2014年01月
「挑むと拓く」 ~15年を振り返って~
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
私自身2014年、ホロ社創業16年目を迎えるにあたって、今までにない「危機感と緊張感」を持って迎えることになりました。
これは皆さんに向けて例年掲げる今年のテーマというより、私自身の心構えとして、それを皆さんと共有していきたいという願望を込めてお伝えしていきたいと思います
さてその「危機感」ですが、私は「これからの(市場=世の中)変化に対する危機感」そして「社内における状態の危機感」の2つの強烈な危機感であります。
まず市場の危機感から・・・
危機感その1
2013年4~12月の売上と昨年比としては、昨年はアベノミクスの影響などで市況がよく、私たちに業界においても「宿泊」また「宴会」などは軒並み昨年比プラスになっております。
ホロ社においても、勿論現場スタッフの努力もありますが、景況感によって支えられる要素がありました。
この傾向はしばらく続くと予想しています。
身近なところで言えば、姫路やUSJなどはこれから追い風になる様相です。
そういったことからも、私たちはいかに業界全般の活況以上のカタチをつくっていくかが大きなテーマになると思います。
一方、これまで毎年続く景況感に左右されにくいと言われていた婚礼業界が比較的堅調だったのが一昨年前までの流れでしたが昨年で一気に潮目が変わりました。
ホロ社においても、結果がそれを物語っております。
現場スタッフの努力も、今までになく施されたかと思いますが、それでも結果的には大変厳しい結果になっています。
4~12月の業績は赤字です!
その赤字は婚礼部門が予算を満たしていないからにほかなりません。
つまり婚礼部門が全社経営に影響を及ぼしているということです。
さて、そんな状況の中で大きな危機感を持って今後のことを考えていかなければいけません。
今後、景況感の好転に関係なく競争激化が増し益々厳しい業界になることは間違いありません。
今年60万超組の婚姻届出数が10年後には50万組・・・・10万組も減ります。
また大手業界誌においても、創刊以来、初めて前年比マイナス予算になると言われています。
出向社数は減っていなくとも、掲載容量、また単価などが下がり始めたとのことです。
いよいよ10年ほど前から言われていた婚姻数減少に伴う市場規模の縮小による打撃が、”徐々に“でなく〝激的に”影響する時代に入ってきます。
繰り返しますが、婚礼業界だけは決して景況感に左右されませんでした。
それがゆえにここ数年参入社が激増しています!
しかも異業種や新規などの参入は目まぐるしいものがありました。
しかしそれは換言すると、これまでの不況下ではむしろ(サービス業においては)「勝てる業種」であった(それは、T&Gやノバレーゼのような企業が創業され、順調に成長してきたことなどを見るとこの過去10年間が証明しています)
しかし、これからは好不況関係なく「勝てない業種」になる・・・厳密に言うと「勝てる人(社)しか勝てない」・・・つまり、この競争激化により、各社の「優勝劣敗」または「二極化」が進むことに確信を持っています。
私たちはブライダル専業会社ではありませんが、それでもブライダル部門は売上構成比30%を超える(ホロ社単体では60%)、全社的にも収益の柱になっております。
それによってこれまで全体を支えられていました!
しかしそれがままならなくなる状態になることによってこれから全社的には大変厳しい局面を迎えることになります。
まさに婚礼市況が私たちホロ社の経営を震撼させることにつながります。
さらに、今後ブライダル専業会社はホロ社の3倍のパワーを持って畳み掛けてきます、彼らはそれだけの環境や(人的・資金的)に恵まれています!まさに多勢に不勢状態です。
そういった意味でホロ社を取り巻く環境は大変危機的な状態になっていくと言って過言ではありません。
今一度この危機を皆さんと共有し、乗り切る覚悟が必要になります。
繰り返しますが、これは決してブライダル部門に限った話ではありません。
他部門にも影響を及ぼします。
(ハイランドのGRで平日営業を再開すること、ムゼのレストラン一般営業を順風満杯にすること、GCもSGLも売上嵩上げ、つまり施設維持において欠かせない分野です)
婚礼部門がこけると、他部門でもやりたいことが出来なくなるという事態です。
3倍の数的勢力に、対抗し、打ち勝つには、圧倒的な他社との差別化が不可欠で、他社と比較してモノゴトをとらえる発想を超越していくアタマ(知恵)が必要です!
