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マンスリーレポート

2014年12月

「一年の総括から」

ホロ社創業満16年が間もなく終わろうとしています。

1998年12月25日が会社を登記した日で1999年1月から経営が開始した会社です。

毎年色々思う事がありますが、今年は改めて年初から始まって今日まで何を思って、何を語って、何に動き、何が動いたのかを振り返ってみました。

年初のレポート(年頭挨拶)では「2つの危機」ということで「市場変化と社内の状態」の2点を挙げました。

前者はホロ社の主力業態であるブライダル市場に迫る激変に対する危機、そして業界ぐるっと見回してみたホロ社の位置から、これまでの戦い方では淘汰の危機を感じたこと。

後者は、多角的な展開をしてきた社内の経営構造の見直しと、根本的なホロ社の経営構造の変革の必要性…つまり根源的な会社舵取りに対する課題を私自身が強く感じたこと。

この2つの課題から早急に進めるべく、目の前の解決課題=強化項目としては「ブライダル事業」であるということも明確にしました。

今これを読み振りかえってみると、これは経営課題そのものであり、最前線の現場でお客様と向き合っている社員メンバーの皆さんと共有するようなことではなく経営者である私自身の課題に過ぎなかったのではないかと反省しました。

ただこの2つの危機=課題から、改めてホロ社の目指す原点を確認し、私自身の持つ強烈な願望が明確になりました・・・・

「唯一無二の企業をつくりたい」

「世の中に必要とされる企業にしたい」

ここで言う「企業」は「個人」にも置き換えられると・・・・・

そして

「コトを成したい」

これをそれこそ個性あふれるメンバー達(個人)と分かち合いたい。

まさに「ホロニック」の社名そのものが経営の原点であるビジョンに反映されているのだと思いました!

そして掲げた言葉が「挑む」「拓く」でした」

考えてみるとこの言葉は創業の頃から最も大事にしていた言葉であり概念なのだと思います。

 

年初から3か月後、2014年度始め4月に書いたマンスリーレポートは「挑み拓く」でした。

そこでも創業の頃などの自分を掘り下げた挙句よく言葉や文字にしていた。

「いきがい、やりがい、働きがいの持てる人をつくる、そんな社会をつくる」

それが世の中に必要とされる事業になるのではないかと思っていましたし、今でも思っています。

たまたま出会ったブライダルという事業で起業をしたわけですが、その源流にはそんな想いがあったからか、これまで何度となく多角的なことに(よい言い方をすれば・・)「挑んで」きました。

しかし今年いよいよ年初に発した心境から大きく舵を切り替える決断をしました。

その頃には年初から温めていたホロ社の3本の矢(丁度アベノミクス3本の矢がメディアで賑わせていましたので勝手に自分でもじっていました・・・)を言葉で発するようにしていきました。

①   全社を婚礼重視に傾倒することと、権限を集約(社長直轄)した組織に再編する

②   ホテル専門の子会社を経営から切り離すこと(=経営資源を集約させる)

③   婚礼事業において専業会社と資本業務提携を図ること(強化する箇所にメスを入れる)

この3つの矢の実現が今年、今年度の必須項目であることを自分に課し、そして幹部メンバーと共有し、年度はじめから発進していきました。

 

そして年初から6か月後のマンスリーレポートは「集中と選択」でした。

この時点で上記①②を形として実現しました。

その頃に書いたレポートを一部抜粋そのまま記します・・・・。

 

・・・・・・

 

ホロ社は今期から、「自社ブランド」の構築に力を入れています、その急先鋒が既に3店舗になった「セトレ」、そのセトレの柱になる業態が「ブライダル」、従って、そのブランド構築に不可欠であるブライダル事業を事業の土台にするべくメスを入れることに自社の経営資源を集中させることにしました。

最優先はブライダル事業ですが、その目的は「自社ブランド化」ですからそこのプロセスを見誤ってはなりません。

私たちはブライダル専業会社にはなりません。

「コミュニティ型ホテル」というジャンルを切り拓くことに強い決意を持って進みます。

その「ジャンル」いわゆる「業界」を独自のものとして築き上げていくことは、すなわち「同じ土俵で戦わない」つまり「土俵そのものをつくる」ということです。

しかし土俵も力士が集まってきてなんぼです!力士の集まらない土俵は単なる土の塊に過ぎません。

すなわち、プレイヤーが集まる魅力的な「市場」(しじょう)をつくらなくてはいけません。

市場(いちば)も一緒で、築地市場は全国の生鮮魚が集まり市場として有名ですが、そこにはたくさんの売り手と買い手が集結してきます。

なぜでしょうか?

