「HOL FES 2025」
先月、コロナ禍以降5年ぶりに社員総会(HOL FES)が開催されました!
6割のスタッフが初参加ということで恒例ではありますが、新鮮な機会になりました!
総会委員の皆さんはこの日のために献身的、かつ精力的に進めていってもらえたことを感謝しています!
さて、冒頭少し時間をもらって、年頭挨拶と兼ねた話を少しさせてもらいました
それを改めて文字で追えるようにレポートにしました
お伝えしたいことは2つ
ひとつは、今年(これから)ホロ社が向かっていこうとしていること(指針)
ひとつは、皆さんに対して望む姿勢のこと
まずひとつめはこれ
地域資源を企画編集する
ホテル
これまで「地域資源を企画編集するホテル」とうたってきました
が、この「ホテル」の位置を変えていこうと思います
どう違うのか?
文体的にはホテルの文字位置が変わっただけですが、文脈的には、主語と述語がひっくり返った
つまり「目的と手段が変わった」ということです
従来でしたら私たちは「ホテル業」ということになります・・・名詞的・・・というか、もっと言えばホテルという業に制約(しばられる)され
(ここで言うホテル業というのはレストランもブライダルも含まれる、いわゆる「館(やかた)業」ということです…念のため)
そして「地域資源を企画する」が手段的でした
しかし、「地域資源を企画編集する」が目的となると、動詞的・・・というか、それは雑誌?企画屋?記者?コンサルティング?地域商品開発・・・など多彩な動的な仕事へ広がっていきます!
それでも「ホテルを通じて」「地域資源」というテーマははっきりしています
そしてなぜそんなことを強く考えるようになったのか・・・と言うと
そのきっかけは昨年起きたセトレ舞子の公募という出来事でした
セトレ舞子は今から20年前、神戸市の土地を借りて、既存の建物をホロ社が所有する形で始まりました・・・が、通常の賃貸借契約でなく20年で契約が満了する前提の「定期借地契約」を締結していた関係で、2025年2月、まさに今月末で満了する契約だったわけです!
これは法律で決まっていることで特例が認められないため、このセトレの当該地は公募にかけられ、つまりホロ社が優先的に交渉できる権利もないため、他社が応募してくる可能性があったわけです!
そのため一部の報道から「セトレ舞子がなくなってしまうかもしれない」といった記事が広がったりもしましたので舞子スタッフは勿論皆さん既にうっすらでも知っている人も多かったと思います!
昨年は、その公募のための、神戸市当局の条件整理、告知、応募受付、提案、審査、決定・・・などのプロセスに1年近く要し、個人的にはひそかに?そこに自分自身かなり傾倒していました!
ひそか・・・というのは、もし、この公募でホロが運営継続出来ないとなった場合、このホテルだけにかかっている借入金残高(約4億円)の返済、またこのホテルを20年間投資し続けた資産の未償却資産(約6億円)、そして原状回復(建物を皿地に戻す)するための費用(約2億円)という、とてつもない資金負荷を要する
加え、なによりも、今この舞子で従事しているスタッフの皆さんが、この場所で働けなくなる・・・
そんな事態を想像すると、恐ろしくて、怖くて、とても事前に皆さんに情報や状況を共有することなどできませんでした!
絶対に契約を更新しなくてはいけない!・・・そんな心境の中で、公募条件が出されたわけですが、その時のお題が、セトレ当該地だけでなく、アジュール舞子という砂浜緑地公園全体に「賑わい創出」「利便性の向上」そして「外部連携」を通じたセトレを取り巻く周辺エリア全体の活性化や連携などを提案内容として重視するということでした
これまで、地域連携や共生などをうたってきましたが、基本自社のホテルをどう発展させ、守ることだけを考えてきました
しかし、出されたお題では、従来の考え方、すなわち「セトレのブラッシュアップ」ないしは「土地代の価格を上げる」などを提案することだけでは趣旨にそぐわないと感じました!
私達の視座を高め、視野を広げエリアの全体最適を提言していくことが求められていました
実際、神戸市も舞子エリアの公園や駅前周辺の活性化について大いに課題を持っていたと伺いました
ホテル会社にそれを求めるの?という次元に自身の頭を転換させていかなければいけない
そして絶対に契約を更新させなければ会社全体の危機に陥る・・・
そんな屈強の状況から生まれたアイディア(提案)がこの図でした
KOBE WEST COAST PARK構想!
