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マンスリーレポート

2015年07月

「コミュニティが価値を高める時代」

ホロニックは「コミュニティ型ホテル」という新しい業態を切り拓いていくための経営活動をこれまでずっと続けています。

「新しい業態」にはベンチマークがありません、つまり事例がない、マネないしは参考にする対象がないのでずっと七転八倒、試行錯誤の繰り返しを続けています。

「コミュニティ型ホテル」というのは私の定義としては「つながりをつなぐホテル」

少し言い方変えますと・・・

ホテルといえば、「ラグジュアリーとバジェット」(価格やグレードの高低の差異)「ロケーションや立地」(不動産的価値の差異)などといったことで業態領域が決められたりしています(シティ、リゾート、ビジネス、観光・・・・)

つまり「使い勝手=機能」によって業態分けされているものだと思いますが、コミュニティ型ホテルというのは、つながりや絆、関係性といったものを「つなぐ」といったある意味大変「おせっかい」な取組を主体的に行うことを主目的にしているわけです!

「オーベルジュ」(食事を楽しむことを目的にして泊まる宿)という業態がありますが、目的やコンセプト、ターゲットといった「テーマが明確」(機能ではなく・・・)という意味ではその業態に近い考え方をしていると言えると思います!

しかしながら、どちらにせよ現場で行われている日常業務は、いわゆるホテルや旅館と一緒です

宿泊、飲食、宴会、ブライダルといった業務に従事しているわけですから、現場で働くスタッフにとってはわかりにくい、というか「差別性を説明するのが難しい業態」であるのだと思います!

しかし、私たちは「寝る」「食べる」「集う」といった“機能を充たす!”だけの施設であってはいけないのです、それを充たすことを超える「経験的価値」を提供するホテルを目指しています!

まさに、ホテルという舞台装置を通じて、人と人がつながる、そのための共感コンセプトを創り出していくかが目下の最重点課題でもあります!

ところで・・・・

今賃貸住宅などでは「シェアハウス」なるものが登場し、一部では大きな支持を受けています!

男女6人が一緒に住み込み、それぞれの人生観や価値観をぶつける「テラスハウス」という映画やテレビ番組が人気を博したのも最近の話しです

一般のマンションやアパートとシェアハウスが違うところは「そこにコミュニティの要素がある」かどうかです!

つまり入居者にとって「絆」「関係性」なりの「付加価値」がなんらかの形で物件に含まれているか否かの違いがあるのです!

言うまでもなく、普通のマンションなどでは、当然プライベートは確保されていますので住民同士の関係性などは、それを求めない限り、生まれることはありません

ちなみに、昔々は集合住宅といえば「長屋」その後は「木造アパート」そして「団地」そして「マンション」といった具合に「時代」というか「生活スタイルの向上」によって住まいの業態やあり方が変化してきました!

「長屋」と言えば、今でも京都などには町家などはいくつか残っていますが、まさに「運命共同体」の様相です!

火事なんて起こそうものなら一気に他人の命や生活を奪う事態です!

それぐらい「ヨコのつながり」が重要で必要不可欠だったのだと思います!

風呂やトイレが共同など当たり前、生活用水である井戸も共同ですから、そこから「井戸端会議」などという言葉も生まれているのだと思います!

ある意味、防犯や防火などが「みんなで共同」して守っていた利点はあるものの、わずらわしい人間関係を強いられるのも一方で存在していたのだと思います!

しかし、皆が豊かでない時代は「持ちつ持たれつ」で「生活コスト」を切り詰める(シェアする)ことが必然だったわけです

それが高度経済成長などで、経済もよくなり、人口も増えていく流れの中で「生活様式」も変わっていき、つまり「生活水準」があがり・・・・各家にも風呂やトイレがつくことで、ある意味煩わしい人間関係も必ずしもなくてはならないものではなくなり、それが大きくいうと現代の「住まい」に近いカタチになっていったのだと思います!

その後はテレビも電話も一家に一台、今や一部屋、いやひとり一台・・・そんな便利な時代です!

社宅なども大企業を中心に「寮」が完備されていたり、学生寮なども、かつては「共同」でしたが、今は「ワンルーム」もしくは「借上げマンション」というプライベートが確保されることが基本形になったとっても便利な時代です!

生活が豊かになればなるほど便利なモノが増えていきます!それはコンビニなどにも代表されるように、「しなくてはいけないこと(機会)」「しゃべらなくてもいいこと(機会)」が増えたわけです!

そんな便利な時代の代償はまさに「希薄になっていく人間関係」でしょうか・・・・

今シェアハウスのようないわゆる「コミュニティ型賃貸住宅」が一部の層に支持されてきているのは、希薄でも生きていける時代である自由さというメリットがある一方で、「孤独」「さびしさ」「枯渇した人とのつながり感」といった類の「気持ち」を充たすニーズが高まっているのではないかと思うわけです!

