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マンスリーレポート

2015年05月

「四半世紀前」

今から大よそ25年・四半世紀前に私は社会人になりました(正確にいうと1991年ですから24年前なのですが・・・)

いまだ、その頃、その時期は私も結構鮮明に覚えています。

なにせ生活のリズムがそれまでの20数年間とまるっきり、しかも瞬間的?に変わったわけですから・・・

新卒のみなさんにとっては・・・・

当然、生活のリズムだけでなく、置かれている立場、責任、見られ方・・・・何もかもが変わります。

それはまさに「自分のコトだけの世界」から「社会という世界の一員」になること

それまで「池で水に慣れる練習をしていた」状態から「海へ出て泳ぐ」状態になることです。

天地ほど違う世界!と言っても過言ではないでしょう。

それまでのやり方?生き方?の延長上で通じるものではなくなります。

かくいう私・・・ですがその当時、そんな状態に直面している自分をきちんと自覚していたわけでは全くありませんでした。

多くの新卒者と同様、特段学生気分から脱して社会人然たる姿勢で働き始めたわけでもなかったです。

ただその時思っていたことがあります。

それは

「将来何か事業をしたい・・・出来れば3年後」

「新しい産業をつくりたい・・・・人とやったことのない業を興したい、そのうちに!」

「そのために、今は事業をしている人、社長さんみたいな人とたくさん出会って人脈を広げたい」

今思うとあまり脈略はない中でしたが、こんな風なことは結構明確に考えていました。

先月、私の四半世紀前と同じようにその時期を迎えた新卒社員をホロニックにお迎えしました。

それから1カ月余りですが、早くも皆それぞれに大変な思いをしたり、壁にぶつかったりしている模様です。

しかし、そのような心の折れるような状態は誰もがその時期に普通に経験します。

もっと言えば「心の折れる状態」はこれから先、何度も直面することになるでしょう。

誰もが望んで「心が折れる状態」に向かっていく動きをすることはありませんので、それは常に誰にとっても「想定外」な事態であることは間違いありません。

私が思うに人生は「想定外の連続」です・・・つまり「望まぬ事態の連続」です。

しかしその「望まぬ事態がたくさん登場する状態!」こそが成長をしている瞬間なのだと思うのです。

なぜなら「チャレンジする」時は「目に見えない」少なくても「これまでに辿り着いたことのない未開の地(場面)」に向かっている時です!つまり「想定外」の連続を理解ないしは覚悟して臨んでいる状態です。

新しい発見を成し遂げた時の充実度を夢見てチャレンジしているわけです。

これまでの経験則だけでコトを成そうとしているうちは、勿論「心が折れること」はありませんが一方で「新しい発見」もない、つまり「達成感」もない、だから「成長もしない」わけです。

年齢を重ねると「心身」共に成長が止まると言われます。

「身」の方はそれはある意味自然の摂理なので仕方がありませんが「心」はいわゆるコントロールできることなのだと思います!

年を重ねた人の「心」の成長が停滞する・・・換言すると「心が折れることがなくなる」のは経験則の付着が多すぎて身動きがとれなくなる、ないしは身動きを取ることに臆病になるからです。

経験を積み上げることは勿論大切なことですが、しかし私は決して経験におぼえることなく、この「心が折れる」ことに臆病にならない、また逃げないように生きていきたいと思うのです。

さてその新卒社員に向けて最近のニュース事例を持ってお話した内容が3つあります。

ひとつは、大塚家具のお家騒動の話しからです。

あれだけワイドショーネタにもなりましたので誰もご存じの「父娘」との経営権争いです。

会社の実情はよくわかりませんが、ニュースなどを見る限りのビジネス的論点は

「これまでの高級路線でいくのか、その昔のやり方とは決別し、今やこれからの時代にあったフレキシブルな商品構成を含めた店づくりを展開する経営路線か」

その論争のような報道でした。

結果、娘側の後者が株主(つまり会社の所有者たち)から支持を多く受けて軍配があがりました。

今後、その娘さんである久美子社長がその采配を振るうわけですが、果たしてこれで正しかったのかどうか・・・・正解は・・・・「わかりません!」です。

経営には、いや経営だけでなく将来への道を判断なり決断なりするその瞬間には、いわゆる「正しい解答」はないのだと思います、正確に言えば「正解がないのでなく、正解はひとつではない」のだと思います。

あるとすれば「進んだ道(選択したこと)を正しくする」という「意志」があるだけなのだと思います。

なので、「正解」はどちらかみたいな、「探」すような行動や行為は、社会人になってからはほとんど必要のないことです。

必要なことは、「自分が決めたことを正解にしていく」という意志、そしてそれに伴う行動や行為が不可欠、そしてそのために自分を磨くこと、自分の信念や理念を高めるために心を磨くこと

これがとても大事だと思います。

 

2つめは「イチロー選手」の話しです。

これも誰もがご存じのように大リーガーイチロー選手が昨年、NYヤンキースからマーリンズという球団に移籍しました。

その時の記者会見の氏の言葉が印象的でした。

「新しい地で頑張りますので皆さん応援よろしくお願いします!!・・・・とは私は絶対に言いません、皆さんに応援し続けてもらえる選手になるように日々精進し続けることをお約束します」

と言いました。

つまりこれが「頑張ること」が大事なのではなく「結果を出すこと」そうすれば自ずと「頑張っている」そして「応援してくださる」ということがわかっているまさに一流選手の思考なのだと思いました。

自信をつけるために他(人)に頼ってはいけません。

「自信」は文字通り「自分を信じる」ことです。

よく「私は褒められて伸びるタイプなんです!」と冗談か本気かよくわからないことを平気で言っている人が居ますが、そんな人に限ってあまり伸びていない、まさにこれから伸びるんだ!と勘違いしている人が多いようです・・・よほどこれまで評価されない、そしてよい人と出会ってない、そして“全く伸びていない私です。 ”ということを宣言しているようなことぐらい愚かな発言です。

自分を信じる力がとても重要です。

この2つの話しから共通する要点があります!

「正解はない、自分の決めた道を正しくする」

「頑張ること、でなくて、約束する」

どちらも「主語が自分」です!「意志」です。

主語が「道」とか「プロセス(頑張る行為)」ではありません。

社会に出て活躍していく人こそ「社会人」ですが、適性な社会人に必要な資質はココだと思います。

そして3つめ ソフトバンク・孫正義氏の言葉です。

「迷った時こそ遠くを見よ!」

例えば船に乗った際に方向を失った時に近くや下ばかり見ていると船酔いする!そんな時こそ遠くを見る、そしたら、後で振りかえってみた時に、その時の迷いがほんの誤差に過ぎなかったことに気付く・・・・と

まさに、「迷走する」ことなど社会という大海原に出ると日常茶飯事です。

その都度都度に目の前のことばかりに囚われたりしていてはろくなことはありません。

そんな時こそ、自分の志、野望、願望、ビジョン、夢、・・・・将来にたどり着きたい「場所」を思うこと・・・・そのように考えることがとても大切なのだと思います。

多くの場合、後から振り返ってみるとその時の「迷い」は今から思うと単なる「誤差」に過ぎないことに気付く・・・・私自身もそう思えることがこの四半世紀の中でもたくさんあります。

しかし、そのためにも「先を見る力」をつけることです!文字通り「先見性」

それをつけるためには何をすればよいのでしょうか??

やっぱり「自分を磨くこと」そして「磨き続けること」

これしかないのだと思います。

新入社員の皆さんには伝えました!しかしそれは新入社員の人だけはありません。

「社会の一員として自分を磨くことに最大に関心事を持って欲しい」と・・・・