今、神戸市では、三宮駅前開発や湾岸開発(ウオーターフロント)が進められ、また少し以前に須磨公園などの大型開発が進みましたが、この舞子周辺はほぼ手付かずな印象です!
まさに神戸の西端の玄関口(ゲートウエー)として既に存在しているアジュール舞子、舞子公園、明石海峡大橋という素晴らしい地域資源をホテル(セトレ)がハブになって魅力を引き出していくプロジェクトにしていこうという取り組み(提案)です
それをわかりやすくスケッチ1枚で表現しました
セトレ舞子の周りは釣人に溢れています
ジョギングや犬を連れて散歩している地元の人も多い
そのような人に向けて、釣った魚をその場で焼いて楽しめるようなカフェや、ドッグラン、サウナ・・・などをそちら側(沿岸側)に向けて造成する
これまでホテルという敷居が高く感じるのか、その方々を断絶されていたような感もありましたのでそこを開放していく
・砂浜のあるアジュール舞子では、砂浜ダイニングなどを定期的に開催する
・明石海峡大橋をバックに設置されている「BE KOBE」のモニュメント前にBBQ場を造成する
・緑地帯にはトレーラーか、コンテナ型コテージの客室を造成する
・公園入口の管理棟を改装か改築しスタバのようなカフェを誘致する・・・
・公園全体の駐車場を運営管理する
誘致することは私たちのこれまでの仕事(ホテル業)ではありませんが、そのエリアの温度を高めていくこと、ないしは、地域資源を企画編集するという仕事としては有意義なことです
・砂浜では、キャンドルナイトを季節の風物詩にする
・セトレは毎週のように婚礼をしていますのでそのフィナーレでシークレット花火を上げる
毎週末のように花火があがればその周辺地域住民にとっての楽しみになる・・・すると、そのためのクラウドファンディングみたいなこともできる
・舞子公園には重要文化材になるような武藤邸や孫文記念館がありますが、これはまるで「ホテルの自庭」のように横たわっています!
公園からすると「素敵なホテルのある公園」です
公園の価値も上がります
・明石海峡大橋ではセトレから眺められる主塔ツアー
そこには登ることが出来ることを知っているお客さんはほとんどいません…
せっかく舞子まで来てもらって世界一のつり橋のてっぺん(東京タワーのてっぺんとほぼ同じ高さ)に登りたいと思う人は少なくないと思います!
「過ごしの価値」を提供する・・・それは周辺にある素敵な地域資源を活かしながら体験してもらうのは王道なことだと思います!
また、垂水区周辺は、若年夫婦(子育て世代)の人口が増えていることから、休館日(火曜日)を活用して「学童ホテル」というプロジェクトを社団法人を設立して行っていきます
子供の預かりだけでなく、ホテルキッザニアのようなホテルならではの体験プログラムをつくって提供する・・・
無償にしてその運営費は取り組みに賛同していただく地域の企業などの寄付や会費で賄っていきたいと考えています
そして、今舞子駅前に旧舞子ホテル跡地にマンションが開発されていますが(300戸)、そのマンション事業者から、セトレの世界観を体現した共有ラウンジのプロデュースを依頼されています
ホテル(セトレ)の活性化でなく、このエリアが元気になり魅力が高まっていくことを軸に捉えたら必然的にホテルの集客は上がっていくでしょう!
だから、半分冗談、半分本気で、舞子駅上のマンションを社宅代わりに購入することを進めていきたいと妄想しています(今空きがないようですが・・・)
私たちがそのエリアの価値を上げることを担うわけなので、地価は上がるはず・・・なのです!
だったら、今は「舞子周辺の不動産は買い」ってことです(笑)
舞子の事例に終始しましたが、舞子の話だけでなく、全てのセトレにおいて「ホテルを通じて地域資源を企画編集する」は同様のことなのです
セトレの周囲に広がる資源は様々です、地元にいると普通に思えているものでも来街者から見ると「お~凄い!」というものは溢れ潜んでいたりします
地域資源はこの図にもあるように多種多様、多彩にあります
景色景観は勿論、建造物や地産食材のような目に見えるものだけでなく、それまで歴史が培った風土や文化、そこで営む人の手技や気質や、生活風土など目に見えない無形なものまでその地域の独自の特徴や個性は溢れています
そんな宝物を拾い上げ、私たちが企画する、編集する、見え方を変える(魅せる)
ちなみに、世界遺産から徒歩1分でいけるホテルは、全国探してもおそらくセトレ(奈良と長崎)くらいでしょう
「自庭に世界遺産があるホテル」と聞いたらひっくり返る来街者(外国人は特に・・・)多いのではないでしょうか?
