STAY HOME STAY HUNGRY!!
コロナ感染が全世界を席捲し、日本国内においても緊急事態宣言が発令され、5月GWの段階ではそれが延長される運びになり、まだまだ混沌とした事態が続いています。首相や知事などの首長が国民、市民などに「外出自粛」を促し、それが主に不要不急産業といわれる業界、、主にレジャー、観光、外食といった消費型平和産業業態から端を発して、あらゆる業種の会社の勤務事情がリモートワークを促進するような潮流になっています。
緊急事態宣言という政府のお墨付き?をもって「STAY HOME」という掛け声が多くの国民に常識のごとく広がり、交通インフラでさえ、前年比90%減という異常事態が起こっています。
そのような中、事業者、とりわけ、ホロ社のようなホテル業の経営においては、手足がもがれた上に、戦ってはダメ、敵(的)が見えない相手に徹底的に守る(動かない)、ことが促され、それに対して保障もされないという理不尽で行きどころのない八方塞がりの状態であります。ここは、本当に「川の流れに身を任せる」しかないわけですが、一方でこの事態によって大きな変革機会を起こせるチャンスの時期であるとも言えます。
また、有事のときこそ、人間力、企業なら企業力が試される・・・
自分自身の資質も明らかにされ、これまでの自分の思考が洗いざらしにされ、本当の自分というものが浮き彫りにされるのだと実感します。私と同じような境遇にある多くの事業者と今の環境下において色々とコロナを取り巻く様々な話をするわけですが、大概が、事業の継続に対する不安、そして雇用維持の課題、、、この2つ(といってもこれはつながっている課題なのですが・・・)に集約されています。テレビなどでは「自粛と補償は一体で」ということが様々な場面で議論されています。
渦中にいる私どもは、勿論それが叶ってくれるとよいのは言うまでありませんが、コロナ禍後の施策、というかビジョンというものも同時に心得ておかなくてはいけないことだと感じさせられています。
つまり、「経営者はロマン(理想)とソロバン(現実)を持ち合わせていなくてはいけない」と世にある経済書に書かれている先人の言葉そのものの実践が今まさに求められているわけです。
さて、今は、従業員の休業及び店舗(事業)の休業をすることで、一定の補償をされるようになっていく政策が打ち出されました。
つまり、社員を休ませること、また、店を閉めることが、会社にとって最大(というか、それ以上の施策がない)の収益になる・・・換言すると、会社の経営原資の流出を防ぐ唯一の方法が「休むこと」という矛盾。
ある県知事も「今はわが県に来ないでください、でもコロナ明けたら是非来てください」といった支離滅裂言動
しかし、そんな事態が起きている中で、誰にも正解がわからず生きているわけです。
だから、そこは「(わからない)正解を探す」のでなく、「自身の思考、行動を正しくする」という意志しかありません。
矛盾や支離滅裂、理不尽とも対峙し、向かう方向を決めて、決めたこと守っていく。
ホロ社のようなサービス業、特に対面接客業と言われる業界では、ほんの少し前まで、人材不足が蔓延的に続き、将来的にもその懸念から、採用困難、それに伴う人件費高騰やその上での生産性向上などの課題と背中合わせになっていた業界です。
それが3か月前のコロナで一瞬にしてある日突然概念がひっくり返ったわけです。
社員が企業にとって最大の資源!といった文言はどんな経済書、経営本を読んでいても間違いなく書かれていることですし、どんな企業でも企業理念の中に謳われています。
しかし、今、その企業存続の最大の存在意義である人材・・・財産である人材を「休ませる」ことが最大の企業存続のための施策になっています。私はこの矛盾に苛まれていますし、一方その現実を噛みしめています。
それがとても悔しいです。
しかし、このような矛盾、理不尽とも対峙することが経営なのだと思います。
ホロ社は、コロナ発生後、先々の収入計画、経営数値の修正などを繰り返し、また緊急事態宣言以降、休館を決め、またその後の対策なども検討し打ち出していっていますが、休館の中でも休業はしない・・・ということでスタッフが、現場だけでない、これまで使っていなかった?アタマを使って、今できることをやっていこうということで、「休まない、仕事をつくる」また、未来のホロ社を築くための特訓ということで、企画脳を鍛えること(企画100本ノック)を促進してきています。
日々刻刻と状況が変化する中、このレポートを書いているGW中の段階では、「緊急でないけど重要なこと」に目を向け、アイディア出すことを普通に全員が行う習慣を身に付け、アイディアを企画に変えていく会社風土をつくっていきたいと考えそれを実施しています。
まさに「STAY HOME」という自粛呼びかけに対して、(物理的には)家にいてもいいけど、(精神的には)STAYしている場合ではないということです!
アップル創業者の故スティーブジョブスが、かつてスタンフォード大学の卒業式での伝説的なスピーチの締めの言葉が
「STAY HUNGRY STAY FOOLISH」
(直訳すれば、、、ハングリーであれ、バカであれ)
これは
HUNGRY!
渇望せよ!現状に満足して歩みを止めるな より先の未来を渇望し、追い求めよ!
FOOLISH!
常識の牙を抜かれるな!
まさに今、事業家にとっては物理的には手足から牙まで抜かれている状態なわけ(STAYHOME)ですが、その中でも、今こそ歩みを止めてはいけない!
休業している場合ではない・・・休業補償といった与えられた制度に一喜一憂している場合ではない!
ホロ社はそんな気概でいきたいわけです!
このまま続けば、「緊急かつ重要なこと」にも着手する必要が出てくるでしょう。
休業してでも、補償をあてに何とか生き残ることを模索しなくてはいけない事態もやってくるかもしれません。
どんな会社でもHP等など会社概要ページで掲げ示されている理念や指針
「人材がわが社の唯一の資源です」的な文言・・・
従業員は会社にとって、本当に財産なのか?、資源・資本なのか?
そんな原理的な問いが今問われていますが、その問いの「正解」というものが揺らいでいます。
私(たち)にとって問われていることは、ホロ社にとって愚問であるその問いを正解にしていく意志・・・それが問われていると思っています。
ホロニックという社名・・・「個人と組織は有機的につながり調和する」という意味を正しく全うできるかどうかが試されています。
そして、今、目の前にある非常事態に対してこの「STAY HOME&STAY HUNGRY」という局面の中でどう未来を築いていくかという自らの意志と対峙し戦っていきたいと思っています。
そのためには昨年の今頃社員総会で皆ひとりひとりが掲げた「We are HOLONIC!」といった一体感が今一番の活力になるものであることは間違いありません。年末には、その頃流行語大賞になっているであろう「コロナ」「STAY HOME」などに苛まれたこの事態のおかげでホロ社や皆各人がこれまでになかった成長軌道に乗ることを想像して、うまい酒を飲んで語れるよう今いる社員全員で今を乗り切っていきたいと強く願っています。