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「ハイコンテクスト」

現時点(2021年10月)でほぼ半年ぶりにコロナによる緊急事態宣言が解除され少し経済活動、特に飲食、ホテル、旅行といったサービス業には明るい兆しが戻ってくる期待が高まっています。

「あ~ビールが美味い!」と居酒屋で飲食をするシーンがニュースなどで報道されていましたが、「それってビール(そのもの)が美味い」のでなく「ビールを取り巻く雰囲気が美味い?」ということなんだよね・・・と思いながら眺めていました。

(もちろん、ビール党の人にとってビールそのものは美味いわけでですが、だったら、別に家飲みでもいいわけなので、ここでは外で飲むビールが美味いは・・・「ビール<外」って構図です。)

ということで、価値があるのは、モノコトの背景、ないしは物語、もっといえば文脈(コンテクスト)

「使用価値」・・・つまり必需的な価値の類は、日本のような先進国・・・すなわちモノが充足してきている環境においては、「価値」と区別されるようになってきています。

この価値とは「意味ある価値」・・・つまりこれはモノやコトを取り巻く「あれこれ!」が価値として捉えられるようになっています。

日本ではバブルが崩壊して30余年、平成時代まんまが「失われた時代」とされ、経済指標的には成長が停滞していました。

その間、モノ不足→充足→余剰・・・その中で価格を破壊することで価値を出していく風潮もあり、それが経済成長を阻害している要因でもあったかと思います。

100均しかり、量販店、DS、ファスト〇〇、と言われるような業態が隆盛でした。

同じ(ような)商品、サービスならば安い方がいいわけですから、そこの競争はこの30年で増してきましたが、それももう限界感が出ています。

日本人全体の貯蓄率が90年代以降上がっているのですが、消費は活発にならないけど貯蓄が増えるというのはあっさり言って「お金はあるけど欲しいモノコトがない」からです。

欲しいモノコトがない(≒消費が盛り上がらない)と金利が下がるのが経済原則ですが、目下、日本はほぼゼロ金利状態・・・つまり貯蓄していても財産が増えていかないわけですから、本来金利が低ければ消費喚起に向かう、これも経済理論の原則ですがそうなっていない

さて、これからどうなるのでしょう?

私は消費がこれから増えて、経済成長していくためには「価値」が大事だと思っています!

そしてホロ社が行っているホテル事業、商品企画開発事業、これらもいかに使用価値でない「(意味)価値」を乗せていくかが消費を喚起していく大きな肝になってきます

この(意味)価値のカギが「コンテクスト=文脈」だと思っています。

近年、モノが売れないから「コト消費へ」などと言われていますが、モノとコトの違いを比べたり、モノがダメならコト・・・などという単純な話でないことは明らかです

AKB48・・・彼女たちが芸能界で人気出た理由は何か・・・

歌やダンスがうまいわけでも、決して皆がそろって容姿端麗!ってわけでもありません。

かつてのアイドル成功は、水面下で敏腕プロデューサーによって才能を発掘され、強力スポンサーが押し上げプロモーションをかけて誕生していくという構図でした。
しかし、AKBの類の人気消費は、小さなライブハウスから頑張っている姿、握手会などのひたむきな活動、総選挙などのファン参加型・・・などのアイドルになる道のりを公開しながら活動しているプロセスに共感され、ファン(消費者)に対して親近感を及ぼしているからではないでしょうか?

CDの売上が上がるのも同じファンが何枚も買う・・・モノ的に言えばCDなど1枚あれば十分なわけですが、そこについてる投票券(参加券)欲しさに集まります。

この仕掛け、仕組がよいかどうか別にして現実この類に消費が喚起されています。

野球でいえば、大リーグの方がはるかに、技術やダイナミックさ含めエンタメとしても最高峰、そして日本のプロ野球、ノンプロ、といった順番ですが、日本では高校野球甲子園大会が人気最上位になっています。

それもAKBと同じような話かと思います。

「結果でなく過程」・・・その「過程=プロセス」を取り巻く「文脈=コンテクスト」

ここの価値が、ホンモノかどうか、または共感できるかどうか、

まさに、この30年、モノコトの価値を価格で遡及していた時代、それは品質を下げて値打ちを出していたり、品質を上げても割安に見える値打ちを出していく戦略や戦術が通用していたかもしれませんが、それもそろそろ限界ではないでしょうか

まさに高い必要性のあるのはモノ・コトの品質以上に、コンテクスト!

結果につながるプロセスが、素晴らしい物語になっている、その訳(わけ)がつながっている、

そこが、益々「肝」になってくるのではないかと思います。

先月のマンスリーレポートでも書きましたが、「倫理資本主義」

AKBのプロセスに倫理があったと感じることはありません(ないわけでもないかもしれませんが・・・)

高校野球でも、野球越境留学した選手ばかりを集めたチームを応援する風潮は高まらず(これ選手は関係ないんですけど・・・💦)、地元で育った、地元の近所の人たちが地元の学校を応援する・・・これが美しいコンテクストです

そうでないケースもあるでしょけど・・・やっぱり人情、血縁、地縁に勝る関係性はありません

この倫理性によってつながるコンテクスト(文脈)こそが「ハイコンテクスト」です

ホロ社の展開するセトレなどのホテルや施設・・・そこでは「地域資源を企画する」「つながりつなぐ」というコンセプトの元、その文脈でサービスとして提供できるよう日々腐心しています。

江戸時代に近江商人が明示した商売原則の「3方よしの精神」があります

「売り手よし、買い手よし、世間よし」

自分の利益追だけにとどまらず社会貢献するという経営倫理に基づいた考え方で、今でも成功する経営者が唱えている教えでもあります

しかし、これからはそれに加え、「作り手」「地球」「未来=次世代」が加わった六方よしという概念が大切になってくるように思います

「作り手」・・・ここは地域資源を企画するというホロ社のコンセプトに従前から沿っていましたが、それに加え地球、そして未来

限りある地球環境資源、そしてその地球を舞台に私たちは生きています。

そんな地球や未来への持続的な社会を展望したとき、大きな将来課題を私たちは抱えているのではないかと考えるようになりました。

これからの未来課題も含めて、これからの社会を見据えた活動や行動もホロ社にとって重要な着眼点として取り組んでいきたいと考えています。

これも、またホロ社がこれまで取り組んできた「コミュニティ~つながりつなぐ」の文脈(コンケクスト)にそれこそ脈々とつながっているテーマだと感じています。