2015年09月
「SETREとは何か? 第2章」
前回は、セトレの顔がGR部門、そしてセトレの足腰がブライダル部門
そして、「宿泊」「食事」「集会」といったそれぞれのお客様のニーズを繰り返し利用される循環をつくり、その流れの途中で節目である「婚礼」といったライフイベント(ビッグビジネス)があって、またその後、利用してもらい続ける・・・
それがセトレの好循環のサイクルである
そして「つながりをつなぐ活動」を行う、それが「ファンづくり=コミュニティづくり」であり、それが「セトレの本領である」という話しでした!
今回は、それにも関連して、今年の年明けに掲げました「ReSET +ReVIVE」という内容を解説します。
ところで、今やツーリズム(観光)という概念には2つの大きなパターンが出来つつあります。
ひとつは、誰もイメージ出来る、いわゆる「旅行観光」
観光地、リゾート、温泉等々、日本国内に関わらず海外含めた「旅行」(ビジネストリップ)
これはいわば「非日常性」への誘いでもあります。
そしてもうひとつは、「ニューツーリズム」という概念です。
「ニュー」というだけに、これまであまりなかった、ないしは馴染みのなかった概念です。
エコツーリズム、アグリツーリズム、ヘリテージツーリズム・・・・
などなどいわゆるその地域独自のテーマに沿った目的型、着地型観光です
地域の人が自ら地域の魅力を発掘し、発信し独自の観光ルートを設定し商品化し提供するという考え方です。
ある書をそのまま引用すると
「地域コミュニティ内部から生じる自律的なツーリズムの意識を強調し、地域コミュニティに根差し、活性化し、ときに再生させる手段として有益なことからコミュニティツーリズムと名付け各地に広がっている
コミュニティツーリズムの現場では地域住民と来街者とが交流の機会と時間とを用意することで地域の人々がわが街を再発見すると同時に、地域の誇りを回復することが可能になる。
結果的にコミュニティそのものを活性化させ,ときに地域コミュニティが抱えてきた課題を解決する上での一助となる場合もある
“行政や大企業が提供するサービスでは対応することがかなわない地域の課題を解決するべく地域住民が新たに創出する事業を広くとらえた概念!”と定義されるコミュニティビジネスの発想が観光事業に展開したものだ」
従って「非日常性」というこれまでのツーリズム振興の概念の対極的にある、地域独自の「日常性」のデザインの再評価をする取り組みなのだと思います!
まさしく「セトレ」が目指すスタンスを一寸違わず表現されていると思っています
さて、私が思うに、上記にある「ReSET+ReVIVE」の「ReSET」から・・・・
私たちがサービス業として教えられていることは「お客様に求められるニーズに応える」ことから満足度を高めること、さらには「お客様の期待値を超える感動」を追及することです!
セトレで提供していることでいえば、過ごし,癒し、心地、リラクゼーション、おもてなし、接遇などなど、を提供していくことこれはある意味「お客様の目に見えるニーズを充たすこと」(ないしは目に見えないニーズまで追求すること)のように思います。
これは私たちのような、対面接客業であれば勿論サービス業、ホスピタリティ産業に従事する者(組織)にとっては不可欠に必要なものです。
これはある意味、お客様のニーズが主語ですから、私たちの動きや役割は「受動的」です!
一方で「ReVIVE」
ホロ社は「ReSETというニーズ」に加えてこの「ReVIVE」を提供していこうということです!
「ReVIVE」には生き返る、蘇る、元気になる、気づき、発見、学びたい/知りたい/健康になりたいといった願望や知的好奇心などなど・・・を提供していくという意味があります!
これはある意味「「お客様の目に見えない(というか“気づいていない”)ニーズやウオンツを掘り起こす(煽る)こと」のように思います。
これはたいへんおせっかいかもしれませんが、主語はこちらです。
共感してもらう、価値観を変えるとか・・・大変ある意味横柄は話しですが、私たちの動きや役割は「能動的」です。
何に共感してもらうかという話しですが・・・それは私たちの存在しているホテルのコンセプトやその周辺地域と共生している魅力的な、かつ独自性のある「地域資源」です!
