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マンスリーレポート

2010年01月

「100年に一度」

 

2010年を迎えました!
100年に一度と言われた昨年、一昨年の経済危機から今年はどのような景気になっていくのかは、私たちビジネスに関わる人たちにとっては大きな関心事です。
100年一度というと今から丁度100年前を調べてみましたら、かつての千円札の人物「伊藤博文」が暗殺された年のようです
伊藤博文といえばわが国初代内閣総理大臣、(ちなみに今の鳩山総理は93代)
それだけ昔、歴史上の人物が居た頃からを通じて今がそれ以来の危機と言われ実感として持つ人はそう居ないでしょう。
それならばおそらく数10年後、今の時代が歴史の教科書になるような、そうつまり私たちの時代が歴史書に刻まれる、“私達は歴史を駆け抜けた世代・・・”などとそんなとてつもない時代なのかと思うと本当に実感は沸きません。
が、今がそれだけ激しい時代だということを象徴する意味で「100年に一度」といわれているのでしょう
ホロ社も12年目に入りましたが、確かに今までも色々ありましたが、外部環境の変化による影響を受けている実感はこれまでにないくらい大きいものがあることを感じます。
一方で、これまでがあまり世の中の動きに影響をもらう、もしくは与えるだけの会社組織ではなかったから、つまり零細企業だったからこそあまり実感がなかったのかもしれません、
ということを考えると多少は世間に、また社会に対して“つながっている感”を持つようになったかもしれません。
いずれにしても毎年「成長と変化」について考えますが今年もまたそこは嫌が追うにも就いてまわることになりそうです。
その中で昨年終盤くらいから益々私自身にとってより明確にホロ社としても使命、ミッションみたいなもの、もっと言えば「やりたいこと、やるべきこと」「どこに向かうのか」従って「今の居る位置(ポジション)」などが見えてきているような気がしています。
「ホテル(業)を通じて、地域の人々の生活環境に充実、向上を目指し、“良質な社会創り」に貢献します」
このような企業理念をより明確に掲げたいと思います。
私たちはホテル業を行っております。
ホテル業にも様々な業態があります
その中で「地域生活者、企業市民などにターゲットを絞ったホテル」
つまりその地域、そしてその地域に関わる人々に対して必要で大切にされるホテル
昨年から「ReEVER HOTELS」と命名し、「繰り返し、ずっと来てもらえるホテルを目指す」という趣旨のホテルを創ることで統一称号を掲げました
ご存知のように、そこに込められた意味とか定義、基準というものは現時点ではきちんと明確になってはおりません。
ですがしかし、様々な取り組みの中で「コミュニティ」という意味や意義を少しずつ学習していっていると思います。
“同じ地域”、
“同じ(ような)趣味、嗜好”、
“同じ(ような)価値観”
“同じ(ような)テーマ”
そんなものを持つ人同士が繋がっていくことをサポートするような環境(場や時間)を創ること
それを「ホテル(業)」を通じて行っていくことがホロ社なのではないかと強く意識するようになってきました。
「ホテル業界の中のホロニック」であると存在感は薄まります。
が、「コミュニティなホテル業としてのホロニック」で打ち出していくことで絞られた土俵の中で、独自の存在感や存在価値を打ち出すことが出来ます。
そして「やるべきこと」「向かう方向」もより明確になってくるのではないかと思っています。
「お客様にとって最高のサービスを!」
このようなキャッチフレーズを出すホテル会社は後を絶ちません
特にラグジュアリーなホテルであれば尚更、またホテル業を営む事業者はそれを目指していくケースが多いです、
では果たして「最高のサービスとは?」の定義や基準をしっかり持っている会社はどれだけあるでしょうか?
そもそも最高と言われるレベルは誰にとってなのか?、そもそも誰がそのレベルを決めるのか
よくわからないことが多いことを実感します。
誰も帝国ホテルと東横インのサービスを並列で考えません
しかし、おそらくこの両社の利用者にアンケートを取ったら、多くの人が「サービス評価欄」には「良」と書くでしょう、もしかしたら帝国ホテルの方が「良」の率は低いかもしれません。(期待知や支払う価格も大きいからこそ・・・)
果たしてこの「良」という評価を同じ「良」で捉えるものでしょうか?
「最高のサービスを目指します」のスローガンに主語がないのです
「誰に対して」という主語が・・・です。
その「誰に対して」が明確になっていない、もしくは全社員で共有されていないことが多いのが現実ではないでしょうか。
ややもすると「ありとあらゆる人」「来る人全員」とかといった回答をしてしまう経営者や幹部も居ます。
昔、大衆歌謡の三波春夫さんが「お客様は神様です!」といったのが今でもあらゆるところで名言として残っています。
特に私たちサービス業に従事する者の間ではこの言葉を引用されてポリシーなどに使われていたりしますので皆さんもよくご存知かと思います。
しかしこれにも「聴衆」という主語があるのです
「舞台に来てくださるお客様」に限定されているのです
これは氏が亡くなってもう10年近く経ちますが、今もってあるオフィシャルホームページでも明確に解説されています。
“(闇雲に・・)お客様は誰でも神様なのではない”のです
私たちにはコンセプト(誰が来る? なぜ来る? どこから来る?)を明確にする必要があるのです。
今年私たちは
「お客様と最も近いホテルを目指します」
これをスローガンにしたいと思います
もちろん主語は「その地域の人々」そして「私たちのホテルに来て支持してくださったお客様」
もっと横柄?にいうならば「私たちが発信する価値観に共感してもらえるお客様」
これを徹底した上で、具体的に何をしていくか、何をすべきかという行動や思考は様々あってもよいと思っています
幸いなことに私たちの事業領域であるコミュニティホテルの定義
「都市近郊居住地域」=お客様とホテル(施設)との距離が近い
「複合型多機能施設」=お客様の利用頻度、利用密度が濃い(近い)
「中小型施設」 =お客様とスタッフの距離が近い
なのです。
一度とならずお食事に来てくださったお客様
一度とならず宿泊くださったお客様
一生に一度の場、結婚式を行っていただいた新郎新婦、その家族の方々、それに集まってくださった来賓のお客様
一度とならず宴会やパーティなどの集いで利用くださったお客様
そんなお客様と“より近くなる”“お近づきになる”ことでホテルとの繋がり、またホテルという場を介して人と人との繋がりを結ぶ、そんな繋がりを大事にしたホテルを目指していく
この100年に一度と言われる危機ですが、それは外部環境の話しです。
それに影響されない強靭な自分達のアイデンティティ(存在意義)をつくり、
“100年に一度と言われる業態”
そして
“100年以上続く企業”
を目指していくという強い意志を持って今年頑張っていきたいと思っております
どうぞ皆さん今年も一年宜しく御願いいたします!
 
長田 一郎