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マンスリーレポート

2016年08月

2016年8月の出来事総括

今月の大きな出来事のひとつにオリンピックがありました。

メダルを奪取する日本人アスリートを見ながら色々思うことがありました。

多くの選手がメダルを目指して競技に臨むわけですが、その中でメダルを獲得できる選手は、いわずもがな一握りです。

その中、銅メダルで歓喜になる者もいれば、同じ銅メダルで悔しがる者もいる。

後者の典型が日本柔道陣でした。

金メダルが宿命かのごとく我々一般人はともかく、選手、そして監督、関係者がその姿勢で臨んでいました。

銅メダルを獲得したインタビューで「悔しい」と話す選手達を見ながらこれがお家芸柔道の真骨頂を感じました。

また銀メダルでしたが、「すいませんでした!」と泣きながらテレビの前で謝る女子レスリング吉田沙保里選手がいました・・・

思わず「いいよ!いいよ!!」とこれまたテレビの前で励ましていたのは私だけではないのではないでしょうか。。。。

こんな銅メダリスト達を見ながら、「最近の日本人は・・・」(ハングリー精神がなくなったといわれる若者を象徴しているような話)と

いわれるフレーズを吹き飛ばしてくれるくらい「ニッポン人」の可能性を感じさせると思ったのは私だけでしょうか?

彼らは一様に「悔しい」と言った後に「周囲への感謝」を口にしていました

「みんなのためにもメダルは必ず持ち帰る」と口にしていた女子卓球の3人がいました

その一人がなんと15歳の伊藤選手!堂々とした未成年です!

銅メダリスト(敗者復活戦のある競技)は一度負けて最後勝って終わるパターンです。

金メダリストは負けることなく終了し、銀メダリストは負けて終了します。

そういった意味で銅メダリストは、競技の途中、金を目指してやってきた4年もの歳月を一瞬にしてそのモチベーションやスピリッツ、プレッシャーを打ち消されるくらいの事態に直面します

その上で、即座、わずか数十分、数時間で、その気持ちを切り替えなければなりません

これは銅メダリストの多くの人が口々にしておりましたが、この切り替えがとても難しいと・・・・

それはそうです、4年間の集大成が一瞬にして抹消されるわけですから目の前は真っ暗で茫然とする(茫然なんてものではないかと

思いますが私のような凡人には想像すら出来ません・・・、しかしそれで終わることができない。

金がダメならば、せめてメダルだけは・・・・それが適わなければ日本に帰ることが出来ない(と思った)とまで言っていました。

私には到底想像すら出来ないこの精神性・・・・銅メダリストはこの切り替えが出来る大きな要因は

「周囲への感謝を思い返す」

そのことによってモチベーションを復元するのだと思いました。

準決勝で負けた日本選手を見て、それに勝った敵の選手のコーチが、あまりの悲惨な姿に見かねて

「あなた、メダルを持ち帰るとのそうでないのとでは全然違うわよ!頑張りなさい!」と声をかけたそうです、

それで我に返って気持ちを持ち直したそうです!

メダル獲得というのは自身の夢だけでなく、周囲(家族、コーチ陣、関係者、ライバル・・・・)の期待と威信を背負って

ステージに上がっている・・・というか「上がらせてもらっている」・・・そう思う(思い直す)ことが出来なければ決して切り替えなど出来ないのだと思いました。

まさに「利他心」です。

「生かされている自分の再認識」ということです。

また、このオリンピックと同時期に大リーグ・イチロー選手も3000本安打という大記録を達成しました。

その際のインタヴューの言葉も極めて印象的でした。

「僕にとって、『3000』という数字よりも、僕が何かをすることで僕以外の人たちが喜んでくれることが、

今の僕にとって、何より大事なものだっていうことを再認識した瞬間でした」

まさに、ここまで来ると「自分は人のために生きている境地」なのだと思います

というか「自分のためが人のため、人のためにするのが自分の生きがい」となっていくのかもしれません

何かに、誰かに貢献していく使命を背負い、またその使命を自分の喜びに変えていく(変わっていく?)

確かに“自分の人生は自分のもの”です、

しかし、自分の人生を全うすることで人に何かの影響を及ぼすことが出来る。

それを知ることで生き方が変わってくるのだと思いました

「生かされている自分」・・・その境地になってはじめて「使命感」が芽生えてくるように思います。

よく「自分探し」ないしは「自分磨き」に励む人が多いですが、それは人生を充実する上での初期段階なのだと思います!

まわりに喜ばれる、まわりに応援されるような自分になることで「生かされる」ことを実感する、、、、

決して「自分探し・自分磨き」だけに勤しんでいるだけでは喜ばれも、応援もしてもらえないのだと思います!

そして応援されるからこそ「夢」に向かって走れる、自己実現に本気で励める、

そして本気で励める機会は実は自分以外の誰かによって与えられる・・・・

禅問答みたいな話になってしまいそうですが、改めて一流のアスリートはそのことを理解した人なのではないかと思ったのでした。

体操の内村航平選手が最後逆転で金メダルを獲得した後のインタヴューで深いコメントをされていました。

「全部出し切れて幸せでした!」

応援されるみんなの声を一身に背負って果たさなければいけないことは「悔いのない演技」です、

そこは決してメダルとか記録とか順位の類の「結果」ではないのかもしれません

「やり切ること」「あきらめないこと」・・・それが出来たら結果は自ずとついてくるし、やり切ることで皆が喜んでくれる、まさに自分のしてきたことで自分以外の人が喜んでくれることが「幸せの究極」なのではないでしょうか

今月はオリンピックから繰り広げられるドラマから、自分や会社、スポーツに限らずビジネスの現場に投影してみる機会が多かったです。

「ホンモノの経営者」というものも同じように思いました。

私を含めて世の中にはたくさんの経営者がいます。

しかし、ホンモノの経営者とは?と考えると、今月たくさんの励みと勇気をくれたアスリートのような自身の夢と

みんなの期待・希望をかねるという意志(志)がつながっていることなのだと思いました、そして「自身の夢」ごときではまだまだダメ!

「夢と志」・・・・その端境期には大きな壁や溝があるのだと思いました。

それを埋めたり飛び越えたりする大きな要素は「人間力」

最後は「人間力」が試される。

試されるくらいまで「人間力」を磨き、引き出していくことっていうのは人の人生にとってとっても重要なことなのではないかということを

実感することが出来たような気がします。

私も「ホンモノの経営者」を目指していくことにします。

そのためには、挑み続け、良心を高め、人間力=魂を磨き続けること・・・・

そんな大変貴重な気づきや発見のある月間なのでした。