「パワーゲーム」に対抗するには、「知恵のゲーム」で挑むしかありません。
その叡智を全社結束して絞り出して、そして全力疾走する構えが必須であることが肝心です。
そして、知恵や叡智ってなんだっていうことですが・・・・
「絶対的に他社で出来ないこと」「圧倒的にお客様に支持されること」そして「絶対、うちにしかできないこと」の3点共通のことを見出す、もしくは編み出す・・・・
そんな「アタマの全力疾走」を全員一体となって邁進することで危機を乗り切る糸口が見えてくると信じています。
危機感その2
そしてもうひとつの危機感、それは「社内」です。
ここ直近3年のホロ社の売上はほとんど伸びておりません。
創業して丸15年経ちますが、人間でいう中学生時代にあたるこの直近3年で、ほぼ成長することが出来ていないということになります。
売上だけが成長ではないと言う人も居るでしょうけど、成長の物差しとして売上(人で言えば体重、身長、勉強の成績といったように・・・)を否定することは出来ません!
勿論個々人の皆さんに照らし合わせ、振り返ってみると、それぞれ成長しているという評価や実感はあるのかもしれません。
また、会社としても新規事業や出店などもしております、
また人によっては急成長ですね!などと言ってくださる方もおります。
しかし、売上、利益を指標として結果からすると組織としてチームとしてのそれは、あえて自己否定しなくてはなりません。
私たちがこの3年間やってきたことは「下りエスカレーターに向かって全力で上に向かって走った」とか「逆流の海に全力で向かって泳いでいた」・・・その結果一歩も前に進んでいない!・・・それが現実でした。
皆さんスタッフが一生懸命働いてくれている、だけど売上や利益が上がらない。
それは何が悪いのか・・・と真剣に考えました。
もしかしてエスカレーターを全力で走る前に、エスカレータそのものを乗り換えたほうが(上向きに)いいのではないか・・・・
逆流を泳いでいるなら、追い風に乗る流れに乗り換えたほうがよいのではないか・・・
つまり、今の事業の構造や方向性を変えたほうがいいのではないか・・・つまりそれは経営者である自分がこの会社の成長のボトルネックにしているのではないか・・・・そんなことも昨年来、真剣に考えていました。
そして、なぜホロ社はずっと業績がよくならない、成長していかないのかを自分自身が起こしている原因を考えました。
・色々なことに手を出し過ぎ (対比ブライダル専業会社)
・そのために、人材やおカネなどの「資源」が分散されている (人材成長、企業成長の阻害)
・さらに、地に足つかぬまま展開(挑戦)する
もしかして、もっとシンプルにもしブライダル事業だけに特化していたら・・・
もしかして、ホテル業、とりわけ宿泊主体業種にもっと傾倒していたら・・・
これらの私、経営者自身の行動、また思考、意思決定や決断が成長阻害の原因ならばこれはこれは大きな危機だと・・・・
原点を振り返ってみて・・・
これらの私自身の思考や行動が危機感の源泉であるならば改めて「原点に振り返ってみる」ことを考えてみました。
自分がホロ社を創業した原点はなんだったのか?
それを改めて思い返してみました。
この15年間、本当にいろんなことをやってきました。
大小問わず様々なチャレンジの連続だったように思います。
自分は何をしたいのか、何を成し遂げたいのか、何を同じ同志であるスタッフに求めたり、共有したいのだろうか・・・・
そしてこれからどうしていきたいのか・・・・ホロ社のDNA、つまり自分自身は何を想い起業したのか・・・・
もう一度創業の頃、いやもっと言えばそれまでをも振り返ってみました。
ブライダルやレストランなどの生業はずっと一貫していますが、大きな業態の軸は節目節目で変わってきました。
そして直近5年ほどで「コミュニィテ創造企業」という旗印を掲げました。
そして何かの確信をしました。
ホロ社の、そして私自身の目的?・・・使命?希望?は何かというと・・・
「唯一無二の企業をつくりたい」
「世の中に必要とされる企業にしたい」
そして 「ホロ社みたいな会社って他にないよね!と言われたい」
そんな想いでした!