「モノ」から「コト」「コト」から「ココロ」と言われる時代です

かといって、かつてのような「せねばいけない関係性」というようなある意味「ドロっと」したコミュニティでなく、「つながりたい人とつながりたいときにつながれる」といったある意味「カラっと」した関係性にニーズが高まっているのだと思います!

その軸の価値観は「共感」なのだと思います!

「共感軸でつながること」のニーズは確実に高まっていると思います!

SNSの発展はそれを裏付けるなによりの証拠です

シェアハウス(コミュニティ型賃貸住宅)も、ひとくくりに同じニーズではありません

「英語を上達させたい日本人と日本語を上達させたい外国人ばかりが住む賃貸住宅」

「シングルマザーばかりが集まった賃貸住宅」

もっと絞り込まれているのは

「食のプロフェッショナルやその分野で起業目指す人ばかりが住む賃貸住宅」

こんな具合です!

まさにそこには単なる「賃貸住宅」でなく「コミュニティ型賃貸住宅」の姿があります

そこに集約されているのは「同じ価値観」「同じ目標」「同じ境遇」「同じ志」・・・という「同じ」というキーワードです!見事に「共感をマッチング」させています!

これだけ多様化した・・・つまり「違う価値観」に溢れる現代だからこそ共通の何かを求めていく傾向は注目すべき時代の流れ、または人の志向なのかもしれません!

そんな傾向の受け皿になるべき「住まいというハコモノ」について・・・ですが

そんな賃貸住宅の今!の特徴は

①    一般の賃貸マンションの相場家賃よりも高い

②    大々的に広告が打たれていない(ターゲット層が狭いので情報が届きやすいネット主体になる)

③   「生活習慣を根底から変える」「世界観・人生観を変える」「知的好奇心を刺激する」ような人間を内面から変化させる「経験価値」を提供している

 

この現象は意外に思われますでしょうか?

私は「そうだよな!」という印象しかありません!

そして・・・・

まさにこの③の「経験価値の提供」こそがなによりの付加価値ポイントなのだと思います

(実際の部屋の間取りは共同空間を除けば、一般の賃貸住宅より狭かったりするわけです)

その価値こそ「逃げない顧客を育てる」重要なやり方でありあり方なのです

 

さて話しはまた戻りますが、私たちの「コミュニティ型ホテル」

私たちの「コミュニティ型ホテル」のベンチマークがあるとすればこの「コミュニティ型住宅」(シェアハウス)なのかもしれません!

ここで重要なのは「ハード」は勿論のこと「ソフト」(コンテンツ)、そしてなにより「オペレーション」なのだと思います!

マンションには管理人が大体駐在していますが、それは文字通り「管理をする人」です!

「コミュニティ型〇〇」がやらなくてはいけないのは「管理」でなく「オペレーション」です

しかもそれは「受動的的おもてなし=御用聞き」だけでなく「能動的つなぎ=つなげ屋」なのだと思います!

私が言うこの「つなげ屋」を英語で言うと「ファシリテーター」であり「プロデューサー」であり「ディレクター」というなんとも「イケてる!」?表現になるわけです

「コミュニティ(つながりつなぐ)ということを運営の中心に置かれたホテル」

宿泊機能も、食事も、宴会も婚礼も全て、コミュニティ(つながり)をつくり、お客様にとっての生活や人生のお役立ちをしていくための手段であるというアタマを持って築き上げていく業態

それがまさに「コミュニティ型ホテル」だと思っています!

今年の初めに掲げた「ReSET + ReVIVE」

前者は従来通りのお客様のニーズを満たす、もっと言えば、リラックス、リフレッシュといった今の心地を充足させる・・・つまり私たちにとっては「受動的」です!

この受動的スタンスから、お客様の見えないニーズを察知して応対すること・・・それがホテルマン、ホテリエの本来の役割であり仕事であり、醍醐味であります!

そこには「私たちの意志」は反映されません!しかしそれが原則ホテルマンの基本形です!

そのあり方に反して「コミュニティ型ホテル」があるわけでは全くありません!

むしろそれに進化していく形です!

従来あるそのあり方に加えて、その上で、後者の「ReVIVE」

これはまさに上記③でいう

「生活習慣を根底から変える」「世界観・人生観を変える」「知的好奇心を刺激する」ような人間を内面から変化させる「経験価値」の提供

まさにこれはひとつ間違えると「おせっかい」を超えて「エゴ」にもなりえます

度を超えると「エゴ」かもしれませんが、「共感」というニーズは鉄板!です!

「共感」も勝手に、または自然には簡単に巻き起こされることはありません。

誰かの音頭と煽りが必要です!

まさにプロデューサーでありファシリテーターです。

漢字で書くと「つなげや」です

私には「つながりつなぐコミュニティ創出企業を目指す」その先には「人の生きがい、やりがい、働きがい持つこと、そしてそれを通じて豊かな社会にしていきたい」という理念があります!

従ってそこまで踏み込んでいくことを私たちホロニックは目指していきたいのです。