セトレはその地域独特の資源にフォーカスすることです。
その独自資源を発掘し、発信し、また出来たらそこで交流をはかり、共感の輪を広げていく・・・・
地域資源を換言すると、例えば…「自然」「地産食材」、「景色」「文化・風土」、「生活様式」「人(職人)」「歴史的建造物」などなど
(ちなみに各セトレの特徴になっている”景色!“も”景色を借りている=”借景!“ですが、これもその地域独特の資源と言えます)
そんな資源の発掘や発信する活動から「へえ~」の連鎖をつくりたいということです。
京都には神社仏閣はじめ様々な歴史的資源が溢れています。
滋賀にもびわ湖、またその古くから伝わる物語がありますし、山から湖にいたる水の流れを利用した「川端(かばた)」という昔に生活様式に沿った風景があります。
姫路には姫路城という世界遺産がありますが、その奥に少し行くだけで里地里山、棚田などが広がっています。
これ全て地域資源です。
よく旅行に行くと、ガイドブックに掲載されていることは押さえるけど、一方で「ガイドブックに載っていない地元の人しか知らない素敵な場所」に魅力を感じたりそそられたりしないでしょうか?
昔々、その地域では日常のモノ(コト)だったものが、現代においては非日常的に感じる情景だったりすることはありませんでしたでしょうか?
「地元の人しかいかない飲食店」と「観光マップに載っている飲食店」ではどちらに惹かれるでしょうか?
お土産は「空港や駅に売っているもの」でなく「そこでしか手に入らない希少性のある、かつ地元の人に支持されているもの」を買っていきたいと思いませんでしょうか?
「知的好奇心や冒険心を刺激させる何か」
「世界観や人生観を変えてくれる何か」
「生活習慣に変化を与えてくれる何か」
そんな「人間の内面から変化させる経験価値」を提供していくことがセトレでありたいと考えています!
今セトレのある地域、神戸舞子、びわ湖、姫路、そして長崎のそれぞれは決して大都市でもありません!決して観光地でもありません、(長崎は観光地ではありますが一方で居住地域でもあります!)
そんな地域には、繰り返しますが独自の「地域資源」に溢れていますし潜んでいます!
地元の人でも知らない風土や文化があったりします!
そんな「地域とヒトをつなぐ」そして「ヒトとヒトをつなぐ」こと・・・
それがまさに「コミュニティづくり」なのだと思います!
それがここで言う「ReVIVE」です
*****
さて、ではそのセトレ・・・ですがそもそも。。。。。
「コミュニティづくり」をしていくその「コミュニティホテルとは一体何か?」って話しです!
私たちはホテルというジャンルでいえば、シティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテルといったようなカテゴリーを自然に想像したりできます!
(ディズニーランド周辺のホテルはリゾート! APAはビジネス! 駅前にある大きなホテルはシティ!みたいな・・・)
ではセトレが目指す「コミュニティホテル」とはどんなものなのでしょうか?
ざっくり言えば、これらシティ、リゾート、ビジネスといったホテル群は「物理的に必要だから存在しているホテル」です!
旅行に来て泊まるところが必要だから・・・・
出張に来て帰りたい、けど帰れないので必要だから・・・・
駅の前(近く…場合によっては駅の上)で便利だから・・・
で存在しているホテルです!
他の目的があってそれを充たすために「必要だから」存在しているホテルです!
これって当たり前ですが価格は変動します。
シーズンによって、曜日によって、場合によっては時間によって・・・価格が変動します!
必要性の生じる時期がいちいち違うからです。
同じサイズ、同じ品質。同じサービスでも価格が変動するのはこの業界くらいではないでしょうか・・・・つまり「立地産業」なのです。
では私が考えるコミュニティホテルは・・・
「精神的に必要とされるホテル!」それを目指したいのです。
精神的に必要とされるわけですから、「機能性」は関係ありません!なので、価格変動はさほど起きないはずです。
季節・曜日変動の乖離もそれほど生じないはずです。
目的が「物理的要因」ではありません・・・・むしろ「自身の精神を充たすこと」が目的なので、そこで「立地」はさほど関係ありません!
