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負けないための競争

「世界に一つだけの花」というスマップの大ヒット曲のさび部分

「NO1にならなくてもいい、もともと特別なONLY1」というフレーズがあるのは多くの人が知っています

セトレを経営して、その地域独特な「地域資源」というものに向き合っていけばいくほど、地域間競争や、そこに順列をつけていくことに意味は見いだせなくなるようになりました

今、地方創生という文脈で、それぞれの地域でいろいろな魅力を作り出したり、見出したりするような活動が行われ、政府も「消滅可能性自治体」などを公表することで、危機を煽る?

ような様子も見られます

世界遺産に認定されることや、かつて流行ったB1グランプリなどの開催誘致、ふるさと納税の取り合いなど、こぞって地域の特色や遺産を評価されようと、いわば「勝つための競争」や

「生き残りのための競争」が、今も各地で起こっています

当たり前ですが「勝つための競争」をしていたら、勝者と敗者が分かれ、そしてまた格差を生み出していくことになります

「生き残りのために・・・」というのは何か負の志向な気がしてなりません(そもそも、生き残るために生きたいと思って生きている人はほとんどいないと思うので・・・)

競争には同じ価値基準における「優劣差異」を競うものだけでなく、新たな価値基準の構築、つまり「分類差異」を競うものがあってもいいのではないかと思うのです・・・

前者は「よりベター」をこぞって競うわけですが、後者は「いかにディファレンス」を競う

「いかにディファレンス」には優劣の順列はありません・・・そもそも「違う」わけですから、むしろお互いの違いを称えあうことが出来るきわめて平和的な競い合いが可能です

それってある意味「負けないための競争」なのでないかと思います

本来、地域観光なんかはそのほうが親和性あるように思います

そもそも、地域資源は、グローバルブランドや全国ブランドと比べると地理的な制約から量的拡大が難しいわけですから、むしろ競争するより他の地域の個性、特徴と共創をする・・・

つまり私たちセトレでいえば、「そこならではの地域の宝」ないしは「借景」など、他力本願的な発想で、「つながりつなぐ」を志向した方がよい

「共創」発想に、「競争」・・・つまり「よりベター」「勝つための競争」をする必要はありません

そもそも誰にとって勝つ必要があるのか、、、、

私たちでいえばお客様から支持や愛顧をいただければOKなわけです

コロナ禍になって、移住や二拠点生活などのライフワークがクローズアップされました

その行動を起こしている人はほぼ「都市部の住人」ですが、その人たちが選択する地域は、都市部と同じような場所でなく、それと対極的な「地方」であることが主流です

都市部のような、ある意味「快適・安全・便利」で、生活合理性があるような経済的観念と違って「どの地域ならば一番幸せな生活ができるか?」的な価値観を求めていく

そこには、優劣基準(良し悪し)でなく、「好き嫌い」・・・これはその人独自独特な情感なので比較しようのないものです・・・いわば感性です!

この独善的な志向・・・そこには「誰かに勝つ」必要はないでしょう

VUCAの時代(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)と言われていますが(そもそもいつの時代もVUCAかもしれませんが)、そうなればなるだけ一層、正解がない・・・

というかたったひとつの解がない、つまり多様な価値観、寛容な社会観が求められてくると思います

そのような時に大事なのは、それこそ個々の感性、こだわり、想い、思想、哲学、独自性、自己アイデンティティ・・・などなどいろいろ表現はありますが、個性を磨き、

養うことが生きていく上で「甲斐(幸福感)」を高めていけるような気がします

かつて、ブータンという小国の国王が日本に訪問されたときによく聞かれたGNH(GROSS NATIONAL HAPPINES =国民総幸福量)

GDP(国内総生産)という経済規模の基準に対して同国が(勝手に?)提唱したわけですが、

ちなみに同国は人口90万人弱(神戸市の半分、世界中で160番目くらい)

GDP規模も160番目くらいで、世界に類をみない?経済小国なわけですが、このGNHは世界屈指

ということで国のブランドを高めました

ユニークですね・・・数多ある国々と同じ既存の土俵に立たず、むしろ自ら土俵をつくっちゃったわけです

そして、人の幸せの追求・・・というふわっとした・・・つまり同じ価値観で図りようのない、だれかのそれと比べようはないけど、本質中の本質を突いた指標・・・

ホロ社も「生きがい、やりがい、働きがいあふれる社会創りに貢献する」とうたっています

セトレでは「地域資源を企画編集する」とうたっています

考えてみると、その地域ならではの「地場産業」はその地域の宝です

またその地域の歴史、そんな独自の遺産や歴史は、模倣することはできません

つまり競うことはない、競う意味もない、そういったことでいえば負けようがありません

そのような着眼に立っていけば、素敵な地域資源は確実に存在しているし、それを拾い上げて磨き上げていくことで「オンリー1」になっていく、

そもそも地域に根付く資源は、ITやAIのように先進テクノロジーで新たに世の中に「突如生まれて出てきた!」ような刷新性はありません

なので、地域資源は「生み出す」というより「編み出していく」「引き出していく」「掘り起こしていく」と表現した方がピンときますね・・・

それが「つながりつなぐ」そして「編集する」ということだと考えています

そして、それがホロ社の生きる道!