そこに行けば、多い量の、そして高い質の生鮮が集まるからです!つまり魅力的な市場だからです。

私たちは「ホテル業界」「飲食業界」そして「ブライダル業界」といった業界に関係してそのジャンルに参入しています。

ホテル業界にも「都市型ホテル」「宿泊特化」「リゾート」「レジャー」といった分野に細分化されます。

外食であれば「居酒屋」「割烹」、また「フレンチ」「中華」「イタリアン」、さらには「ファーストフード」「ファミレス」といったように多様な細かな業態にわかれます

ブライダルにしても「式場」だけでなく「ハウスW」といった業態がこの10年で出来上がりました。

そして私たちもそのどこかのジャンルに引っ張られるようにそこに属していく・・・それが新規参入会社の一般的なパターンです。

目に見えるところに人の目はいくものです。

そんな中で私たちはこれらの業界から分離派生し、新たな市場をつくりたいと思っています。

「コミュニティ型ホテル」

それが当面の目標です。

ではそのような業態もしくは業界を築くためにしなくてはいけないことは何でしょうか?・・・・

それは「ブランド化」です。

ブランドは、その名前が重要なのではないし、その同名がいくつか多店舗化されることで築かれるのでは決してありません。

例えば果たして「ダイエー」はブランドと言えるでしょうか?

多店舗化されていますが、(かつてはわかりませんが)今ダイエーと言われて想起される、他社との差別性、優位性が想い起こされますでしょうか?

その店、その会社、そのブランドの「らしさ」がすぐに想起されること

「〇〇と言えば△△」(スターバックスと言えばどこよりも美味しいコーヒーをお洒落に飲めるカフェ・・・みたいな)

またはその逆

「△△と言えば〇〇」(宅配ピザを取るならピザーラ・・・みたいな)

そんな状態になることがブランドだと思います。

そしてなにより「利益が出ている」ことです。

利益が出なければそもそも展開が出来ません、展開が出来なければそれだけお客さんとの接点が増えませんし、ある意味、名前も売れません

なので、展開するためには余力が必要、その余力はいわずもがな利益からしか生み出されません。

そういった意味で私たちは「コミュニティ型ホテルという分野を築くためにブランドホテルを構築したい」のです。

そのために今私たちが有効に活用できる経営資源が「セトレ」です。

そしてその「セトレ」の収益の根源、つまり、それを維持したり展開をしていく上で必要な原資になる肝が「ブライダル事業」

だったら、ここを私たちはまずやっつけなくてはならない!・・・ということです。

では、そのブライダル事業にフォーカスしてみましょう。

ここに焦点を絞ると、つまり・・この業界をぐるっと見回すと、はっきり言ってツワモノ揃いです。

なにより、私たちも創業当初そうでしたが、既存にブライダルの業界に新風を吹き込んで参入したプレイヤーがこの10年~20年、それだけに集中して成長してきたいわゆるベンチャースピリッツあふれる企業群がひしめいているわけです。

そんな中でどう戦い、そしてかつ独自性を高め、さらには新たな、今まだ見えない業界を築いていくのか・・・そんなことを考えるととても気が遠くなります。

気が遠くなりますが、私は同時、これほどエキサイティングことはないと思っています。

誰かがやってきたこと、誰かがつくってきたものを踏襲することに、どうしても関心が薄くなるのは私自身の本能かもしれません。

勿論、誰かが新しいものをつくってきた、そのプロセスやその結果に対しては大変共感も共鳴も、また敬意も感じます。

私自身は、そのような尊敬すべき先達の生き方を自分自身も実践していくことで、これからの時代、これからの世の中に貢献していきたいと強く思うわけです。

長い歴史を見た場合、それは決して新しいことでななく「何かの焼き直し」なのかもしれませんが、それは後の時代の人が評価することです。

少なくても今の時代を生きる私たちは「切り拓く」スピリッツが必要なのだと思います。

先日、今話題にもなっている「クレイジーウエディング」を創業した方の本を読みました。

そこで印象的なフレーズがこれです。

「30年変化していないこの業界に対して風穴を・・・・」

私(たち)は20年前、この方と同じことを言っていました。

そしてゼクシィが出来、ハウスWという業態が出来ました!海外Wという概念が普通になりました。

そういった意味では随分変化にとんだ時代だった思いますが、この30歳を少し過ぎた若い女性経営者にとって「変わってない業界」に映っているのです。

私は、これから・・・とりわけブライダルという業界には、これまでの20年間になかったような地殻変動が起きてくると思いました。

それを考えると、今まで自分達がそれなりに積み上げてきたものは全否定というカタチで崩れていくことになります。

誰に全否定されるのでしょうか?

