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マンスリーレポート

2011年06月

「シェア」

 

最近表題の言葉がブームのようです
まさにこのタイトルの書籍がベストセラーでもあります
マーケティング用語?で人が購買に到るまでの心理プロセスで「AIDMA」と言う言葉があります
ATTENTION(注意)
INTEREST(興味)
DESIRE(欲求)
MEMORY(記憶)
ACTION(行動)
注意(気付いて)、興味を持って、欲しくなって、記憶に残り、購買行動に出る
何かモノを買うときに雑誌やテレビなどのメディアを通じてそれを知ったり、買い物に出かけてそれを見つけたりする、そんな時の購買心理です
しかし最近では「AISAS」になっているようです
それは・・・
ATTENTION⇒INTEREST
ここから違います
SERCH(検索)
ACTION(行動)
そして
SHARE(共有)
気付いて興味持って、その瞬間に調べて、買っちゃう、その後にそれを情報共有する
つまり購買が最終でなく、その後にあれこれと(モノがよかったかどうか、正しい買い物かどうだったか・・などなど)を共有する
そしてそんな口コミが次なる気付きや購買につながっていく
そんなサイクルです
若い人などは今やそんな購買心理が主流のようです
この「シェア」
共有する概念は情報だけに留まらなくなるのがこれからの時代のようです
「所有すること」がこれまでの経済成長を遂げた国、日本などは正しいことと信じて疑いませんでした。
土地もそうですが、会社においてもある意味「社員を所有」することで、すなわち一体になって会社を支えることで成長する
会社は終身雇用を約束し、社員はその安心感からロイヤリティを発揮する
そんな関係性がしっかりつながっていた時代がありました
好景気ゆえにかなった体制でもあります
モノが不足していた時代では、そのモノの機能そのものに価値がありましたのでモノを所有することが善でもありました
しかし今のようにモノが充足してきた中では必ずしもモノを所有することが妥当ではなくなりました。
家を買っても昔は買った後に値下がるようなことはなかったですが今はそうではありません
所有することの意義を問われてくるのは経済が成熟してきた国の共通した状況ともいえるでしょう
加えてこれから地球温暖化や原子力の問題など、人間の生活が豊かになればなるだけ地球資源が失われていきます。
そんな潮流の中で、エコという概念が広がっています
しかしいささか矛盾があります!
それは車の二酸化炭素排出を抑えるエコカーや電気自動車の開発は盛んに行われていますが、車を乗る、もしくは車の数を減らすという発想はそもそもありません
当然車のメーカーからするとそんな啓蒙をすると企業の成長を阻害しますので声を大にして言うわけもありません、しかしエコとは言っています
明らかに矛盾です
原発の問題も解決の糸口が見えてきませんが、電力会社においても人々が電力を使わないような行動が出てくると企業の存続が出来なくなります
一方で省エネをうたったりしています
(JTがたばこ売って成り立っている会社なのに「吸いすぎに気をつけましょう」と言っているのと似ている話です)
関東地方では一時計画停電など行って現状の70%に抑える策が施されていました。
町が暗いと誰しも思ったはずです
が、しかしその程度は何と1989年の電力の程度と一緒だそうです
1989年といえばバブル真っ盛りです
当時の人たちは「町が暗い」と思ったでしょうか?
人は生活を豊かにするための欲望は際限がないのだと思います。
これから地球の資源を失わないようになるような開発は世界中でされていくと思いますが、一番大事なのは「清貧の思想」、「節約する」、または「シェアする」という個々人の意識ということなのかもしれません
日本ではこれから人口が減っていきます
ということは住居も今ほど必要でなくなります
ということは、空き家が増えます
なのに住宅メーカーは家を売り続けます
これも矛盾が生じてきます
そこで既存のモノを有効に活かす、活用するという発想からビジネスを展望していくことが大事になってくるのだと思います。
「つくる」ことから既存のものを「シェアする」
そんな時代です
モノづくりが礼賛されなくなると経済成長が停滞します
消費も停滞するのですから当然国力が落ちるということになるかもしれません。
日本は世界第三位(昨年に中国に抜かれました)の経済大国ですからその地位を維持しようとする、つまり今の生活のムード?を維持させようとすると「生産や消費」は増やし続けなければいけません
しかしそれにはムリが生じてくると私は思います
人口は減り、高齢化する流れは止められません、
明日から子供をたくさん生むための政策(たとえば、平均出生人数を2人にするぞ!的な・・)を打ち出してそのための社会づくりを導入したところで30~50年はかかるといわれています
そんな時代の中ではやはり大事なのは相互扶助の必要が強くなる社会がやってくるのだと思います
情報化社会も同時に進化してくのでしょうから一方で人とのつながりを持てる機会や場面は増え続けます
だからこそ本当のつながり、何かを共有していく概念は広がっていく
事業でも、全てを自分たちで網羅する垂直統合よりも自分の得意な分野に特化してそれ以外は緩やかにでも水平分業でやっていくパターンが主流になるのだと思います
「共同体」という“共に同じ体制”というガチガチ感でなく「共異体」
それぞれ異なるものが共にする体制
それこそ価値感が多様しているし、北朝鮮のように国家挙げて情報が閉鎖や封鎖、限定してやっていけるような時代ではありません、
なので価値感が多様化していくのは日本に限らず世界の必然に流れです
ですから「取り込む」というより「シェアする」発想
これが益々大事になってくると思います
ホロ社の取り扱っているテーマである「コミュニティ」
まさしく「シェア」の概念に相通ずるものがあることは言うまでもありません