2016年07月
「“大変!”な風土づくり」
「不況知らず」・・・・・この表題の言葉はいわゆる「不況を吹き飛ばすくらいに好調!」のときに使われる比喩表現ですが、
関西では知らない人はいないであろうお好み焼きチェーン「千房」の創業社長・中井社長がこの言葉を引用して面白いことを言っていました。
自身が中学を出て丁稚に出て、お好焼屋を始めたころ、あまりにお客さんが来ない状況が続いたそうです。
その頃は丁度オイルショック真っ只中!!・・つまり不況真っ只中だったそうでどこの店、どんな事業も苦しい時期だったことはニュース、新聞などで報道されていました。
しかし、この中井社長、義務教育しか受けていない、すなわち「学校の勉強」をする習慣がなかったがために、ニュースも新聞も見ない、読まない・・・そんな人だったそうです。
つまり、「(その頃の時代の)不況だってことを知らなかった」・・・そうです。
まさに文字通り「不況知らず」なわけですが、その「知らなかったこと」で原因を外部環境に振り向けることをしなかった(というか・・”できなかった・・・“)ことで、全て内部要因。。。
つまり・・・「なんでお客さんが来ないのか??」という理由を全て自分達に原因があることを追求していった、換言すると・・・
「自分へ矢印」を向けていった結果、色々な取り組みを先入観や固定概念なく実現することが出来た・・・そのことが今の千房の繁栄につながっているということでした。
知らないこと、経験がないことの素晴らしさを説いているわけです。
「経験がない」といえば「子供」ないしは「新人」
もうすぐ、夏休みの時期がやってきて多くの小学生に課せられる宿題は「自由研究」
このざくっとしたテーマ(わりと具体的なテーマも与えられない)を一から仕上げるのは大人の私たちから見ると案外大変!!・・だと感じませんか?
ある自治体で、かつてその自由研究のために子供たちが押しかけてきて、どういうわけか市長室へもドタドタ入ってきたそうです!そこでその市長が言っていた言葉が私にとってある意味衝撃的でした・・・・それは
「思ったことと動き出すことの間には三途の川くらいの距離がある、しかし子供達はその川をいとも簡単に飛び越えてくる」と・・・・
すなわち、子供(という人種)は、四の五の考えない、思った瞬間と動き出すタイミングが一緒・・・しかし大人は決してそうではありません!
なぜでしょうか??
一方、大概、日本の優良な会社は新卒採用を熱心に行っています。
私はホロ社を起業した頃、「なんぜ戦力にならない新人を採用するのにそんなに時間とお金を使うのだろうか」と思ったときがありました。
新卒採用をするのは「余裕のある会社がやるものだ、自分達のような駆け出し、ベンチャー会社には関係ない」と思い込んでいて、
出来るだけ即戦力になる(だろうと思える)経験者で、わりと若目の(というか自分の同世代付近=感覚があうであろう?)人材を採用しようとしていました。
しかしその思い込みは間違いだったと、今の私ならばはっきり言えます!
そして、新卒採用は余裕があろうとなかろうと、事業を成長させようと考えている経営者ならばいつからでも行うべきことだと思っています。
なぜだかわかりますでしょうか?
(新卒と中途と区別するのは決して適当なことではありませんが、)確実にいえるのは「子供」ないしは「新卒(新人)」は「経験がない」ことです。
つまり、「普通!(こんなもんだ!)という概念が全くありません。
先ほどの「不況知らず」の話と同じです。
ホロ社も創業の頃、新しい商売、何か世の中に影響を及ぼす事業を興すことを志して起業しました。
当時31歳、今思えば”若輩、弱冠の極み!“ですが、その頃自分が経験不足を嘆くことなど一切ありませんでした。
周囲の同世代で、「もう少し経験してから俺も何か始める!」「まだまだ経験不足だから・・・」なんて言っていた人も多かったと思いますが
そんな人のほとんどはいまだに何も始めていません。
またその頃の景気がよいかどうかなどといった周辺環境が優位だからといってはじめたわけでもありません
そう考えると人の人生は「出来るか出来ないか」という算段ではなく「やるかやらないか」という意志がとても大事なような気がします
勿論、意志だけでうまくいくこともありませんし、うまくいかないことのほうがはるかに多いわけですが、何かやる際に「やってみないとわからないけど・・・」という気持ちではじめたものはあまりないように思います
このチャレンジ精神がホロニックの源泉だと思っています!