まさに、私たちはホテル屋であれば「支配人、マネージャー、料理長・・・」といった肩書が上層になるわけですが、どうでしょう?「地域の編集長」という肩書は・・・
そこに役割価値がある・・・
それは「ホテルを通じた地域資源を企画編集する」会社の価値です
エリアの体温を上げていく!
そこがホロの今年の、今後の大きく目指していく方向であります
2つめは、主に現場でお客様と対峙している皆さんに対して望む姿勢についてです
これ、「儲ける」と書かれた文字は皆さん誰もが知るパナソニックの創業者で昭和の経営の神様と言われた松下幸之助翁が社員に向けた、会社の方針です
この一言!
「儲ける」と聞くと皆さんは、お客様から何か搾取する、ないしはお客様満足と真逆の概念で捉える人もいるかもしれませんが、全く違います!
ちなみにこの「儲」の文字を分解すると「信者」となります
つまり、信者をつくることが「儲け」になることに他なりません!
信者というと、宗教的、洗脳されている人・・・みたいなイメージを持つ人もいるかもしれませんがそんなことを言っているわけではありません
少し考えてみてください!
関西在住だと野球は阪神タイガースのファンの人が多くそれを自称する人は多いですが、「私は阪神タイガースのお客さんなんです」という人は聞いたことありません!
琵琶湖セトレでもお世話になるヤンマー社にはセレッソというサッカー球団を持っていますが、、それはサポーターと言います・・・「セレッソのお客さん」とはいいません!
いわゆる熱狂な人をファン、サポーター、ただ観戦しにきている人はお客さんかもしれませんが、ファンやサポーターはむしろ「参戦」している
そのような人達が、その球団の、その会社の儲けをもたらす源泉になっているわけです
私たちでいえば「今日は〇〇さんはいますか?」「〇〇さんがいないと寂しい」「〇〇さんがいるから予約した」と言ってくださる人が、いわゆるファンです
皆さん、ファンの心当たりはどれくらいありますでしょうか?
当たり前ですが、では、信者、ファン・・・はいきなり登場してきません
最初は観客≒お客さんから始まるのです
そのお客様に対して私たち、、、、皆さんにしてほしいことは
「お客様の立場になって考える、そして行動する」ことです
このお客様の立場になって考える、、、というのは
「お客様のために」
「お客様に尽くす」
「お客様第一」
ということと少し違います!
お客様の立場・・・というのは自分自身がお客様に成り代わって考える・・・ということに他なりません
お客様(大切な誰か)に成り代わったら、最近も発生したアレルギー食材の提供ミス・・・などあり得ません・・・
自分の家族、家庭の食卓でアレルギー事象など起きることは絶対ありません・・・よね?
この成り代わる、その立場になって・・・というのは、「ために、尽くす、第一!」というのとは次元が違うのです
皆さん、自分がお客さんだったら、このホテルに泊まりに来ますでしょうか?
その価格喜んで払いますか?
結婚式を挙げたいですか?誰かにお薦めできますか?
自分の職場(事務所や厨房)に招き入れることできますか?
お客様に成り代わって考えてみてください!
皆さんひとりひとり、そして全員がそれを叶えることが出来たら、それはファンです
私たちは「ファンを創る」ことを目的にしていきたいわけです
そのためのステップとして「お客様の立場で考える、そして行動する」
これを皆さんへ望む姿勢としてお願いしたことです
ファン(信者)だけが「儲け」をもたらしてくれるのです
これから、この先しばらく、おそらく人件費は上がり続けると思います!
これは経営者がいくらなんといおうと世の中の要請でもあるので不可逆的だと思っています
これは皆さんにとっては好都合だと思いますが人件費は会社としては経費として扱われます
そして経営の鉄則は「経費は最小限に」ですので会社には不都合です
つまり、かみ合わないわけです
この不具合(矛盾)を解消する唯一の方法は「ファンを増やす」だと強く確信しています!
ホロ社の今期の業績は厳しいものになります
それは売上や利益が予算に足りていないから、費用が過大だった・・・からではありません、
それは原因でなく結果です!
原因は、私たちのファンがいないからです、ファンが少ないからです
繰り返しになりますが、ファンを増やすこと、それが儲ける唯一の方法です
ひとりひとりが、そして全員がこの姿勢を貫いていける会社にしていきたい、
そう強く願っています