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マンスリーレポート

2013年05月

「贈る言葉と迎えうつ言葉」

新年度に入り、早1カ月、
フレッシュな気持ちで入社した社員、
気持ちをリセットして臨むベテラン社員、
新たな経営方針を打ち立て心身共に装いを新たにする経営者など
様々居るのだと思います。


今年に入ってふとした拍子に、
昨年亡くなったアップル創業者のスティーブジョブスの
数年前のスタンフォード大学卒業式で卒業生に向けて贈った伝説のスピーチを見て改めて感動しました!


これは、それこそこれから社会に出る若者に向けたメッセージではあるのですが、
私のような経営をしている者にとっても大切なことを示唆してくれているものでした!


それを少し解説・・というか受け取り直しをしてみたいと思います!

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=TYIVG_n0uDk



ジョブスはこの卒業式のスピーチで3つの話をしました


そのひとつめ


「点と点をつなげて未来を考えることは不可能、振り返ってはじめてつなげられる」


この話はジョブス氏が学生の頃、書道の文字体の美しさに共感共鳴し、
他の授業サボって自身の関心のあるもの(授業)に惹かれていったことから始まります。


その時はその時の感性そのまま反応し、のめり込んでいっただけ、
もちろんそれが将来社会に出てどんな役に立つのかもわからない・・・なのですが、
それから10年後、マッキントッシュをつくっているときに、
その時の興味、関心から起こした行動が活かされていたのです。
 

その時感じて、編み出された美しい文字体、
それがアップル社隆盛の礎です。


しかしながらその感性や直感を持った20歳くらいの頃に、
将来今のアップルのような隆盛、またマッキントッシュがPCハードの先駆けになると予感していたわけではない・・・
それは日々の積み重ねによってなされたこと


つまり、


今やっていること、今熱中していること、今関心もって取り組んでいること、
つまり「今の延長」で明確な将来なんてみえるわけないし、見えていたわけではないのです。


よく、「会社のビジョンは?」とか「あなたの将来やりたいことは?」という問いに、
その問いかけに明確に答えられなければダメだ
なんて面接官や上司は言いますが、
ジョブス的にいえば、「そんなもん知らん!」です!
 

しなくてはいけないことは、今のやっていることを信じること、
それが未来につながっていると信じて、
四の五の言わず、気合を入れて魂こめて今を懸命にやるだけだ!!
 


「未来を見て点をつなげることは無理」と言い切っています!


つまり


「点(今の興味・関心、)を信じて集中しろ!」


ということです。



卒業していく学生に向けて言い放った言葉は(関西弁風にいえば・・・)


「今あんたらはそれが(未来に)つながっていると信じるだけや!」



その努力を続けていると、必ずそれが報われるものだと、と言ってのけているわけです!

 


2つめの話


「愛することと失うこと」


20歳の頃に2人でガレージで創業した会社がその10年後に大企業にまで成長しました!


大きな組織になり、いわゆる管理体制など含め、個人事業主というわけにはいかなくなりました!


そしてとうとう、他の経営陣と喧嘩して、なんとジョブスは自分でつくったアップルという会社を首にされました!


自分で創業した会社を首にされるって不思議な話ですが、
会社も私業から公業、つまり多くの株主や利害関係者が増えてくると、
社会的使命がかかります!
つまり色々な外部の眼、監査が必要になります!


当時のジョブスは時代に対して斬新過ぎたのかもしれません!


会社を首にされて、なお自身でネクスト、ピクサーといった
新事業、新会社を立ち上げていったわけですが、
やがて請われてまたアップルのCEOとして復帰します!


ジョブスが言うには、首にされた頃、その後は大変つらい思いをしたそうですが、
今になってみると、それは自分にとって必要なプロセスだったのだと実感されています!


それまで積み上げてきたもの、それは、経済的蓄財もそうでしょうけど、
名誉、名声といった様々自身の力によってなしえたことが一瞬にして、
自分の本意でなく、いわば謀反によって失うわけですからこれほどショックなことはありません!


しかしそんな体感、体験から、自身の本当に好きなこと、やりたいこと、大切なことが見つかっていたそうです!
 

