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マンスリーレポート

2015年04月

「セトレ10年の節目」

ホロ社の18期目がスタートしました。

今月で舞子セトレを開業して丁度10年になります。

ホテル業をスタートして10年というこの期間はホロ社にとってまさしく第二創業期だったと振り返ることが出来ます。

それまでの6年間は、個人会社として様々な試行錯誤を続けていましたが、その後から今日までの10年間は、企業としてステージを変え、チャレンジを繰り返してきました。

ホテル事業に参入し、勇気を持ってリスクを取る覚悟をして多額の負債と引き換えにホテルという資産も所有しました。

リスクを取る・・・つまり覚悟をしてビジネスに臨むことで様々な方々との出逢いとお付き合いが増え多くのものを手に入れることもできました、その反面失ったものもたくさんありました。

しかしそんなことを繰り返すことで会社や自分自身の成長のモチベーションを高めていくことにもなりました。

そういった意味でこの10年という期間は、大きく括ると大変重要な時期だったと思います。

さて果たしてこれからの10年を展望するとどのような未来がホロ社にあるのでしょうか?

ホロ社を創業した頃から変わらないことがあります。

それは

「世の中に新しい市場、産業、ないしは価値を創りだしていきたい!という意志」です

自分(たち)でなくては出来ない普遍的なコト・・・時代を経ても、国を超えてもよしとされるモノ・コトをつくること

この願望、意志だけは一ミリもぶれたことはありません。

今思えば創業してセトレを始めるまでの6年間は、無作為に、また五月雨式に、「新しい市場や価値って何?」を自分なりの解釈を持って、それを求めて走りまくっていました。

社会的課題、問題で、人のライフスタイルに沿っているであろうビジネスには何でも関心を持っていました。

セトレを始めてから「ホテル」という業態に参入し今に至っています。

その間、ホテルという業態にフォーカスしホテルの再生事業、ないしは運営受託、M&A、コンサルティング・・・などなど多くの取組にチャレンジをしてきました。

そんな中で今まだなお残って続け、追求し続けている業態が「コミュイティホテル」(そのシンボル店がセトレ)ということです。

これはまさに今日段階では未知、そしてこれからの社会や時代の価値になっていくものと確信するようになりました。

10年がかりの確信です。

実はコミュニティホテルという言葉は「地域密着ホテル」というニュアンスにおいて既に存在はしています・・・なので決して目新しい業態ではありません。

しかしその意義性は希薄で、それがゆえに社会的認知も高くありません。

シティホテル、ビジネスホテル、ないしはリゾートホテルとどこがどう違うの?と聞かれて誰からもまともな回答が返ってくることはまずありません。

かといって、コミュニティという言葉や概念も、ホテルという言葉、またその機能も決して珍しいものではありません。

コミュニティという言葉はここ数年、とりわけ東日本大震災以降、様々な方面から聞かれるようになりました。

人と地域のつながり、関係、絆・・・といったニュアンスが使われる意味としては多いですが、地域を超えて、価値観や目的、共感などといったことでのつながり、関係性といったことで使われることも増えてきました。

血縁(タテのつながり)・地縁(ヨコのつながり)、そして私の造語ですが「目的縁」(ナナメのつながり)といったモノも加えた、要は・・・

「“縁”や“つながり”“関係性また”共感の輪“をつなぐ活動!」

これがコミュニティ活動だと私なりに定義しています。

コミュニティホテルとはまさに、コミュニティ活動を行う場(拠点)!としてのホテルです。

そんな“活動”を目的に行っているホテル経営者は私の知る限りおりません。

結果的に、縁つなぎ、つながりつくりがかなう場になっているホテルはありますが、しかし「人つなぎ、縁つなぎ」の活動を目的に経営されているわけではありません。

ホテルは「部屋(宴会場も含む)」という空間を時間で売っている、言ってみれば「場所貸屋」です。

ホロ社は「場所を貸す」「空間を埋める(稼働を高める)」ことが目的なのでなく、「つながりつなぐ活動」を目的にしたいのです。

「泊まる部屋」「食事する席」「パーティをする宴会場」という空間を提供し、その時間を演出するだけでなく、その「時・空間」を通じて人と人、人とホテル(私たち)、また人と地域などの縁やつながりをつなげていきたい・・・・そんな「つながりをつなぐこと」

それを目的にした「場」としてのホテルを目指していきたいと考えています。

コミュニティという言葉が昨今よく聞かれるようにはなっていますが、かといって今や、ここまで情報精度が高まっている時代において、地域のつながりが無くては生きていけない時代というわけではなくなりました。

それが「地縁的コミュニティ」が希薄化されていった原因でもあると思います。

(昔のようにご近所付き合いがなくては生活に窮する時代ではなくなりました)

それはある意味、物資的に豊かで便利で、少なくても生きていく上では「困らない」社会になっていることの裏返しであるとも言えなくないと思います!

