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学童ホテル

2025年7月に一般社団法人ホロニックという企業を設立しました

2社目のホロニックということになります

この2社の違いは勿論、何をやるか・・・という事業体が違うことに加えて従前のホロ社は事業会社・・・つまり営利活動である一方で社団では公益会社、つまり非営利活動という違いがあります

しかし、「地域資源を企画編集する」という事業コンセプトや「つながりつなぐコミュニティ創出企業を目指す」というビジョンについては違いありません

昨今SDGsの世界的コンセンサスもあって、公益性・社会性といった概念が収益性という指標と同様に重要視されていっています

それまでは企業の社会活動といえば、CSR(Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任の略で、企業が利益追求だけでなく、環境や社会、従業員などすべてのステークホルダー(利害関係者)に対して配慮し、責任ある行動を取るべきだという考え方、またはそのための自発的な活動全般)という概念が一般的で、これは平たく言ったら、企業が儲けたお金を何かしらの社会貢献のために還元する・・・つまり本業である事業活動と社会活動が直接繋がっていないケースが多かったわけです

儲けたお金を芸術家の支援や障害者支援、地域活動への寄付的支援、社会活動に対する協賛・・・全ていわゆる「支援金を出す」ような活動で、それはそれで企業家や事業体の使命としては重要なことなのですが、本業利益が減少したら打ち切られていくケースが多かったわけです

当たり前ですが、企業はその時々の環境や情勢変化によって資本配分が変わります

本業が儲からないと、それとあまり関わりのないところに原資を配分することは必然的に劣後します

資本主義経済社会においては当然の論理でもあります

しかし、近年はCSV‘(Creating Shared Value(共有価値の創造)」の略で、企業の事業活動を通じて社会課題の解決と経済的価値の創出を両立させる経営手法)という概念が登場してきました

それは、社会活動そのものが事業活動に・・・つまり儲け(利益)にもつながっていく事業ということです

しかし、よく考えてみると営利企業体も社会性がなければその存在意義は果たせません(反社会企業は法的にも排除されるのですから)

すなわち「社会活動はそもそも営利活動にならない」という固定概念を壊して、それらが連続的につながっていくもだということが常識ということを植え付けていく社会になるべきかと思っています

10000円札になった渋沢栄一翁の「論語と算盤」という名著は、この2つをバランス論で唱えているわけではなくて、「倫理的(論語)な商売が一番(長期的に渡り)儲かる」と言っているわけです

さて、ホロニックが設立した「学童ホテル」の話です!

よくこの聞きなれない、だけど興味持たれやすい?この誰もが馴染みある「学童」と「ホテル」という単語の組み合わせに色々な人に聞かれますのは

「どんなホテルなのですか?」

そこですかさず答えるのは「これはホテル(という装置)でなく活動なんです」と・・・

「ホテルという場所で学童のような活動を行うこと」

曖昧(に聞こえる?)なこの活動を社会の一般的なムーブメントに出来たらと思っています

そもそもが、ホロ社の3代目CFO・高校生でもある為積さんが起案した「子供の体験格差問題」

親御さんの収入格差ないしは接する時間というものが子供に与える体験機会の差を生みだすという統計があります

その解消する機会をつくることは社会課題の解決になる、ひいては貧困問題、子育て世代の就業問題、ひとり親世帯への子育て課題・・・などなど様々な社会課題に対しても紐づく取り組みであることから、これをホテルという舞台で実現出来ないかということから検討が開始されました

セトレは火曜日休館にしていた関係で遊休日や遊休空間が確保できたことが動機付けにも適していました

先日、初の女性総理大臣が誕生しましたが、女性の社会的活躍はこれからの日本の経済成長においても欠かせない潮流でもありますので、それは子育て環境の充実とも切り離せない、それだけでなく少子化対策にも紐づきます

施設としての学童は一般的になりましたが、その補完的(預かり場所的)な機能だけでなく、キッザニアのような職業体験的な機能の両面を果たすことは私達ホテルだからこそ出来ることです