従って、私自身含め、この会社がこの「新たなチャレンジ」に臆病になることは会社の存在意義に関わることなのだと思っている昨今です。
確かに経験がモノを言って物事がうまくいくことも多々あります。
それは当たり前のことで、経験で培われているのは「失敗しない方法」です。
だから経験があることは、何か物事をやる上では優位だと考えるのが定石です。
しかし、経験が何か新しいことに挑戦するアクションを阻害することもたくさんあることも定説です、
私たちは「いい人生を謳歌したい!」と思う人はあっても「なんとか失敗しない人生を謳歌したい!」と言っている人は皆無だと思います!
ちなみに・・・
誰もが子供の頃にコマなし自転車を一発で乗れた人は居ないと思います。
仮に「コマなし自転車の乗り方」という説明書を誰よりも完璧に読み込んで臨んだとしても・・・・
誰もが乗って転んでの繰り返しをすることでやがて乗れるようになる・・・・(しかも不思議なことに一度乗れるとそれまでが嘘のように普通に乗れるようになる)
こればかりは「転ぶ経験」すなわち「いやなこと」を経験させなくてはいけない
指導者や親などは「怪我をするといけないから、あれはするな、これをするな・・・」と言い聞かせがちで、それのいい面は「事故がなくなること」です!
しかし、その事故がなくなることを目指していくことで、リスクを冒さなくなります!
それって、好奇心の芽を摘んでしまったり、チャレンジすることを辞めてしまうことでもあります!
人間誰もが失敗をすることに臆病になると思います。
当然危険を冒さなければ絶対に“失敗”はしません、だけど、残念ながら危険を冒さなければ“成功”も出来ない
私が思うに、自分の可能性を最大限に生かすためにはあえて危険を冒さなければならないときが必ずある、
理想の人生を生きるためには恐怖ときちんと向き合いそれを乗り越えるための行動を起こさなければいけないと思うのです!
ホロ社は今や「ベンチャー企業」といわれるような社歴ではありません。
創業17年といえば老舗にもなりません、見た目だけでは「巷によくある中小企業」です。
この「階段の踊り場」みたいな場所にいる今のホロ社も今年は今までになかった新しい風が吹いているように感じています。
それがもっとも皆さんの体感に感じた最近の出来事が「HOL Fes2016」ではないでしょうか?
これまでの歴史の中で初めての取り組みでもありましたが、初めての全社交流、しかも皆が同じTシャツに身をまとい、
同じ価値観を共有する、そしてホロ社の土台である「つながりつなぐ」をもとも身近な社内、仲間で共有できた瞬間でした。
これまでやったことのないことをやるのは「勇気」が要ります。
(これまでやってきたことに自信があればあるほどです・・・)
コマなし自転車の話のように、人は誰しも、やったことのないことを試しにやってみるとほぼ確実に失敗します。
だから勇気が要ります、三途の川を飛び越えようとすると「恐怖」を感じます。
しかし行動しない限り「成功」はありません。
というか、成功している人は全て勇気を持って行動し恐怖を乗り越えている人です。
これまでの経験や実績から「大きく変える」のはまさに文字通り「大変」なことです。
でもこの「大変」なことを繰り返していく原動力を持っているのがホロ社の社風でありたいと願っておりますし、
それはこれからの世代へもしっかり継承していきたいと思っている次第です。