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「GDW」

コロナ禍の拡大と収縮が繰り返される1年が終わろうとしています。

振り返ってみると、ほぼ多くの月日が緊急事態宣言、まん延防止重点処置の期間に覆われた1年でした。

また変異株の出現などの現象を目の当たりにすると、感染症の終息というのは幻想で、この先未来においても、そのリスクと背中合わせの事象が継続されるのかとも思われます。

リスク・・・それはあくまでも人間社会にとってのリスクです。

すなわち、生態系、自然界においての主語ではありません。

コウモリに触れたところからこの感染が発症したと言われているわけですが、そもそもコウモリと人が接触することなど日常的にないわけです。

つまり、このコロナの現象が本来棲み分けていた人間社会と自然界の関係が侵されてきていることに起因しているわけです(侵しているのは言わずもがな人間界から自然界です)

まさに、これは地球の環境問題、ひいては消費増大を拡張する資本主義社会の構造が問題なのではないか・・・という議論が出て、それがSDGsとか脱炭素、地球破壊といったトピックがコロナ禍以降全世界で加速度的に広まってきているのだと思います。

つまり、そもそも起こっていた社会課題、地球課題がコロナによって意識感化が加速されたと言っていいでしょう。

今年売れた本のひとつに「人新世の資本論」という著書がありますが、そこに書かれているのは「脱成長コミュニズム」・・・さくっと言えば、成長至上主義を見直して持つ者が独り占めするような競争でなく社会共有資本が主体になる社会へ・・・といういわゆる日本語訳すると「共産主義」となる論です。

コロナによって、1800年代の産業革命時に誕生した資本主義という概念、今から30年前に実質崩壊した旧ソ連が主導した共産主義を凌いできたイデオロギーが揺らいでいる。

そういった意味でコロナは単なる「流行した疫病だった・・・」のではなかったとこれからの歴史は伝えていくことになると思います。

この「資本主義が揺らぐ・・・」それは国家でいえばその主流な指標は「GDP」(国内総生産)・・・私たちのような企業活動に置き換えていえば、株主(利益)至上主義(P/L B/Sの概念)です

「P」は「PROFIT」・・・訳して「利益」ですが・・・この利益はいわずもがな、会社(株主)にとっての利益です・・・お客様や社員にとっての利益というわけではありません

ましてや人件費は「L」(LOSS)・・・訳して「損失」・・・それは費用勘定に入る・・・Pから差し引かれるわけです。

お客様の利益・・・つまり満足度みたいなものはこのP/Lという指標には反映されません。

「会社の目的は顧客の創造」といったのは経営学の神様・ピータードラッカーです

顧客第一主義、ないしは顧客中心主義・・・を掲げる企業は大多数を占めますが、だったら顧客にとっての「P」は何か、をもっと考える必要が出てきている。

もっと言えば、社会、地球、未来にとっての「P」は何か・・・ここが問われている・・・

そのような風潮が出てきているからこそコミュニズムという概念が出てきた・・・というか復元されてきた・・・と言えるのかもしれません。

人と人との接触回避の必要性から、リモートワークが常態化してきました、ワーケーションなる言葉まで広がってきました。

通勤地獄に苛まれる必要も減り、するとそもそもオフィスという物体の意味も見つめ直されてきていて、それはおそらく不可逆的・・・つまり、コロナの類が終息されたとしても元のようには戻らないような気がします

すると、働き方も大きく変わるし、ひいては人の生き方も変わってくると思います。

求められるのは「人の“甲斐”」です。

これはまさしくホロ社のビジョンに掲げる「いきがい、やりがい、働きがい」に関係してきます。

これ私は「Well Being」・・・という概念と同じだと思っています。

最近ポストSDGsともいわれているこの言葉はかなり広い意味で捉えられますが

肉体的健康は勿論のこと、精神的な幸福感

これはP/Lに記されることがありません。

ありませんが、今後P/Lと同等、ないしはそれ以上に必要不可欠な物差しになるのではないかと思います。

国家でいう「GDP」(国内総生産)は「GROSS DOMESTIC PRODUCT」で、国の生産性や生産した力、消費した力・・・つまり経済力を示す指標でそれこそ国力の象徴でもありました。

当然、生産と消費を繰り返すわけですから、そこには大量の二酸化炭素が排出されるし、そのために自然は破壊されます・・・そうしなければGDPが上がらない・・・つまり国力が誇示できないわけです・・・それが産業革命以来の資本主義の有姿でもあります。

しかし、地球という資源は有限であることは誰にでもわかり自明なことでもあるので、それが見直される、見直されなければいけない時世になってきたのだと思います。

この「GDP」という絶対的で唯一だった指標が揺らいでいます。

数年前、ブータンという国が「GNH」という指標を大事にすることを唱えました。

訳して「国民総幸福量」(GROSS NATIONAL HAPPINESS)

これどう推し量るのかと思いきや、なんと(小さな国ということもあると思いますが)・・・国民ひとりひとりに「あなた幸せですか?」と役人が聞きにまわるそうです。

そんな気が遠くなるような、非現実的な話が現実に報告されています。

だからこそ、世界中でこれから「GDW」

この指標が出てくるのではないかと思っています。

「GROSS DOMESTIC WELLBEING」

勿論、企業にとってもこの概念がP/L同等、ないしはそれ以上に存在価値を持つ指標になってくるかもしれません!

財務諸表(B/S)で記される剰余金、有形資産といった経済活動によって蓄積された経済価値

と加えて、社会的価値、地球未来における存続価値が「無形資産」「知的資産」として指標化さ

れるであろうかと思います

「稼ぐ力」と「社会課題解決」の両立

ホロニックがビジョンに掲げていた「いきがい、やりがい、はたらきがい」

これは実現するための具体的指標を掲げていく時期、時代がやってきたと思います!

そういった意味では歴史の転換点であり、ホロニックにとっても大きな転換期になる1年だった

と後で振り返ると実感できる・・・そういう2021年だったと1年を総括したいと思います。