「コトを成したい」
そこに集約されていたのではないか!ということでした。
そしてそれを出来るだけ多くの人と共有、共感、共鳴し、そんなメンバー達とそれらを築きたい。
私含めたメンバーだって、「唯一無二の人、世の中に必要とされる人、あんたみたいな人変わっているね!」なんて言われたい、
それがホロ社のDNA・・、また私自身の原点なのです
それがホロニックの社名の由来でもあるのです
私たちは普通のホテル会社でもありませんし、なりたくありません!(コミュニティ型ホテルという領域に挑んでいます)
ブライダル専業会社でもありませんし、なりたくありません!(イベント業としてのブライダル業に飽き足りていません)
普通のレストラン会社でもありませんし、なりたくありません。
それも唯一無二を追いかけたいからです!
今のホロ社は、決してよい待遇ではありません、また組織としては全然脆弱です。
なので、現時点、それはホロ社の原点、もっと言うと私の原点に問題があるのかもしれません。
会社の経営者は従業員を守る責任があります。
そのためには利益を出すことは営利企業である以上必要な責任です。
でも、それ以上に大切なことは、「唯一無二」に挑むこと、そして切り拓くこと。
「他社でやっていること」や「やれるようなこと」でないことで、世の中で必要とされる企業を創ることです。
他社と違うわけですから、ケーススタディはありません。
それは本当に難しいことをやっているのです。
しかし、そんな難しいことに敢えて挑む、ケースがないところにアタマ突っ込んでいく、未開の地を切る拓く!
・・・それがホロ社のDNAなのです!
だから「参考書なしで、勉強している」「地図なくして目的地探している」ようなものです。
だから共に戦う皆さんにとっては、他と比較したり、周囲と比べると様々な不利益もあるかもしれません。
もっと自身の成長実感も他の環境であればかなえられたかもしれません。
しかし、私はこの「コミュニティ創造業」はこの先の3~5年でなく、この先の30~50年以上を見据えた事業になりえると信じています。
他でそんなこと考えている会社は、私が知る限りありません。
なので繰り返しますが、成功事例も、ケーススタディもありません
しかし、唯一無二とはそういうものだと思います。
私は、今やっているホロ社の業態を信じています。
「唯一無二の会社になるんだ!」という強い意志、「うちの会社があるから世の中がよくなるんだ」という強い意志、そんな意志のDNA・・・そこには妥協出来ないのです。
そのような精神だけはホロ社においては普遍なものでありたいと強く思っています。
そのためには皆さんの力と気持ちと理解が必要です。
私はその意志を全社員が再認識することでこの社内の状態の危機を乗り越えていきたいと思います。
まさに困難から可能性を見出す「挑む」と「拓く」スピリッツこそがホロ社のDNAなんだと。
2つの危機感を持って2014年を迎えました。
危機①は、まさにホロ社の収益の柱になっているブライダル事業という大きなテーマに全社の叡智を集め、それこそ、のたうちまわる覚悟、
を持って邁進することで乗り切りたい。
そして
危機②は、この難しい私たちの事業体を断行することで突き抜けたい。
この起業家スピリッツでやり切りたい。
イソップ童話でもあります「3匹の子豚」・・・一番上のお兄さんは「藁の家」2番目が「木の家」、これらはすぐに建てることが出来ましたが簡単にオオカミに吹き飛ばされました。
末っ子の子豚は苦労して「レンガの家」を造りました。
そしてオオカミの危機から脱しました。
この童話から私たちは事業の方向性を学ぶことが出来ます。
外部環境、そして内部要因(社長の志向)による危機感は、この「挑み拓く」というスピリッツを全社勢力上げて共有し共鳴し、「コミュニティ創造企業」というまだ見えない未開の市場を創る、業界を築く、唯一無二の企業を目指して、私経営者が強い信念を持って、皆さん共にホロ社を強くしていくことにブレないことでこの危機も乗り越えていけると確信しています。
最後に、
私たちはお客様からしかおカネを頂けないです。
なので、売上はお客様からしか生まれません。
なので、私たち現場スタッフはGMからアルバイトさんに至るまで、「お客様との接点の量、数」を最大限持つことを最優先にしなくてはいけません。
事務処理も必要でしょう!調理製造部門なくして商品は提供できなしでしょう。
しかし、それ以上に私たちの意識として「お客様と対話する、触れ合う・・・その量」こそが売上があがる唯一の方法であることを理解しなくてはいけないと思います。
全力疾走で皆様と共に走って、「唯一無二の会社(人」を目指していきたいと思います。
皆さん、改めて今年もよろしくお願いいたします。