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マンスリーレポート

2018年11月

消滅可能性職能!

4年前に発刊されベストセラーになった「地方消滅」という本の著者・増田寛也氏は2040年までに少子化・高齢化の加速化により

1800ある国内市町村の内894箇所が消滅する可能性があるという論を発表し、各市町村首長や幹部を震撼させました。

それからこぞって「地方創生」というテーマがクローズアップされました。

ホロニックはそれまでも地域共生、ないしはコミュニティ型ホテルというコンセプトを唱えていますが、

この頃から急に世間の?風当たりがよくなってきたような心象があります。

それだけ、地方における社会的課題は深刻であることは今後も間違いないと思われます。

さて、一方で消滅する可能性は地方地域だけでなく、働く職種(能)も同様であります。

日本には少子化・高齢化という課題に伴い深刻なのが労働力不足・女性活躍機会であります。

逆に言えば,少子化・高齢化は直接的な対策が打ちようもありませんが、労働力不足は移民を増やす、ないしはAIによる代替、

女性活躍は保育所、託児などといった場や機会の充実をはかるといった政策によって事態悪化を抑制することは出来るかもしれません。

とりわけ、AI技術に進化による様々な可能性は誰もが疑問に持たないところだと思います。

AIの活用により、「消滅可能性職種」というもの各方面から発表されています。

「あと10年でなくなる職種@オックスフォード大学」には挙げられているのは、

銀行の融資担当者/スポーツの審判/レストランの案内係/保険の審査担当者/電話オペレーター

/給与福利厚生担当者/レジ係/集金人/弁護士助手/苦情処理・調査担当者/ホテルの受付係

などなどだそうです。

また逆に10年~25年まで残る職業」

レクリエーション療法士/危機管理責任者/ソーシャルワーカー/栄養士/振付師/歯科医

ホテル支配人/心理学者/小学生教師/セールスエンジニア/メンタルカウンセラー/医学者

などなど・・・

ここで判るのは、担当者や係・・・つまり、責任や判断を負わない人はAIなどによって代用されてしまう。

そして、専門技術、ないしは管理責任を負う人・・・つまり判断を負う人は生き残る・・・とおおまかには分けられるのだと思います。

人間は誰しも出来れば「責任を負う」ことを避けたいのが性でもありますが、その志向を持つ続ける限り「不要な人」になっていく傾向にあるということでしょう。

私たちに関係するところで興味深いのは「ホテルの受付係」と「ホテル支配人」

前者は消滅可能性職種で後者はその逆に必要な職種に挙げられていることです。

この違いは何なのでしょうか?

これはいわずもがな・・・「肩書があるかないか」の話ではなくて、役割と担う責任、その意志の話です!

もう少し掘り下げて表現するとホテル業種に限らず「残る仕事」の共通点は「コミュニケーション能力や理解力を求められる仕事」や、

「柔軟な判断力を求められる肉体労働」ということです。

今後間違いなく、AIが進化していくことにより、人が担っていた仕事を侵食するわけですが、一方で、人しか出来ない仕事・・・

すなわちAIでは出来ない(ないしは難しい)であろう仕事も勿論あります、、それは仕事・・・

というより、職能だと思うのですが、、それは誤解を恐れずにいうと「忖度力」

私達の業種になぞらえていえば・・・「人の粋や空気を読む力」換言すると「企画力」です。

学校の授業的?に言えば「読解力」です。 

「読み解く力」

国語の授業でも、読書をするにしても「この文章からその作者の意図を述べよ」という試験なりの問題が出たときの正解はひとつではありません。

様々な見解があり、それは「ただひとつの正しい答え」なのでなく「納得した(された)答え」

それが多様化している現在では、大事なことはまさに「読み解く力」です!

これはAIにはなかなか難しい・・・逆に言えばAIに代用されない力です。

そしてAIが苦手なのは「柔軟な判断力」そして「責任を負うこと・・・厳密に言えば責任に対する対処判断力」です。

(多分、私達も、人相手にはクレームや意見など感情をぶつけることはあってもそれがロボットだったら、

よほどキレない限りそんな対話が生まれることはないでしょう・・・)

つまりざっくりひとまとめでいうと「責任遂行能力」です。

だから、ホテル支配人的な人は生き残るとされているようです。

しかし、「支配人」という肩書きがあっても、「忖度力=空気を読む力=読解力=企画力」がなかったり「責任(を担おうとする意志)力」

がなければ意味がありません。(そんな人もわりといますよね??)

逆に、肩書が担当者や係であっても、その力があれば生き残る人材です。

先日新聞で、フランスでは失業率10%近く上るにも関わらず人手不足というニュース記事が掲載されていました!

この現象は一体なんなのでしょうか??

企業は人手不足で頭を抱えているのに、社会には失業者が溢れている・・・

これは、これからの未来を象徴している現象のような気がしています!

AIによって代用される職種が増えるからといってそこで浮いてくる?人手がどこかで代用できるわけではないということです!

よりAIによって代用されないような職能を持つ必要があるわけで、そのための力を持っていく必要があるのです。

そのスキルのひとつが、ホロニック流にいえば今年散々伝えてきました「企画脳」です。

そしてもうひとつ「柔軟な判断力や責任(を担う)脳」

私思うのですが、これらはこれからの時代を生き抜くには絶対的に必要な資質だと思います!

人手不足の傾向はこの日本国内において、ある一定の成長・・・

換言すれば私達の今の生活水準を維持、または向上させていくことが前提にするのであればずっと続くと思います。

決して国家もそれを落とすような施策を推進するはずもないでしょうし、国民もそれを受け入れる(我慢する!)であろうはずはありません。

AIに労働等が代用されることで私達の生活水準が保たれる可能性はありますが、しかしその代償は、皮肉にも失業者の増加です。

そうならないためにも「企画脳」は、もはやまったなしのホロ社内だけでない「社会的課題」なのだと思うわけであります。