空間を持ち(しかも非日常的絶景空間)、かつ、対面接客サービス業の知見(マナー、食育、サービススキルなどなど)などを提供できることは、託児所的な場所、フリースクールのような機会・・・の両面機能を私達は果たせるわけです

ただ、セトレでは火曜日限定になります・・・なのでそれは利用者側にとってのネックかもしれませんがそれはやはり私達の出来る範囲でということで自社ポジションを整理をしています

それでも、夕食まで提供し、夜20時や21時くらいまで預かることで、その日の家事の負担が軽減できます

子供食堂は世の中に広がっていますが、「家族食堂」なるものが叶います、

それによって、親御さんが「火曜日になれば時間が取れる」となります

仕事においても時間を気にしなくて済む、休日だとしても解放されて束の間の「自分(達)の時間」を過ごせる・・・など、この親御さんに対する生活環境の充実ということにも貢献できることがやりながらわかってきました

そもそもですが、地域に住む人々が「地域資源」そのものなので、この活動はホロ社のビジョンやバリューに沿っています

しかも、この学童ホテルの利用料は無料です

その活動原資は、個人、法人などの寄付や協賛で賄っていきます

SDGsの流れがある中で、その複数の項目で「学童ホテル」に参画することで該当するものがありますので企業に賛同してもらうことを主流にしたいと考えています

利益の還元・・・というか法人税の一部を手触りのある活動に寄付、協賛、なんなら広報や販促費でもよいので参画してもらいたいわけです

お手伝いに参加することやプログラム組成への協力でも十分参画に値します

「株式会社ホロニック」はその主体者になって始めたわけですから当初の拠出は勿論のこと、最近各地でちらほら出てきた「宿泊税」と同様に「未来税」と称して売上の一部を自動的に集めるようにしています

「未来の宝」に対する税金は「宿泊税」よりもはるかに意義高いものだと思いませんでしょうか?

これを否定する人がいれば、それこそ「反社勢力」ではないでしょうか(笑)

企業の社会的使命の第一は納税だと思います・・・だからこそ利益をねん出していくことこそが社会貢献そのもの・・・というのが原則だと思います

その税金を何に使われるか、どこに使われるか、そこの選択権も儲けた会社こそ真剣に考えていく社会になるともっといいなあ~と思っています!

するともっとわが社の社会貢献とは?を明示できるようになるのではないでしょうか?

学童ホテルは10月から本格的に開校しました

これまで10回を超えるデモを実施して課題つぶしをしてきました

そこで気付いたことがたくさんあります

まずはこの学童ホテルを行うことでセトレの地域に対するイメージが高まっているのではないかという実感です・・・
これは定量的には語れませんが、確実にそれまで以上にセトレのステイタスが、この学童ホテルの認知度に比例して高まってくることを実感しています

それってセトレのブランディングにもなり、経済効果になって表れると思います

現に、今回参加された親御さんが、10年ほど前にセトレで結婚式を挙げられた方で、その方が他の親御さんにそのことを自慢(誇りにして語っている)している声を聴きました

それって最強の口コミ販促効果です

お子さんがセトレ館内を駆け回ることで、将来ここで働くことに憧れるかもしれません、、、そうでなくても大いなるセトレの応援団になります、それは親御さんも同様です

何かゼクシィやOTAなどにたくさんの手数料や広告費を支払うならば、このような活動にお金を使った方がいいのではないか・・・とも思うようになります

それだけに集客にも定着(ファンづくり)にも効果がありそうです

冒頭でも書いたCSV・・・論語と算盤・・・

まさに社会的活動が営利活動とガッツリ繋がってくるのです

そしてそもそもホロニックは

「生きがいやりがい働きがい溢れる社会づくりに貢献する」というミッションを掲げ

「つながりつなぐコミュニティ創出企業を目指します」というビジョンを掲げています

「地域資源を企画編集する」というバリューを掲げています

子供の体験格差を焦点に検証始めたこの事業が単一な課題だけでなく、つまり子供だけに留まらず、地域の生活者である親御さん、そして地域全体のよりよい居場所として編集し貢献されていく

このミッション、ビジョン、バリューに全て相通じているのです

ここをぶらさずスタートを切ってまいります