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マンスリーレポート

2014年06月

「選択と集中」

これまで何度かこの表題のタイトルの類を使ってレポートを書いた記憶がありますが、今年度は自分そしてホロ社に対して課す課題はこれだと考えています。

何かに「集中する」ためには何かを「選択」(捨てる)ことが必要かと思います。

誰しもが聖徳太子ではありませんので、あれもこれもそれもというわけにはいきません。

ましてや私ごときの凡人であればなおさらです。

ホロ社は今期から、「自社ブランド」の構築に力を入れています、その急先鋒が既に3店舗になった「セトレ」、そのセトレの柱になる業態が「ブライダル」、従って、そのブランド構築に不可欠であるブライダル事業を事業の土台にするべくメスを入れることに自社の経営資源を集中させることにしました。

最優先はブライダル事業ですが、その目的は「自社ブランド化」ですからそこのプロセスを見誤ってはなりません。

私たちはブライダル専業会社にはなりません。

「コミュニティ型ホテル」というジャンルを切り拓くことに強い決意を持って進みます。

その「ジャンル」いわゆる「業界」を独自のものとして築き上げていくことは、すなわち「同じ土俵で戦わない」つまり「土俵そのものをつくる」ということです。

しかし土俵も力士が集まってきてなんぼです!力士の集まらない土俵は単なる土の塊に過ぎません

すなわち、プレイヤーが集まる魅力的な「市場」(しじょう)をつくらなくてはいけません。

市場(いちば)も一緒で、築地市場は全国の生鮮魚が集まり市場として有名ですが、そこにはたくさんの売り手と買い手が集結してきます。

なぜでしょうか?

そこに行けば、多い量の、そして高い質の生鮮が集まるからです!つまり魅力的な市場だからです。

私たちは「ホテル業界」「飲食業界」そして「ブライダル業界」といった業界に関係してそのジャンルに参入しています。

ホテル業界にも「都市型ホテル」「宿泊特化」「リゾート」「レジャー」といった分野に細分化されます。

外食であれば「居酒屋」「割烹」、また「フレンチ」「中華」「イタリアン」、さらには「ファーストフード」「ファミレス」といったように多様な細かな業態にわかれます。

ブライダルにしても「式場」だけでなく「ハウスW」といった業態がこの10年で出来上がりました

そして私たちもそのどこかのジャンルに引っ張られるようにそこに属していく・・・それが新規参入会社の一般的なパターンです。

目に見えるところに人の目はいくものです。

そんな中で私たちはこれらの業界から分離派生し、新たな市場をつくりたいと思っています。

「コミュニティ型ホテル」

それが当面の目標です。

ではそのような業態もしくは業界を築くためにしなくてはいけないことは何でしょうか?・・・・

それは「ブランド化」です。

ブランドは、その名前が重要なのではないし、その同名がいくつか多店舗化されることで築かれるのでは決してありません。

例えば果たして「ダイエー」はブランドと言えるでしょうか?

多店舗化されていますが、(かつてはわかりませんが)今ダイエーと言われて想起される、他社との差別性、優位性が想い起こされますでしょうか?

その店、その会社、そのブランドの「らしさ」がすぐに想起されること

「〇〇と言えば△△」(スターバックスと言えばどこよりも美味しいコーヒーをお洒落に飲めるカフェ・・・みたいな)

またはその逆

「△△と言えば〇〇」(宅配ピザを取るならピザーラ・・・みたいな)

そんな状態になることがブランドだと思います。

そしてなにより「利益が出ている」ことです。

利益が出なければそもそも展開が出来ません、展開が出来なければそれだけお客さんとの接点が増えませんし、ある意味、名前も売れません。

なので、展開するためには余力が必要、その余力はいわずもがな利益からしか生み出されません。

そういった意味で私たちは「コミュニティ型ホテルという分野を築くためにブランドホテルを構築したい」のです。

そのために今私たちが有効に活用できる経営資源が「セトレ」です。

そしてその「セトレ」の収益の根源、つまり、それを維持したり展開をしていく上で必要な原資になる肝が「ブライダル事業」。

だったら、ここを私たちはまずやっつけなくてはならない。・・・ということです。

では、そのブライダル事業にフォーカスしてみましょう。

ここに焦点を絞ると、つまり・・この業界をぐるっと見回すと、はっきり言ってツワモノ揃いです!

なにより、私たちも創業当初そうでしたが、既存にブライダルの業界に新風を吹き込んで参入したプレイヤーがこの10年~20年、それだけに集中して成長してきたいわゆるベンチャースピリッツあふれる企業群がひしめいているわけです。

そんな中でどう戦い、そしてかつ独自性を高め、さらには新たな、今まだ見えない業界を築いていくのか・・・そんなことを考えるととても気が遠くなります。

気が遠くなりますが、私は同時、これほどエキサイティングことはないと思っています。

誰かがやってきたこと、誰かがつくってきたものを踏襲することに、どうしても関心が薄くなるのは私自身の本能かもしれません。

勿論、誰かが新しいものをつくってきた、そのプロセスやその結果に対しては大変共も共鳴も、また敬意も感じます。

私自身は、そのような尊敬すべき先達の生き方を自分自身も実践していくことで、これからの時代、これからの世の中に貢献していきたいと強く思うわけです。

長い歴史を見た場合、それは決して新しいことでななく「何かの焼き直し」なのかもしれませんが、それは後の時代の人が評価することです。

少なくても今の時代を生きる私たちは「切り拓く」スピリッツが必要なのだと思います。

先日、今話題にもなっている「クレイジーウエディング」を創業した方の本を読みました

そこで印象的なフレーズがこれです。

「30年変化していないこの業界に対して風穴を・・・・」

私(たち)は20年前、この方と同じことを言っていました。

そしてゼクシィが出来、ハウスWという業態が出来ました。海外Wという概念が普通になりました!

そういった意味では随分変化にとんだ時代だった思いますが、この30歳を少し過ぎた若い女性経営者にとって「変わってない業界」に映っているのです。

私は、これから・・・とりわけブライダルという業界には、これまでの20年間になかったような地殻変動が起きてくると思いました。

それを考えると、今まで自分達がそれなりに積み上げてきたものは全否定というカタチで崩れていくことになります。

誰に全否定されるのでしょうか?

「時代!ないしは市場(顧客)」です。

まさに時代とのギャップを感じながら、どう生き残り、勝ち残る時代になるかとう過渡期が今、これからだと思います。

震えるくらい怖いことかもしれませんが、一方でとてもエキサイティングです。

そんな地殻変動が起きることでまた、新たな価値観が生まれてきます。

ホロ社はそこで新たな価値観をつくっていきたいと思っています。

そのためには、そこに集中して見定めていくためには「捨てるもの」もたくさんあるのだと思います!

4月から運営組織を変えました、しかしそんなことは序の口です。

少しベンチャーの原点に戻ってみようとしたことに過ぎません。

5月にビジネス系ホテルを経営する子会社を切り離しました。

それまで培ってきた事業や仲間と別れるのは感慨深いものがありますが、それも集中していく事業をしていく上では必然という判断から決断しました。

そしてまだこれからも、集中していくための「選択」は続きます。

今年度、ホロ社は中腰、いやそれ以上にしゃがみ込みます。

志をより高くするために、頭や腰を下げます、そして力を蓄えます。

かつて、経済学者のシュンペーターが唱えました「イノベーション」

日本語訳すると、それは「創造的破壊」

まさに「集中するために選択する」ことなのだと肝に銘じブレずに進みたいと思います。