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マンスリーレポート

2014年10月

「信念あるこだわり」

今年ホロニックの改革の動きを計画的に3段階で行ってきました。

まずは、組織を再編したこと

セトレ部門に経営資源を集中すること、その中でも婚礼部門を強化するということで、それにあう組織にしていきました。

GMという役割をなくし、マネージャーという立場をフラットにしていわゆる「婚礼に携わるマネージャー」を施設の責任者に置くという流れをつくっていきました。

また、それ以外の事業、業務を出来るだけ辞めたり、撤退をしていきました。

2つめは、ホロニックホテルズの売却です。

組織再編方針に伴って、自社ブランドの展開以外の事業、またそれにそぐわないであろう事業を切り離す決断をし、断行しました。

それでかなり組織が締まったことは勿論ですが、

社員メンバーの中でもいさかかこの会社の向かう方向の視界が明るくなってきた(=少なくともぼんやりしていた状態がなくなってきた)ように思っています。

そして3つめ・・・それが先月執り行われましたノバレーゼ社様との「資本・業務提携」です。

これがおそらく社内外の人たちにとって、もっともインパクトのあったことだと思います。

確かにこの3つめがこの「社内再編・構造改革」の本丸であったことは当初から明確でした。

資本面の課題も勿論ありましたし、対外的にはそちらの方にニュース性がありましたが、それよりも重要であったことは「業務」でした

もっと言えばそれは「ブライダル事業の業務」です。

だから「ブライダル専業会社」との提携に絞り、こだわりました。

これは現状のホロ社内におけるブライダル事業の課題という側面もありますが、

加えて、それを取り巻く「業界環境の激変の始まり」という将来の事態に対処していくことでもありました。

私たちは「ブライダル専属業」ではありません。そしてこれからもそれを目指しているわけではありません。

逆説的な表現かもしれませんが、

「それ(ブライダル専業会社になること)を目指しているわけではない!」ということをより明確にしたからこそ、

より「ブライダル事業」に対して真剣、深刻にとらえてきたのです。

私たちの経営原資(主に、ヒトとカネ)はこれまで分散されていました。

それは主力であるブライダル、つまり「収益の7割を稼ぐ部門」に資源が集中されるどころか、

それ以外の部分に掛けられる状態が続いていました。

一方で、ブライダル専業会社はどうでしょうか?

今回提携させていただいたノバレーゼ社を始め、どの会社においても100%もしくはそれに近い比率で「ブライダル事業」にかけています。

またその方向を明確にすることで組織を形成させ秩序、統制を保っています。

ホロ社の方向性もこのタイミングで舵を切ることにしました。

「自社ブランド施設を構築していくこと」

そして

「ブライダル専業にはならないこと」

つまり、今のホロ社であれば「セトレを磨くこと」です。

セトレは、ブライダルという事業が主流であるにも関わらず、あくまでも「コミュニティ」を基軸にしたホテルであり施設を目指すということです!

これは新しいチャレンジでもあります。

既存の業界(ブライダル業界とかホテル業界といった・・・)の中でポジションをつかむことを選択するのでなく、

新しい市場、土俵?を自ら築くという意志の表明でもあると思っています。

地域資源の発掘、発信、交流を促す拠点としてのホテル・・・である「セトレ」です。

しかしそのコンセプトは決してブライダルの仕事とは決して“別のもの”ではないと思っています。

なぜなら・・・

セトレで挙式を挙げる方は基本その地域に所以や所縁のある方がほとんどです。

挙式・披露宴は”単なるイベント“でなく自分達の御縁の始まりの場所でもあり、価値観の体現の場として生涯顧客になっていただける機会になりえます。

そんな機能を果たしていくことが「コミュニティ型ホテル」の使命といっても過言でないと思っています。

ホテルにおける「宿泊」「飲食」「宴会」といった機能を満たすことは、そのコンセプトを実現していくための手段です。

そしてこれらの手段の中で、それこそ現実的に施設の維持・向上させていかなければいけない最優先業態が「ブライダル事業」なわけです。

専業会社にならないという選択しながら、しかし欠かせないその事業を強化する術(すべ)として最も有効な手立てとして試行錯誤、

気持ちの葛藤を繰り返した出した結果「ブライダル専業会社と手を組む!」という決断でした。

 

確かに、ブライダル事業を15年余りやってきて、その頃から切磋琢磨しながらやってきて同志でもある

ブライダル会社の経営者仲間(ノバレーゼ浅田社長もそのひとりです)に、それを切り出すことは私なりに勇気は要るものでした。

ある意味、私たちの「コアコンピタンス」(競争優位)であった部門に見切りをつけるように見えるかもしれませんし、実際私もそう考えたこともあります。

しかし、それは違いました。

私たちは、事業や理念の実現のために、「あり方」を変えるのでなく、「あり方」を追及していくための「やり方」を変える

そのように思っています。

「あり方」と「やり方」は違います。

「あり方」は「考え方」「信念」「想い」まさに文字通り「あり姿」

「やり方」はそれを体現していくための「ハウツー」です。

だから、私はこの難しいあり方にチャレンジ、もっといえばそこに執着するために、やり方に固執するのは辞める・・・そういうことです。

ブライダル業界はこれから加速度的に競争激化、まさに弱肉強食の世界がやってきます。

私は、自分の中で確信的に思っていることに、「今日までやってきたホロニックのやり方では、3年持たない!」です。

これまでは何とかやってきました、やってこれました!それは(セトレという)場所になんとか競争優位性があったことが大きなひとつの要因です!

しかし、これからはそれが簡単に通用する時代ではなくなります。

しかし、同時にもし私たちが、これからブライダル専門施設、専業会社に転換したところでそれはまさに「レッドーシャン」(血の海)に飛び込んでいくようなものです。

そんな「血の海」で戦っていける会社、組織は「強い専業会社」以外ありえません。

「強い専業会社」でももはや戦々恐々としていて、生き残り、勝ち残りに必死で、多角化をはかり「脱・ブライダル専業会社」にしていこうという会社もたくさんあります。

そんな混沌とした状況の中でホロ社が生き残り、また勝ち残っていくためには、いわずもがな「独自性」を出していくかしかないのです。

「独自性」とは「信念に基づいたこだわり」だと私は思っています。

私にとって創業以来一貫して変わらず使っている言葉が「コミュニティ」です。

「コミュニティ」は「つながり」

お客さんと私たち、お客さんとお客さん・・・・それらの関係性や絆を強めたり、高めたりすることがホロ社の存在意義だと思っています。

そんなコミュニティづくりをすることは、ブライダルの仕事と関係ないことはありません。

外食産業でも「灯っては消える」ことを繰り返していますが、長く続く店は大概「関係性、絆のある店」です・・・そんな店の多くはやはり「オーナーの店」なのです。

こだわりが出せるからです。

かといって、「オーナー経営」であれば成功確度が高いというわけでもありません。

そこには「信念」が無ければいけません。

だから「信念に基づいたこだわり」が必要なのだと思います。

私たちはセトレを自社ブランド施設としてつくっていきます。

自社ブランドだからこそ、そこに「こだわり」が包含されていなければいけません(というかそうでないとブランドになりません)

新しいホロニックにしていくための舵取りがこれから始まりだします。