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「これからの30年」

舞子セトレを開業して間もなく20年になります

ホロ社として初のホテル事業をこの地で始めたのが2005年4月,さかのぼることその1年前〈2004年春〉くらいからアジュール舞子の現セトレのある当該地に佇む廃業されたホテルを買収する話が持ち上がり、そのための交渉を土地所有者である神戸市、そして建物の所有権を持つ会社と協議を進め、無事合意が出来たのがその年の暮れ(クリスマスの日に裁判所に行って確定されたという記憶を鮮明に覚えています)、そして年明けに契約捺印が行われました

それから、突貫工事を行い4月29日に開業を果たしました

当時のホロ社は年商にして3億円程度、社員も20人くらいだったでしょうか・・・創業駆け出し5年目のいわゆるスタートアップ会社でした・・・

ホテルの購入から改修のために外部からの融資や投資を受けて集めた資金は総額約10億

この資金は当時年商売上の3倍・・・それでも若干36歳の私にとってなぜか不安はありませんでした(その後、その現実を目の当たりにして恐ろしく恐怖の日々に陥いりましたが💦)

それから間もなく20年・・・

この舞子のセトレ当該地は神戸市からの借地、それも定期借地という契約であり20年という制約がありました、その期限は2025年1月でした

「事業定期借地契約」というのは、普通に賃貸されるのと違って延長更新が出来ない・・・つまり貸し手側が強い法律によって成り立っています

また地主が公的機関(神戸市)となれば、随意契約・・・つまり相対合意では更新契約できない・・・すなわち公募というカタチの公平性を資するプロセスを踏んで契約をする必要がありました

もう知っているスタッフも多いかと思いますが、今回契約満了を迎えるにあたって、舞子セトレの当該地も公募ということで世にさらされました。そのために、一部「セトレがなくなってしまうかもしれない」という類のニュース記事まで出ました

結果的には、ホロ社がこのまま更新することになりました、それもこれから向こう30年の契約

30年・・・と言えば今度、契約満了するのが2055年、私が生きていれば💦87歳、おそらく生きていたとしても働いていることはないでしょう・・・
私自身がいない未来を持続的に事業として成立している状態を想像、ないしは構想することは難しいことです・・・しかしそれが今からすべき大いなるテーマになります
〈20年前は、どうなるかわからなかったけど、自分自身がいなくなっている状態はさほど想像していなかったように記憶しています〉

今回公募に出された要諦は、単純にセトレ当該地の提案内容ないしは賃貸条件といった類の公募ではなく、周辺エリアを含めて賑わい創出、利便性の向上・・・といったいわゆる周辺公園(アジュール舞子全体や舞子公園)ないしは明石海峡大橋、来月開業する三井アウトレットや温浴施設など周辺の地域資源との広域連携を図ることでエリア全体の活性化であり、それを神戸市としては求めていました

私たちにとっては、これまではセトレ(だけ)をどう動かすか、どう魅力を発信するか・・・でよかったわけですが、これからは、セトレを軸にしていかに周辺エリアをどう魅力的なものにしていくか・・・という着眼や着想で事業をしていくことになります

つまり、例えていうならば、これまで池遊びでじゃぶじゃぶ?見える範囲で安心安全で遊べていたのが、海遊びに代わる・・・それはリスクも伴うけど、色々なチャレンジによって世界が広がることを意味します

そこで私たちが提案した内容のタイトルは

「~公園をもっと自由に~ KOBE WEST COAST PARK 構想 」

西側利便施設(アジュール舞子)をHUBとしてエリアの価値をアップデートする

としました!

神戸の最西端に、象徴的かつゲートウエイ(入口)になる西海岸公園をつくる!・・・そんな構想を打ち立てたわけです

そして、構想図(イラスト)も公表されていましたが、まさにこれが神戸市としては評価されたポイントだったの報告を受けました

セトレには、360度ビューのルーフトップテラスが出来て屋上が緑化され、海面にはサウナやドッグラン、釣人への寄合カフェみたいなものを造成し周辺を散歩、釣り、ジョギングする地域の方々にもより開放的になります

アジュールでは緑地帯の宿泊施設を造成し、市内の3か所しかないBEKOBEモニュメント前にBBQテラスを造成し、集客を呼び起こすカフェを誘致する・・・といったような企画になっています

公園をもっと自由に!・・・公園の中にあるセトレ、ないしは公園がセトレの庭園・・・といった一体感を持って運営していく世界観です

今回の結果を受けて、本PJTは、私がこれまでも言ってきた、「ホテルは手段、地域資源の企画編集が目的」をまさしく体現していくことになります。

ホテル事業者ではなくて、地域資源の企画編集者・・・いわゆる地域プロデュースをホテルというインフラ(場)を軸に展開していく会社になっていく

セトレではない場所・・・アジュール舞子の砂浜や緑地帯のエリアの魅力づくりにも私たちが主体的にかかわっていくということです

もっと言えば、舞子公園(県)や明石海峡大橋(国)とも周辺連携を強化し、一体となって利便性を高め、賑わいを創出していく、まさに「地域資源を企画編集する」事業であるわけです

砂浜でのキャンドルナイト、定例花火を地域の風物詩化する、ダイニングアウト・・・付近に点在する重要文化財、世界一の吊り橋などの地域、いや国を代表するコンテンツを網羅して体験価値、過ごしの価値を高めていく・・・それがひいてはエリア全体に賑わいを創出することになります

神戸市は、今、三宮駅前開発や湾岸エリア、最近では須磨水族館エリアなどの賑わいに力を入れてきましたが、この舞子エリアについては、西の端の既に存在している魅力をどう引き出して発信していくかをホロ社が主体的に考えよ!というミッションを与えられたように思います

これまで私たちは目の前の淡路島とは連携を強めてきました、また今年東側にはアウトレットが再オープンします

「つながりつなぐ」という企業ミッションを具現化していくには十分なリソースがそろっています

これから30年・・・を考えると、私自身30年前に今の自分を想像できたわけではありません

とすると、今考える30年後はひょっとして絵空事かもしれません

しかし、それでも30年後にこのエリアはどうなっているのか?・・・どうなっていくのが理想的なのか?という希望を描くことが肝心なのではないかと思います

まさにどうしていくのか?という私たちの主体的意志が今求められています

夢のある街、その真ん中にセトレがある・・・セトレの成長がエリア全体の成長につながる、そこに住む人々、関係する人々が幸せになり、誇りを持って関わる関係人口が増えていく

来街者の人々にとっても、行きたくなる、住みたくなる、関わりたくなるそんな魅力が溢れ出ている

セトレのある街の人々は、生きがい、やりがい、働きがいのある人々に溢れている・・・

そんな街づくり、地域づくりに貢献していく会社になっていくことを改めて私たちのミッションにしていきたいと強く思っています