは引退して社会の様々、世情、会社の優劣など見ていて痛感することだ、わが身を恥じている。

さて、セトレは中間層を狙っているようだ。

この業態は多分、企業の80~90%を占めると思う(金額の総量でなく、件数で)。

誰もが入りやすい中間だ。家業が多い。 中間は「ブランド力」がつけにくい。

ブランドなんて要らないならば現状のままだ

だが生き抜くためには中間層業者でも「生産性」が条件だ。

値上げしたら客は出来ない、安くしたらやっていけない、だから難しい。

ブランド力のある会社は例えば、帝国ホテル、ゴディバ、虎屋、エルメス・・・他にも多々ある・・・我がメトスもブランド力に近づいてる。

だかブランドは始めからあったわけではない。

虎屋もゴディバも長い年月を経て今日に至っていない。

その過程には「質を高める」ことにあった。

「いい会社」と言われるために「質」を高め磨いてきたと思う

カルロスゴーンも日産でそれを願っていたと著書にあるが失脚した

セトレは今は中間でも社業の全てにおいて「質を高める」べきだ

いい会社どこが違うのか?

上場企業に中間はあるか?私は知らない・・・ホテルやレストランでは難しい

上場の優劣の基準ではないが、品質、顧客満足、規律正しさ、社員教育は事業者の基準、社長のリーダーシップ

些細なことでも指導する勇気、見て見ぬふりはダメ

「セトレで働いてよかった」という社員の誇りがここにある

コロナで傷つき、全てを失ったセトレ。今のウクライナに似ている

ゼレンスキー大統領の運命がどうなるか?

失われた20年を立て直すのは社長の仕事だ。

「肝心なことは何か」

儲かる会社へ・・・それが当たり前の堂々と余裕を持って儲かる企業へ、それがプロのビジネスマンだ

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乱筆で、朴訥でもあるが、今の景況感と私を憂いて?の厳しくも励ましの含んだメッセージに読めます

これを読みながら、自分自身の担う役割を再認識したことと併せて、「商品に力を」・・・換言すると

「力のある商品を追求すること」

そのために「肝心なこと」を見る目をしっかり養い続けること、追い続けること

経営には、登り坂もあれば下り坂もあり、まさに山あり谷ありの連続と言われますが、まさにホロ社は、地でそれをやってきました・・・そして「まさか」という坂もあるといわれます

そんな「まさか」にも立ち向かう気力や胆力が要ることもこの2年で直面しました!

肝心なことは何かを探し続ける日々です!まさに理念を高め続ける日々です!

社長の役割を改めて感じています