“おひとり様”が増えているのも大いに関係する話しだと思います。

しかし「つながり」を求めていない人・・・極端に換言すると「孤独を求める人」が増えたわけでは決してありません。

むしろその逆ではないでしょうか?

セトレ開業して10年。

「WELCOME BACK」(お帰りさない!)

「ReEVER HOTELS」(繰り返しずっと来てもらえるホテル)

というスローガンの元、ブライダル事業を収益の基盤にしつつも、“イベント屋”ではなくて、生涯に渡ってのお付き合い、その人のライフスタイルに寄り添って関係性を築いていけるような業態を目指して「ホテル」という業態にこだわってきました。

それはこれからも変わりません。

そして今期から、ブライダル事業においては営業本部の新体制の元、より強化していく方針であります。

収益基盤の根幹のブライダル事業があるわけですから、そこは徹底して促進して利益を上げられるようにしていきます。

その「利益」こそセトレという業態、ひいてはホロ社という企業が存続し、また成長させてくれる必要な「原資」です

利益が出ることで永続的な企業が築き上げられます。

そして企業(組織)が永続することで、私たちはひとりひとりのお客様との関係性も深め、高め、続けることが実現出来ます。

「顧客の創造」が経営の目的だとすれば、「利益」はそのために不可欠な手段です。

なので「儲ける活動」に貪欲にならなければ、目的が果たせません。

一方、同時にホロ社のコンセプトでもあるコミュニティづくり

「コミュニティづくりの活動」は必ずしも目先の「利益」に直結するものではありません。

一朝一夕に「親友」のような信頼関係を築くことが出来ないように、それは気の長い農耕的な活動かもしれません。

しかし「つながりをつなぐ活動」・・・・これはまさに「顧客の創造」以外なにものでもありません。

そこの軸点をずらすことなく活動を強化してきたいと思っています。

 

「つながりつなぐコミュニティ創出企業を目指します!」

これをこれからのホロニックの企業ビジョンにしてきたいと思います。

 

今年度、ホテルセトレのメインコンセプトも修正しました。

これまではセトレの文字通り「Re・SET」という言葉から

「ココロとカラダをリセットする」

「すぐそこにある非日常」

というのがお客様に発していたコンセプトでした。

 

これからは「Re・SET+REVIVE」とつけました。

これはこれまでのセトレの進化系でもあります。

「REVIVE」は、「蘇らせる」「~を再び元気にさせる」といった「Re・SET」よりも力強い意味があります。

どこか能動的です!リセットだけであればどこか受動的でした。

お客さんのニーズに合わせる、お応えする・・・に留まった意味合いです。

しかし「REVIVE」を入れることで「活動的」「能動的」になります。

これまでの「ココロとカラダのリセット」「すぐそこにある非日常」というキャッチに加え

「発見・気づき」をこちらから主体的に促していくことで、セトレを取り巻くその地域のあらゆる資源を発掘し、発信し、またその共感から交流を促し、人や地域と共に新しい価値をつくっていく活動を主体的に行っていくという意志の表明です。

 

SETRE 新コンセプト案:マザーブランド

 

ここで出会った物語が、明日の私の一部になる

Reset + Revive

 

 

お客さんの眼に見えないニーズ、また声に出てこないウオンツを私たちが引きだしていくことで、その人たちの生きがい、やりがい、または働きがいまでに影響を及ぼせる場にしていくことを目指していきたいのです。

ちなみに結婚式を「恋愛のゴールの場」と設定しているのがブライダル専業会社です。

ホロ社流でいえば・・・・むしろ「家族のスタート」の機会と考えると、それはつながりづくりというホロ社の目的の一環になります。

レストランにしても、食事や料理を提供するだけでなく、それを通じてお客様と私たち、私たちと生産者、生産者とお客様というつながりをつなぐことが出来ます。

つながりつなぐ活動を興すことでブライダルやレストランといった事業の可能性も広まると思うのです。

私たちはお客様に対して「TO」「FOR」に留まらず「WITH」「IN」・・・“共に!”何かを生み出す、創りだす、つながる・・・・人の生きがい、やりがい、働きがいに影響を及ぼす「つながり創り」を活動にしてくことを目的にしてきたいと思っています。

それをホロニックのビジネスの特徴として、その事業モデルを確立していく1年にしていきたいと強く願って今期を迎えることにします。