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夢中人!

中小企業やベンチャー企業が持続的な成長を続け、盤石な経営基盤を構築するためには、大手資本企業と比べて、差別性、業界用語でいえば「競争優位性」が絶対的に必要な要素であることは間違いありません。その競争優位性を築くことや保つためには、自社の持つ有形無形の資産・資源(ノウハウ、技術など)が他社にない、または追随を許さないくらいの圧倒的な強みや特異性があることが肝心です。大手企業にはそれがたくさん蓄積されているがゆえに、そこに向かっていく中小ベンチャーにとって大きな壁が立ちはだかるわけです。
それが「参入障壁」、つまり追随したくてもできない、やらない理由はそこにあります。
その参入障壁のポイントを分けてみると概ね「インフラ・資金・ブランド・人材」の4つに分類されるのではないかと思います。
中小企業、ベンチャー企業の場合、この前者2つ・・・インフラ力、資金力は到底大手資本の企業にかなうことはありません。電力会社、ガス会社、鉄道会社、航空会社、郵便会社・・・などなどはそもそも社会インフラとして国家主導によってなされた業態ですから、その規制の中での一種の利権です。銀行、証券、また不動産など、資金の運用を生業とする業種にも参入規制もあります。莫大な資金力を誇る大手企業(三井不動産、三菱商事、住友などの財閥系など)は長年の蓄財によって豊富な資金を背景に事業ができる環境にあります。
それを相手に、同じことをやろうとするとそれは戦う前に大きな壁になります。従って、中小、ベンチャーによってこの前者2つを持ち合わせた相手と同じ土俵で戦うのは「大横綱に向かう高校生(中学生でも小学生でも・・・)」といった構図です。このいうなれば、学生風情の中小、ベンチャーが横綱に向こう張って戦って勝つには、大手資本主体になる既存の土俵に上がるのでなく、違う土俵を自ら築いていくしかありません。それでも簡単なことではありませんが、残された、「ブランド力」「人材力」で競争優位性を出すしかない・・・勿論大手資本企業だって、これらは持ち合わせているわけですが、それでも隙間がある(見出せる可能性がある)のがこの2つ。そしてこの2つは前者2つと違うのは「利権」「既得権」がない、つまり物理的障壁はない。
すなわち、人の実力や魅力だけで身に着けていける力だということです。
「ブランド力」これは、いかに「違うか」を絶え間なく追求していくことかと思います!
他社と同じことをする、他社を意識して「そこより勝る」という「よりベター発想」では限界がやってくると思います。他社と同じ商品を、他社よりも安く売る・・・この戦略で勝つには、大量販売できる力があること、そのために大量仕入、大量生産ができる力があること・・・そのためには最小のコストで仕入や生産ができるインフラ力や資金力が必要になります・・・つまり大手資本の土俵です。
同じような商品をつくろうとしてそれをより早く着手したとしても、結果は一緒です、それで人気が出たらすぐに追随されることになります。なので、「よりbetter」」でなく「よりdifference」を目指すことに活路があると思います。(というか、それしかない、、、、)
大手は、できるだけ多くの人(ユーザーや消費者)に寄り添う・・・いうなれば、不特定多数を相手にしたい、出来るだけ「アンチ」をつくりたくない傾向にあります。なので、中小ベンチャーは、むしろアンチが多くても、圧倒的な、熱狂的な「少数でもいいので特定的な」ファンに囲まれるような、商品やサービスを築き上げることが重要。便利で役に立つ、これが良品の代名詞的になっていますが、便利で役に立つこと(=これは概ね万人受けする)を捨てて、意味がある、情感がある、それ好きかどうか・・・
その情感の共感が少数であっても熱狂的にじわじわ広がっていくことで一種のブランドに出来上がってくるのだと思います。
(ちなみに、あのハーレーダビッドソンのバイクはどう見ても、燃費も悪い、うるさい、実用性ない、故障も多い、そして高い・・・にも関わらずコミュニティが出来るくらいのファン層によって成り立っているために、普遍のブランドになっている)幸い、今やSNSによって情報主権が、個人ひとりひとりになっています。血縁、地縁といった、かつてのコミュニティといわれたつながりも、今ではそれは共感でつながる縁・・・これがコミュニティという言葉の代名詞になっています。ここを掘り込んでいくことで「ブランド」が築いていけるのではないかと思います。そしてこの「ブランド」はいわずもがな、人材によってからしか生まれてきません。資金やインフラがあっても築けるものではありません。
「人材力」
中小ベンチャーにとって、人材を採用する力は、大手よりも劣っていることは言うまでもありません。お勉強のできる偏差値の高いいわゆるクイズとパズルの得意な学生(つまり・・・正解のある問題を正確かつ迅速に解くのが得意な学生)は、正解な会社(≒これまで成功してきた会社≒大手企業)を志向する、その上、大手企業もたくさんの採用費をかけて自社の魅力を発信し、優秀といわれる人材を奪取していくわけですから中小ベンチャーはかなうわけもありません。ここでも「よりdifference」を発揮していくしかありません。それは、正解のある問題に向かっていくことでなく、ありたい姿と現状との間生じる差異(=問題)に向かっていく独自の意志を表明することです。(ありたい姿-現状=課題・問題・・・なので、重要なのは独自のありたい姿がなにかってこと・・・)それが会社の根っこ・・・専門用語で「VISION」です。会社のVISOINが、その人にとって魅力を持つ・・・まさにその!「その人」を採用することだけを考えればいいわけです。つまり、世の中の正解に対して優秀、いわゆる偏差値的に高い人を取りにいくのでなく、独自のビジョンに共感された人を引き寄せ、受けていくという感じでしょうか・・・その根っこ(VISION)に共感された「その人」は、心から楽しく仕事ができる人でしょう。そんな人に溢れる体質や態勢を築くことが、競争優位性を増す理由だと思います!楽しく仕事をする人は、いわば「寝ても覚めてもコトに向かえる人」です。つまり、「努力を娯楽化」できる人です。
語弊恐れずいえば、仕事も私用も一緒になれる人、換言すれば仕事が私用に、私用が仕事につなげられている人です。
もっと、言えば、あるベンチャー会社の社長の言ですが、「努力は夢中に勝てない」
夢中とは文字通り「夢の中💦」そんな「夢中人」がチームとして同じ目標、目的に向かっていく環境が築ければ、自ずとブランドが出来ていくでしょうし、当たり前ですが、生きがい、やりがい、働きがいに溢れた会社になるでしょう。そんな組織になっていけるようにしたいです。ここまでいくと、まさに「夢中力」こそ目に見えない「参入障壁」だと思います。これほどの高く、厚く、重い「壁」はないと確信します。夢中力を持った夢中人に溢れる会社・・・そんな会社は大手資本会社と比べる理由も筋合いもありません。
そんな会社を理想に目指していきたい!