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地球人

明けましておめでとうございます

コロナ禍が社会に影響を及ぼし始めてもうすぐ2年になる2022年初、この間、経済情勢が極めて厳しい、とりわけ、対面接客の伴う消費者向け事業者には景気の変動以上のパニックに苛まれてきました。

一方、コロナをきっかけに変化したライフスタイルが常態化しいわゆる社会構造の変革が巻き起こってきました。

今年は刻一刻とコントロール不能な変化する時勢の中で、どう自社、ないしは自分自身のスタンスを変え、整えていくかが求められていくのだと思います。

まさに「過去と他(人)≒環境は変えられない、変えられるのは、未来と自分だけ」

この意識を肝に銘じていきたいと思います。

さて、1月1日の日経新聞一面の見出しは「資本主義 創り直す」でした。

昨年、岸田新政権で発せられた「新しい資本主義」は「資本の再配分」といった非常に総花的な?発信がありましたが、個人的にはまさに「これまで」と「これから」が大きく転換していく必要性、ないしはその潮目を感じています。

近過去の歴史を振り返ると20世紀前後の100余年(昭和・大正・明治時代)から資本主義が確立され産業革命以降経済成長を続けてきたのが日本を含めたいわゆる先進諸国です。

そういった意味で20世紀は「経済成長の時代」でした。

経済成長による代償・・・環境破壊や格差社会といったいわば負の側面を抑制する概念で今から40年くらい前に国連で提唱されたのが「サスティナブルデベロップメント」

それが、昨今声高になり、子供の学校教科書にもなってきた「SDGs」

まさに、今「経済成長」といった「量的拡大」から、「持続的開発」・・・つまり「質的転換」が求められているのではないかと感じます。

コロナが巻き起こったから出没した概念ではなく、コロナによって、より明らかになった地球や社会の現状を今一度見直していく・・・それが「資本主義を創り直す」スタートになるのではないでしょうか?

そのような中で、ホロニックでは、今年から、近江を本拠に中世・近代から伝来継承されてきた近江商人の商売原則「3方よし」の教え以上に「6方よし」を捉えていきたいと思っています。

「買い手よし、売り手よし、世間よし」

3者がよくなければいけない・・・これは当然です・・・そして大前提です

企業で言えば、顧客中心(第一!=買い手)でモノゴトを考えなくてはいけない、そしてその顧客満足を支えるのが従業員満足(売り手)

ホロ社でも「ES(従業員満足)からCS(顧客満足)へ」と唱えています。

そしてこの関係性が社会にとってよくなければいけない(世間よし)

経済成長を通じた地域経済に貢献する上ではこれで事足りたかもしれません(それを実際に出来るだけでもとてつもないことで、ホロ社においてもまだまだ道半ば、志半ばです)

しかし、これからは、もっと広範囲なステイクホルダー(利害関係者)を加味した発想、思想が必要になってくる様相を感じます。

「作り手」(生産者、担い手、地域従事者・・・それを地域資源と捉えています)

そして、「地球(という資源)」、「未来(次世代を担う人材)」

ここに着目した観点が必要だと思っています。

ホロニックの本業において、「作り手」への着目はこれまでも「つながりつなぐ」「地域資源を企画する」ないしは「コミュニティ創出」という文脈で捉えていきました。

しかし、「地球」「未来」までは捉えてきませんでした。

コロナをきっかけにして人と生物(自然)との関係性・・・共生という概念が侵されたことが露呈され、それが環境破壊の一因でもある、またそれが気候変動問題など、地球レベルでの課題を全世界がより強く認識するようになったのではないでしょうか?

世界は広い・・・だけど地球はひとつしかない・・・

人類は限りある地球の資源を食いつぶしながら生きている・・・しかもその多くが先進国の人たちによって・・・そこに格差も生じているわけです。

エコロジカルフットプリントという概念があります・・・和訳して「地球の足形」・・・自然の成長量をどれだけ使っているのか・・・の指標らしいですが・・・これが1987年に「1」を越え、今では「1.8」くらいだそうです

これは何を意味するのかというと、自然の成長量の1.8倍の勢いで自然を侵している、、、すなわち、今無限にあると思っていた地球の大自然の資源を壊しながら生きているということです。(生活感でいえば、、これまで蓄えている貯蓄を食いつぶして生活している状態ということです)

今、世界の78億人の人口全員が日本人の平均的な暮らしをする地球3個必要になるそうです。

なので、人間社会が抱えている課題は地球の課題であるわけです。

そういった意味で私たちは、当然地域市民であり、国民であるけど、その前段に「地球人」であるという意識が必要になってくるのではないかと思うようになりました。

当然、そうなると国籍、言葉、習慣の異なる多様性を認めていくことが必要になってきます。

身近にいる縁近い人の違いですら許容できないことも多い日常の中ですからこの意識を持つことは、実際のところ、とてつもなく難しい、そして口で言うほど、頭で考えるほど単純ではないことくらいはわかります。

しかし、それこそ地球規模の社会課題だということです。

SDGsは17の項目の実現を2030年までに達成させること目標にしていますが、その最後の17番目は「パートナーシップで目標を達成しよう」で締めくくられています

ポイントはまさにこの言葉通りなのですが

「世界中のあらゆる人たちが協力するパートナーシップを充実させる」

 

さらに、その細目(19項目)のほとんどが、再分配の話・・・つまり富や技術の偏重を解消していくことが記されています、すなわちそれは先進国が途上国に起こすべき行動です。

そのためにあらゆる人々が協力していく・・・ということ

あらゆる人は、それこそあらゆる人なので、多様性に溢れています。

だからこそ、「地球人」としての意識が必要になるのだと思います!
翻って、私たちの身近なところで考えてみても、企業においても今「ダイバーシティ&インクルージョン」(多様性と受容)の必要性が唱えられるようになりました。

人種・性別・年齢といった外見は勿論、宗教、価値観、性格,嗜好などの内面など様々な違いを持つ人材を活用しながら新しい価値を提供し成長する、またその多様性を受容して認め合いながら一体化していく組織のありかた、社内体制、風土を築く

この視座がより重要になってくると思います

この発想・・・ホロニックという言葉の意味「自立した人が有機的につながっていい組織になる」と近い概念です。

童謡詩人の金子みすゞの「みんな違ってみんないい」と同じ

それを地球レベルで捉えていく視座で「地球人」としての意識を高めていきたい。

ホロニックとしてもそのための行動を少しずつ開始していきたいと思います。

どうぞ今年もよろしくお願いします。