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マンスリーレポート

2019年03月

「創造的破壊」

この時期になると来期に向けた予算策定を各部門で作成していくのが恒例になります。

各部門GMを中心に、会社の意向と現場の現実を見合わせながら算段し、いわゆる「数値」を出していく・・・

それでも大概、今年度、ないしは昨年など身近の結果を踏襲する・・・つまり経験則から出されたものが通例です。

少しチャレンジングな(ないしはコンサバティブであっても)数値であっても、いずれにしてもそのさじ加減は「(過去の)経験則」です。

チャレンジングにしても「イメージ可能な範囲で何とか頑張る」という発想からです!

その頑張る起点は「現状(=イメージできる)から」です。

しかし、この発想から、著しい発展、飛躍はありません!

簡単に言っていますが、これは私自身にも言い聞かせていることで、ここの打破は本当に難しいことだと日頃から痛感しています。

「火事場のバカ力」という言葉がありますが、これはまさに「切迫された状況に置かれると普段に想像できないような力を無意識に出す」という誰もが知るたとえ話です。

換言すれば、「切迫された状態にならないと、想像を超える力は発揮できない・・・」ということでもあります。

しかし、当たり前ですが、誰しも「想像を超える力を発揮したい」という願望は持っていたりします一方で「切迫された状態に自ら進んで向かいたい」という人はいません。

だから、「火事場のバカ力」はなかなか訪れないわけです。

訪れるとしたら、それはこちらが意図しない時にこそ突如やってくるわけです。

だから、本当に想像できないくらいの力を発揮したければ、出来るだけ「意図しない状態」を無くすことを肝に銘じて行動することが大事なのだと思います。

「意図しない状態を無くす(減らす)」には、出来るだけたくさんの「未経験を経験知に変える行動を習慣化すること」、

「知らないこと知ることが大事だという思考を高めること」が大事なのだと思います。

つまり、常に自分自身を磨き、高めることを意識的に考え、動くということが大事だということですね。

この「火事場のバカ力」という言葉に近い言葉(だと私は思っているのですが、、)の英語で「イノベーション(INNOVATION)」という言葉があります。

辞書的に訳すると「革新する」「刷新する」「新機軸」「新しい切り口」「技術革新」

こんな例話があります。

アメリカの自動車メーカー「フォード」の創業者・ヘンリーフォードの創業逸話です。

19世紀後半、当時、人々の交通手段の主力は「馬車」でした。

人々のニーズは、より早く目的の場所に着くこと・・・です!

そのための解決策を馬車提供する業者には求められたわけですが、そこから出てくる発想は「より速い馬車」です。

ヘンリーフォードはその発想からでなく、「機械化された車=自動車」を発明した・・・それが現代に至るまで語り続けられている逸話になり、イノベーションを表現するたとえ話になっています!

このイノベーションを一言でいえば「創造的破壊」です。

ヘンリーフォードは、馬車という乗り物を滅ぼし、自動車という新しい価値(観)を普及させたのです。

これ、まさに文字通りの意味でいけば「創造するためには破壊する」

換言すると「新たなこと(もの)を起こすためには古いこと(もの)を捨てる」

ここでいう「もの、こと」というのは「発想」に言い換えられると思います。

そういえば、かつてあったレコード盤もCDによって入れ替わり、今はCDすら衰退していますが、その変遷では業者が入れ替わっています。

写真はフィルムあってカメラあってのものだったのでした・・・そのフィルムは今の時代ほぼなくなりましたが、

新たな写真技術をつくったのはフィルムメーカ(富士フィルムなど)ではありません・・・

全然フィルムとは関係ない精密メーカーやそれこそスマホ機器メーカーに取って変わっています。

それでも、富士フィルムが、フィルム技術を活用して様々な画像、また化粧品などの製造を始めたのはこれもまたイノベーションなのでしょう・・・

さて、ホロ社も創業20年経過し、様々な変化を起こし、対応し、イノベーション的な流れを起こしてきました!

果たしてそれはイノベーション(創造的破壊)だったのかよくわからないところもあるのですが、歴史を振り返ってみると

「ブライダル企業」→「遊休施設の再生事業企業」→「ホテル再生企業」→「コミュニティホテル企業」→「コミュニティ創出企業」と・・・変遷してきました!

私がそれを意図、意識をしていたところもありますが、意図、想像を超えていたところも数多あります。

その都度都度で、いろいろなものを破壊?捨ててきたものがあることは自覚します!

が・・・かといってそもそも最初からそのうち捨てようと思って始めたもの(こと)は何一つなかったと振り返られます。

そしてこれからもそれが繰り返されるのだと思います。

繰り返されることで企業が成長や進化をしていくのだと思います!

「捨てる」のは怖いです、意図しないことに遭遇するのも恐ろしいです。

しかし、それと向き合うことでしか、人(個人も法人も)成長や進化がしないのだと・・・

ホロ社の目的は何か・・・を今年になって振り返ってみることが多いです。

色々変化に富んだ20年であっても、1㎜もずれていない概念(コンセプト)が年初のレポートにも書いた「いきがい、やりがい、はたらきがい」

この「甲斐のある人に溢れる社会」・・・それが豊かな社会の条件、だからそんな社会に貢献できる会社にしたい・・・

これは「ホテル」とか「コミュニティ」とか「つながりつなぐ」を唱えているその上位概念なのです。

これは、私たちが対峙している「お客様」に対してはもちろんですが、関係する「関係者」(ホロ社でいえば、地域(産地)、つくりて(生産者など))、そして「スタッフ」

近江商人の教え的に言えば「3方よし」ということでしょうけど・・・まさにこの3者が「甲斐を持てる」ような営みをしていくことがホロ社の目指すべきところなのではないか・・・

と改めて再認識しています!

だから、私たちは、予算づくりも、経営の決定事項も、現場での行動判断も、各々人の仕事上での判断も、お客様への対応の正否も、上司部下の接し方も、関係する人達へ振る舞いも、

全てこの「生きがい、やりがい、働きがいにつながっているのか」を基準・起点にしていけるようにしたいと考えるようになりました。

20年目以降、この創業から変わらない普遍的な考えの元に、創造的破壊を起こしていける会社を創っていきたいと期末の今!改めて思っている次第です。