そう、そこで感じ取ったことは、

「失うことによって、大事なもの(好きなもの=愛するもの)だけが残る」

ということです!



普通、誰でも、うまくいっているときは、そんなことは真剣に考えたり意識したりしないものでしょう



自分でつくった会社に首にされた体験、この裏切り、これがあってこそかもしれません!

会社や組織を抜本的に改革するためには、
今までの経験やノウハウなど蓄積されたものをすべてリセットすることが必要とも言われています。


それでも「これまでのいいものは残し、悪いものは取り除き」という発想をしますが、
本来はいいものを含めてすべてリセットすることが必要なのかもしれません!


本当にいいものであればリセットしても、またそれは必ず浮上するものです!


つまり、全てを捨てるという「覚悟」が必要だということなのだと思います!


「全てを失ってみて、はじめて大事なものが見つかる」


あえて自主的に失うことを進められる人などいないと思います、
ジョブスにしてもいわゆる外圧によって失ったわけですから、
しかしそこからの気づきは多大なものであることも一方で間違いないことなのだと思います!


そしてジョブス曰く、だからこそ


「好きなもの見つけること」


どんなことがあっても大好きで大切なものを見つけること、



社会人にとっては仕事は人生の大部分を占めることになるから、だからこそ「いい仕事」を見つける。

もしそれが今なければ見つけ続けること!


そして


「信念だけは失うな、好きなものだけが自分の魂を突き動かす!

見つかるまで探す、立ち止まるな!」

 


3つめ


「死について」



17歳の頃に見つけたある言葉でそれ以来ずっと毎日鏡に向かってこう問いかけ続けたそうです



「今日が人生最後の日だったら、今日今からやることが本当にやりたいことか

もしそれがNOであれば、何かを変えなくてはいけない」



ジョブス氏は昨年亡くなる数年前,ガン宣告を受けて死の淵をさまよったそうです!



結局その時は腫瘍を取り除き完治されたのですが、その時真剣に死と向き合ったそうです!

そこで感じたことは

限られた時間の中で何をやるか、それはまさに「後悔のないことに励むこと」

私も、今自分の直面する問題や課題などたくさんあります!

しかし時間があることをいいことに棚上げしていることもたくさんあります!

まさに「今やろうとしていることが、やりたくない」こともたくさんあります!

しかし確かに今「余命1カ月!」と言われたら多分、いや絶対、今からの行動は変わるはずです!

そしてこの言葉


「もうすぐ死んでしまうと意識することが、死の恐怖から逃れられる唯一の方法!」


そこまでの死生観を持つにいたったジョブスの言葉にはものすごい力を感じます!

そしてたどり着いた世界観が

「死は誰もだどりつく、でもそれは必要なこと

死は変化を生んでくれる

古いものを取り除き、新しいものを生み出してくれる、そういった意味で死は生命の大発明」



そして卒業していく学生に向けて言った言葉(関西弁風に・・


「新しいものっていうのはあんたら、若者のことや!

しかし次期、あんたらも取り除かれる、そういうもんや

だから、今を生きること、時間は限られている!

己の魂や直観を信じることや!

既に一番大切なことは自分の魂が知っている、それ以外は二の次や!!」



凄すぎます!!

今、名物予備校講師の林修先生の


「いつやるの!今でしょ」


まさにこの精神です!!

 


これら3つの話から、これは決してこれから社会に出る学生に向けた
「贈る言葉」に留まる話ではありません!


これからの時代を迎えうつありとあらゆる社会人に向けて必要な生き方のコンセプトなのだと思います!


今やりたいこと、やろうとしていることを信じて、それに向かって弛まなく努力を続ける


続けることに、自分に与えられた猶予に限りがあることを自覚して、四の五の言わず突き進む!

まさにそんな感じでしょうか!!

 

最後に学生に贈った言葉!!そしてジョブスが自身に言い聞かせて生きてきた言葉



STAY HUNGRY STAY FOOLISH

「ハングリーであれ、アホであれ」



ホロニックも「ハングリーであれ、アホであれ」で突き進みたいと思います!