「時代!ないしは市場(顧客)」です。

まさに時代とのギャップを感じながら、どう生き残り、勝ち残る時代になるかという過渡期が今、そしてこれからだと思います。

震えるくらい怖いことかもしれませんが、一方でとてもエキサイティングです。

そんな地殻変動が起きることでまた、新たな価値観が生まれてきます。

ホロ社はそこで新たな価値観をつくっていきたいと思っています。

 

さて年初から9か月後10月のレポートは「信念に基づいたこだわり」でした。

まさに、3つの矢の3本目が放たれました。

ノバレーゼ社との業務資本提携です。これが3本の矢の本丸でした。

これによって私なりに明確になったことは、逆説的なことかもしれませんが「ブライダル会社にならない」ということです。

これは年初にも書いていたことでもあります。

本レポートにはこのように書いています。

 

・・・・・

 

逆説的な表現かもしれませんが、「それ(ブライダル専業会社になること)を目指しているわけではない!」ということをより明確にしたからこそ、より「ブライダル事業」に対して真剣、深刻にとらえてきたのです。

私たちの経営原資(主に、ヒトとカネ)はこれまで分散されていました。

それは主力であるブライダル、つまり「収益の7割を稼ぐ部門」に資源が集中されるどころか、それ以外の部分に掛けられる状態が続いていました。

一方で、ブライダル専業会社はどうでしょうか?

今回提携させていただいたノバレーゼ社を始め、どの会社においても100%もしくはそれに近い比率で「ブライダル事業」にかけています。

またその方向を明確にすることで組織を形成させ秩序、統制を保っています。

ホロ社の方向性もこのタイミングで舵を切ることにしました。

「自社ブランド施設を構築していくこと」

そして

「ブライダル専業にはならないこと」

つまり、今のホロ社であれば「セトレを磨くこと」です。

セトレは、ブライダルという事業が主流であるにも関わらず、あくまでも「コミュニティ」を基軸にしたホテルであり施設を目指すということです。

これは新しいチャレンジでもあります。

既存の業界(ブライダル業界とかホテル業界といった・・・)の中でポジションをつかむことを選択するのでなく、新しい市場、土俵?を自ら築くという意志の表明でもあると思っています。

地域資源の発掘、発信、交流を促す拠点としてのホテル・・・である「セトレ」です。

 

自社ブランド施設をつくりあげることで「ビジネスモデル」が築けます。

ホロ社のこれまで培ってきた事業の中で、現段階「ブランド」を高める可能性の持つ資源は「セトレ」。

だったら「セトレ」をしっかり事業モデルとして立ち上げる。

しかし、セトレがブライダル専門式場であり続けることはあり得ません。

それであれば「唯一無二」にはなりません。

だからセトレは「コミュニティ型ホテル」としてきちんとビジネスモデルにしていきたいわけです。

しかし、今のセトレの収益の柱は「ブライダル」

ですから、この「ブライダル事業」をなくして成り立ちえない事業であることは間違いありません。

ブライダル事業を「イベント会場」としてとらえるのでなくこれからつながる関係性・・・家族の始まりであり、セトレにとって生涯顧客になる可能性をつなぐ事業として「ブライダル業」がありそれを体現する「場」としてのセトレでありたいと思います。

そうなるとセトレがコミュニティホテルとしての意義が高まります。

一時的には非効率な経営に見えるかもしれません。 しかし私たちは息の長い事業を志したいのです。

「人と地域をつなぐ」「人と人をつなぐ」・・・・そんなつながりのある機会や場が、人の「いきがい、やりがい、働きがい」などの「かい」が生み出される

それが引いては世の中に必要とされる存在になるかもしれない。

そんな「あり方」こそが、私が強く願望する事業であり、それをホロニックで体現したいことでもあります。

従って一時的な「やり方」にこだわることはやめました。

「あり方」という信念、理念はさらに磨き、高めていきたいです。

一方その「あり方」を実現するための手段やハウツーである「やり方」には柔軟になりたいと思っています。

ホテル事業もブラダル事業も、レストラン事業も、「あり方」を追及するための「コンテンツ」だと思っています。

その中で優先順位をつけるとすると、それはブライダル事業です。

それをまずは「やっつける!」ことをしなくてはいけません。

そのための最短,最速、最良、最善の方法を熟慮した結果、今回の事業提携がありました。

さて・・・

これで今年の瀬までにこの3本の矢を放ち形は整いました。

いよいよ具体的な”実践!“がこれからです。

この1年は振り返ってみると、大きく変わる(=大変)ための準備体操期間だったと思います。

国語的に言うと、改善、改良、それより上位にあるのは「改革」さらにいうと「変革」なのだと思いますが、私含め誰しもが「現状に満足していないけど、現状を変えることに臆病になる」ものだと思います。

しかし臆病で「挑む」ことをしなくては満足を「拓く」ことは出来ません。

矢は放たれました!態勢が整いました!あとは実践あるのみ!!・・・・で来年を迎えます。