むしろ上記にもあった
「知的好奇心や冒険心を刺激させる何か」
「世界観や人生観を変えてくれる何か」
「生活習慣に変化を与えてくれる何か」
ここに共感されて、これを充たすニーズに沿って稼働が影響される業態です
これが私の考えるコミュニティ型ホテルの理想的なあり方ではあります!
一方で、実は「コミュニティホテル」というのは最近出てきた言葉でも概念でも、ビジネスモデルでもありません!昔からあるのです。
これまでも「地域密着型ホテル」と言われて存在しています。
換言すると「その地域に関係する人々が対象になるホテル」ということです
乱暴に言えば「寝泊り出来る公民館的集会場」という感じでしょうか・・・
地域の人が利用する、地域の人のための、地域の人が対象になる、いわば
「FOR地元」のホテルです
しかしホロ社の目指すコミュニティホテルはこの「FOR地元」に留まるものではありません。
地域の創生、または活性化をしていく上で、その魅力を発掘し、発信していきます!
いわゆる「FROM地元」のホテルです
そして「地域の人々」と共に育みます
いわゆる「WITH地元」ホテルです!
「地元(地域)から発信し、地元(地域)と共に育む」ことで、その結果「FOR地元」(地元のために)になるのです。
ちなみに地元の人が地元のホテルに泊まる必要性はありません
泊まる必要のない人に泊まってもらうためには「物理的機能」(綺麗な設え、大きい/広い部屋、好立地などなど・・)をいくら高めても意味はありません
まさに共感される「何か!」、そこに行けばある魅力的な「何か!」
この「何か!」が「つながり=コミュニティ」であるということ
つまり「コミュニティのあるホテル」、それが文字通り本当の「コミュニティホテル」
それがホロ社の「コミュニティホテル」の定義です!
地元の魅力を引出し、発信して、交流などを通じて共感を促すホテル
そんな担い手としてのホテルがセトレでありたいと強く願望しています。
そんな中でセトレの足腰であるブライダル事業もこの概念と決して無関係ではありません。
むしろ関係大ありです。
ブライダルのお客様も基本「地元に関わりのある人」ばかりです。
その地域で育ってきた、ないしは結婚してその地域に住む!!そんな人たちが大半です!
そして、人は一生に一度の節目を迎えた場所はなかなか忘れないものです!
セトレで、またセトレのある地元(地域)で生涯想い出になるライフイベントを行ったことが誇りに思えるようになること、それがまたつながりをつなぎます!
その情感をつないでいくことも私たちセトレ、そして、コミュニティホテルの役割なのです!
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ホロニックの企業ビジョンにはこう書かれています!
「つながりを創り、絆を深め、共感の輪を広げるコミュニティ創造企業を目指します!」
HPやパンフレットにはこのように書かれています!
しかしおそらく多くのスタッフがきちんと覚えていないのだと思います!
形骸化されていると思います!
なぜなら、それは現場スタッフが日々の仕事や営業活動の中で、この言葉や概念と直接つながっているという実感が少ないからだと思います!抽象的過ぎるということでもあるかもしれません!
それを、これから半年かけてこれを皆さんと見詰めなおし、そのギャップを埋めていきたいと思っています!言葉自体見直してもよいと思っています!
年度の始めにはこうお伝えしました
「つながりつなぐコミュニティ創出企業を目指します」と・・・
これも覚えているスタッフは少ないと思います!
これも見詰め直し、見直していきたいと思っています!
今回のレポートで色々書き綴ってきたことは従前と違ったことを言っていることはほとんどありません!
そこを腑に落としていくことを幹部メンバー、そして全スタッフと一緒に進めていければと思っています!
そんな中でセトレに必要なサービスは何でしょうか?そしてなぜそれをするのか・・・
またセトレにとって必ずしも必要でないサービスは何でしょうか?なぜしなくていいのか・・・
サービスというか、活動、取組、コンテンツ・・・と言ってもよいと思います!
次回はそのあたりから皆さんの議論と共に探求していきたいと思います!